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アメリカで台頭する次世代のメディア「分散型メディア」とは?

公開日:2015年11月19日 | 最終更新日:2015年11月27日

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アメリカで「分散型メディア」を使った新たなマーケティング戦略が台頭しています。分散型メディアとは、Facebook、Twitter、Instagramなどの各種のプラットフォームを利用し、それぞれに最適化させたコンテンツを掲載してターゲットへのインプレッションとリーチを増やす戦略です。

アメリカの新興ニュースサイトのBuzzFeedがこの戦略を発案、実行して大きな成果をあげたことで全米のマーケターに注目されるようになりました。

「オウンドメディア」を越える「分散型メディア」?

マーケティングの世界では今もオウンドメディアブームが続いています。オウンドメディアとはその名の通り、独自コンテンツを自社のウェブサイトやブログに掲載し、トラフィックを集める方法です。

一方、分散型メディアのコンセプトは至ってシンプルです。分散型メディアにおいても自社で独自のコンテンツを用意することは同じですが、違いはその掲載方法です。オウンドメディアが自社のウェブサイトやブログにコンテンツを掲載してメディア化するのに対し、分散型メディアは自社のウェブサイトやブログではなく他社のプラットフォームにコンテンツを掲載するのです。

具体的には、それぞれ豊富なユーザーを抱えているFacebookやTwitterなどにコンテンツを掲載します。つまり、自社コンテンツを中心とせずに他の有力なプラットフォームに掲載し、インプレッションとリーチを最大化させるというやり方です。

リンクシェアは時代遅れ?

分散型メディアを自ら手がけ、月間2億人ものユニークビジターを抱えるまでに成長したBuzzFeedのCEOジョナ・ペレッティ氏によると、同社は月にFacebookから3億4,900万、ピンタレストから6千万、Twitterから1,250万のリファーラル・トラフィック(そのサイトから誘導した自社サイトへのトラフィック)を獲得しているそうです。各種の有力プラットフォームでリンクシェアし、トラフィックを誘導するというオウンドメディアとしては上々の数字といえるでしょう。

一方で、BuzzFeedがそれぞれのプラットフォームで配信しているコンテンツは、Facebook113億、ピンタレスト60億、Twitter8億4,700万の膨大な月間ページビューを獲得しているのです。つまり、BuzzFeedのユーザーは、各種のプラットフォームでシェアされたオウンドメディアへのリンクをクリックするよりも、それぞれのプラットフォームで配信されたBuzzFeedのコンテンツを読んでいることになります。

「(リンクシェアでオウンドメディアへトラフィックを誘導するよりも)コンテンツを直接配信してしまう方がより多くのオーディエンスにリーチできる」とペレッティ氏は語っています。

無視できないプラットフォームの成長

分散型メディアが台頭してきた理由はプラットフォームの成長です。今日Facebookは全世界で14億9千万人、Twitter3億1,600万人、Instagram3億人ものユーザーをそれぞれ抱えています。

いずれも単なるソーシャルメディアというよりも、各種のアプリケーションと連動した、ひとつの巨大なプラットフォームとなっています。ユーザーはメディアとしてではなく、ツールとしてそれらのプラットフォームを自己完結的に利用しています。

別の言い方をすると、それらのプラットフォームは今やユーザーの生活の一部と化しているのです。それらのプラットフォームの「コンテンツ」としてユーザーに閲覧され、結果的にインプレッションやリーチが得られる。これこそ分散型メディアが台頭している理由でしょう。

検索中心による集客の決別

分散型メディアの台頭は、ある意味オウンドメディアとの決別を意味するかもしれません。コンテンツを自社サイトに囲い込み、引き寄せたトラフィックをその範囲内に囲い込むのをオウンドメディアだとすると、分散型メディアはそれぞれのプラットフォームの領域でコンテンツを流通させるからです。

つまり、コンテンツを囲い込むのではなく、広く分散して公開するのです。

分散型メディアへのシフトは、これまで長らく続いてきた検索中心による集客との決別であるとも言えそうです。オウンドメディアでは、トラフィックを集める手段としてGoogleに依存してきました。自社コンテンツをGoogleが評価し、検索結果順位を高く表示してもらうことで多くの人の目に触れ、クリックから自社サイトへ誘導するといった流れです。SEOも、Googleにいかに高く評価してもらうかを中心に検討され、対策がなされてきました。

しかし、分散型メディアでは各種のプラットフォームにコンテンツを最適化させはするものの、Googleに対するSEOのような対応は行いません。プラットフォームの過去の情報としてGoogleの検索結果に反映されるということはあるものの、それ自体がGoogleの検索結果に影響を受けることはなくなります。

分散型メディアを活用する際のポイント

このようにアメリカで脚光を浴び始めた分散型メディアですが、マーケティングにおけるひとつのトレンドとして今後日本でもブームになる可能性があります。最後に、分散型メディアを活用する際のポイントをまとめます。

それぞれのプラットフォームにコンテンツを最適化させる

それぞれのプラットフォームごとにユーザー特性、ユーザーの利用目的、利用内容が違うため、それぞれのプラットフォームに合わせてコンテンツを用意し、対応する必要があります。例えば、Twitterのユーザーの利用状況を検証して、いつの時間帯にコンテンツを配信すべきかを把握しておくといったことです。

定期的に情報配信する

多くのプラットフォームでは情報がタイムラインで表示されるため、投稿された情報がすぐに画面から消えていきます。スクロール切れを防止し、露出を増やすために定期的に情報を配信することが必要です。逆にいうと、定期的に情報配信することが困難な場合は分散型メディアの利用を再検討した方がいいかもしれません。

コンテンツはコンパクトに

ニュースサイトVox.comを主宰するエズラ・クライン氏は、分散型メディアの普及が進む今後、コンテンツのコピーをできるだけ短くするようにアドバイスしています。情報がタイムラインで多数配信されるため、できるだけキャッチーなコピーを考えなさいというアドバイスですが、コピーとともにコンテンツもできるだけコンパクトにすべきでしょう。

ところで、今後分散型メディアの普及が進むとしても、すべてのオウンドメディアが無意味・無価値になるとはいえないでしょう。

むしろ、専門性の高い分野であればオウンドメディアの価値はより高まる可能性もあります。分散型メディアのトレンドに注目しつつも、自社にとってのオウンドメディアの意味を再検証しながら、マーケティング戦略を練っていきましょう。

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