US PR&マーケティング通信

アメリカ在中のライターがインターネットの活用例を中心に現地PR業界の最新動向をレポート。

広告の説明責任に厳しい目

2008年01月31日

news2u:matsuhisa


広告業界の年次行事「2007年エージェンシー大賞(Agency of the Year 2007)」(メディア・マガジン主催)が1月末、ニューヨーク市内で開催された。今年で5回目を迎えた同賞は、戦略的ビジョン、イノベーション、そして業界リーダーシップの主要3分野において、高い功績を上げた広告代理店に贈られる。受賞企業をみると、広告業界のキーワードとして「広告のアカウンタビリティー(説明責任)」が浮かび上がってくる。

2007年エージェンシー大賞授賞式の様子
2007年エージェンシー大賞授賞式の様子

<広告効果の説明を>

今年の最優秀賞は、世界67カ国で事業を展開する総合広告代理店スターコム・メディアベスト・グループ(Starcom MediaVest Group)傘下の広告枠(メディア)購入代理店、メディアベスト(MediaVest)とスターコム(Starcom)が受賞した。

メディアベストは、流通大手ウォールマート・ストアーズや、ハンバーガー・レストランチェーンのウェンディーズなどから大型契約を相次ぎ獲得した実績を評価された。テレビや印刷メディア主力の従来の方針を変更し、昨年はオンライン・メディアをはじめとする新興メディアにも本格的に進出。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)大手のフェイスブック(Facebook)やマイスペース(MySpace)を利用し、日用品メーカー大手プロクター・アンド・ギャンブル(Procter & Gamble)のキャンペーンも実現した。

業界への影響という点では、印刷メディア(雑誌)に対し、広告効果についての説明を「毎号」求めたことが大きかった。メディア・マガジンによると、雑誌広告の効果は、一般的に過去6~12ヶ月の平均値を基に、雑誌ごと、あるいは広告主ごとに独自の手法を使って算出される場合が多い。メディアベストは、「毎号」の説明を要求した背景には「クライアント企業(広告主)の強い要求があった」と説明している。この慣例破りの影響は業界に広く波及し、「すべての大手出版社が説明責任に関するポリシーを見直すことになった」(メディア・マガジン)という。

<視聴者数から視聴形態へ>

説明責任を強く求める動きは、テレビ業界でも起きている。広告主は従来、テレビのネットワーク局に対し、番組ごとに視聴者数の保証を求めていた。ところが最近は、視聴者数だけでなく、番組が実際にいつ視聴されたのか(生で視聴されたのか、それとも録画だったのか)、番組だけでなくコマーシャルも視聴されたのか、高精細(HD)番組と標準番組では視聴形態に違いがあるのか、といったより詳細な情報を求める企業が増えている。

こうした新しい流れを受け、スターコムは昨年、調査会社TNSメディア・リサーチ(TNS Media Research)と提携し、秒単位の番組視聴データ収集に着手した。

ケーブルテレビ会社、チャーター・コミュニケーションズ(Charter Communications)と協力し、ロサンゼルス地域の30万世帯に設置されたデジタル・セット・トップ・ボックス(STB)を利用する。広告主は、番組とコマーシャルの視聴状況をより現実に近い形で把握し、広告効果の測定に生かすことができる。スターコムによると、STBを利用し、さらに秒単位の視聴者データを収集するサービスは、業界初という。これまでに保険会社大手のオールステート・インシュランス(Allstate Insurance)や、家電流通大手のベスト・バイ(Best Buy)とサービス契約を締結した。

ただ、このサービスも広告主の要望を完全に満たすわけではない。まず、モニター対象がロサンゼルス地域の世帯に限られる。そして、番組が録画されたことはわかっても、再生時にコマーシャルが飛ばされず、実際に視聴されたかどうかを知ることはできない。

<広告代理店化する(?)グーグル>

受賞企業の中で最も注目を集めたのは、「メディア・サプライヤー賞」を受賞した検索エンジン大手、グーグルだった。伝統的な広告代理店とはそもそも出発点の異なる同社だが、「リサーチ、メディア購入、費用対効果分析など、現在では広告代理店と同じサービスを提供している」(メディア・マガジン)というのが受賞の理由だ。

グーグルの影響力は、従来はオンライン・メディアに限定されていた。しかし最近は、テレビなどの従来型メディアをはじめ、無線通信を含む多方面へと広がりつつある。メディアの多様化に伴い、テレビ・コマーシャルの費用対効果に対する評価はより厳しくなった。グーグルがオンライン世界で培ったユーザーの行動把握・分析ノウハウは、従来型メディアと広告主にとっても魅力であるに違いない。 (大村智子)

 

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myRTで始めるアクセス解析:第7回】ROI解析と広告効果測定 --広告効果測定の結果の閲覧方法について--
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2008年09月20日 17:47

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