US PR&マーケティング通信
アメリカ在中のライターがインターネットの活用例を中心に現地PR業界の最新動向をレポート。
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広告のターゲット配信など、マーケティングを目的とした電子メールからの個人情報の収集に「待った」をかける法案が、このほどカリフォルニア州の上院議会で可決された。起案のきっかけになったのは、検索エンジン最大手のグーグルが投入を計画する無料のウェブメールサービス「Gメール」だ。メール本文からキーワードを抽出し、それに連動させた広告を配信するサービスがプライバシー侵害にあたるとして、プライバシー擁護団体などが批判の声を上げていた。他の電子メール事業者によるグーグル追随も間近とみられ、同法案の行方は注目を集めている。 |
| ―スキャンはOK |
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Gメールの特長は、一般的なウェブメールと比較して100倍から500倍も大きい、1ギガバイトという豊富なアカウントの容量だ。写真や画像付きの重いメールも、容量の制限を心配することなくやり取りすることが出来る。利用者にとって嬉しいサービスだが、プライバシー擁護団体などが問題視しているのは、豊富な容量提供の代償としてメールと一緒に配信される広告に関してだ。 Gメールに限らず無料のメールサービスでは、一般的に利用者はメール末尾への添付などの形で広告の配信を受ける。Gメールの場合、グーグルがメール本文の内容をスキャンして、内容に連動した広告を配信する仕組みが採用されている。このため、たとえばイタリア旅行についてのメールであれば、「イタリア」や「旅行」に関連したテキスト広告が、メール画面の右側に掲載されて送られて来るといった具合だ。 カリフォルニア州の法案では、Gメールのようにマーケティングを目的とした電子メール事業者によるメール本文のスキャンを認める一方で、スキャンして収集した情報をデータベース化して利用したり、データベース化した情報を第3者に販売、または第3者と共有したりすることを禁止した。法案には当初、メール本文をスキャンする前にメール作成者の合意取得を義務付ける、より厳しい内容が盛り込まれたが、今回可決された修正案では、同条項は排除された。 この他、スキャンはコンピュータ・プログラムを使って自動的に行なわれる場合に限って許可し、人による閲覧などは禁止した。また、削除済みメールの痕跡削除を義務付け、メール本文から得られた情報の一切の保存も禁じた。 |
| ―先回り規制 |
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電子メール事業者は、今でもスパム(迷惑)メールやウィルス除去を目的としたメールの自動スキャンを行なっている。実際のところ、Gメールのスキャンの仕組みはこれに近く、Gメールが個人情報の漏洩やプライバシー侵害につながる脅威は小さいと考えられる。しかし、何をもって違法とするかなど、明確な判断基準がないのも事実で、カリフォルニア州の法案には、今後の類似サービスによる悪用をけん制する狙いも込められている。同法案は、成立すればこの種の法律としては全米初となる。 |
| ―行動把握とマーケティング |
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メールを含め、消費者のオンライン上の行動把握は、いまや効率的なマーケティングを検討する上で重要な要素となっている。この傾向は、検索型広告の増加にもみてとれる。 オンライン広告の業界団体、インタラクティブ・アドバタイジング・ビューロー(IAB)がブライスウォーターハウス・クーパーズと共同で実施した調査の速報値によると、2004年第1四半期のオンライン広告の売上高は前年同期比39%増の23億ドルに達し、両社が1996年に調査を開始して以来、四半期単位の売上高としては最高額を記録した。年末商戦に向けて広告出稿が盛んになる第4四半期と比較しても、3.9%増加した。 市場の昇り調子をけん引した要因の一つは、キーワード検索の結果画面に検索結果に連動した広告を表示する、検索型広告の人気だ。コンサルティング会社のeマーケターによると、検索型広告の売上高は2003年に前年比倍増強の23億ドルに達したという。同社では2004年のオンライン広告売上高を前年比15%増の84億ドルと予想しており、検索型広告の伸長が市場の上昇傾向に貢献するとしている。 |
| ―サイト人気と広告効果 |
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一方、調査会社ビビデンス(Vividence)は、検索サイトの人気と広告のクリックスルー率は必ずしも連動しないとの調査結果を発表した。2000人を対象に検索エンジンの利用体験を聞いた同調査では、「非常に良い」と回答した人の率は、グーグル(89%)、ヤフー(68%)、アスクジーブス(50%)、ライコス(48%)、MSN(41%)の順に高かった。ビビデンスによると、グーグルの簡素で見やすい結果表示と、広告主と検索結果を明確に区別した表示に人気が集まったという。また、検索結果の比較ではグーグルと他社では顕著な差は見られず、グーグルの人気は、技術的な優位性というよりは、優れたブランド力とプレゼンテーションに起因することが示唆された。 広告のクリックスルー率など広告効果の総合評価では、グーグルは最下位だった(表1参照)。しかし、同社の高い人気は、広告媒体としてのサイトの価値を今後も高めていくことになりそうだ。 表1:広告効果(総合評価)
■ ライター : 大村智子(ニューヨーク在住) |
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