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テキスト広告を追う、オンライン動画広告

公開日:2006年8月31日

 オンライン広告はここ数年、キーワード検索の結果に応じてテキスト広告を表示する、いわゆる検索連動型広告が成長をけん引してきた。しかし、最近の動画人気を背景に、テキストから動画へ、長期的な世代交代の兆しを見せている。
―2010年は24億ドル市場に
 調査会社eマーケター(eMarketer)によると、オンライン動画広告の市場規模は、2005年の2億2500万ドルから2010年は24億ドルに拡大する。オンライン広告市場全体に占める割合は、同じ期間に1.8%から8.0%に上昇するという。市場規模が小さいことを考慮しても、成長に勢いがある。

 動画人気は、一般消費者による動画(映像作品)投稿サイト「ユーチューブ(YouTube)」の登場をきっかけに加速した。ホームビデオや、アマチュア映像作家が作成した作品を投稿、閲覧、共有できる同サイトは、昨年12月に正式公開されて以来、ネットを中心に口コミで視聴者が増え、同社によると、投稿される作品数は1日あたり6万5000本、閲覧される作品数は同じく1億件を超えるという。数ある動画投稿サイトの中でもその人気は群を抜いており、市場シェアは約43%に達する(表1)。

サイト名 市場シェア(%) 視聴者の平均サイト
滞在時間(分:秒)
1.ユーチューブ(YouTube) 42.94 13:20
2.マイスペース・ビデオ(MySpace Videos) 24.22 4:41
3.ヤフー・ビデオ・サーチ(Yahoo! Video Search) 9.58 15:02
4.MSNビデオ・サーチ(MSN Video Search) 9.21 2:58
5.グーグル・ビデオ・サーチ(Google Video Search) 6.48 7:44
6.AOLビデオ(AOL Video) 4.28 6:41
7.iフィルム(iFilm) 2.28 6:14
8.グルーパー(Grouper) 0.69 5:02
9.デイリーモーション・ドットコム 0.22 11:31
10.vソーシャル・ドットコム(vSocial.com) 0.09 7:14

出典:Hitwise, May 2006
*2006年5月14~20日の1週間

動画広告は従来もあったが、テレビコマーシャル(CM)をそのまま流用するなど、オンライン環境に必ずしも適していなかった。しかし、ブロードバンド加入世帯が増加し、動画の視聴環境が改善されたこと、それと前後するユーチューブなど動画サイトの登場で、動画コンテンツの需要が高まったことなどから、広告業界がオンライン動画広告に関心を示すようになった。

ユーチューブは8月末、「ブランドチャンネル(Brand Channels)」と「参加型動画広告(Participatory Video Ad)」の2つの広告プログラムを発表した。広告主が「チャンネル」を開設し、ユーチューブ視聴者向けに動画広告などを配信できるようにする。ブランドイメージに合わせ、チャンネルの外観をカスタム化することもできる。顧客第1号のワーナー・ブラザーズ・レコードは、タレントのパリス・ヒルトンさんのデビューアルバムを宣伝する。広告主にとって、ユーチューブの膨大な視聴者層にアクセスできるのが利点だ。

動画コンテンツ提供ではユーチューブに出遅れたグーグル、ヤフー、アメリカオンライン(AOL)、マイクロソフトなどのインターネット関連大手も、メディア大手などと提携し動画広告の提供に力を入れている。

―消費者参加型広告
オンライン広告ならではの特徴に、消費者参加型広告キャンペーンがある。製品やサービスを題材としたブログの開設が代表例だが、なかにはもう一歩踏み込んで、消費者に広告そのものを作らせる試みも実施されている。例えば、自動車大手のゼネラル・モーターズは人気テレビ番組と提携し、ある自動車モデルの消費者作成広告コンテストを実施した。一時は批判的内容の広告も登場し対応に追われたが、それをきっかけに消費者との対話を進めるなどの成果を上げた。

テレビCMのコピーが消費者によってインターネット上に出回り、思わぬ宣伝効果があったという例もある。IP電話大手ボナージュ(Vonage)は、ホームビデオやインターネットで見つけた面白い動画を使ったテレビCMを作成した。これが人気となり、動画を他のホームビデオと入れ替えたりしたパロディ版が次々と登場し、話題を呼んだ。広告主はお金を払わないのに、CMだけが一人歩きして様々なサイトで紹介され、ブランド名とサービスの認知度向上に貢献したというわけだ。

しかし、こうした消費者作成広告がテレビで実際に放送されたことは、ほとんどない。著作権、知的財産権、広告収入の分配をどうするかなど、解決しなければならない課題は少なくない。一部広告は、消費者作成コンテンツ専門のケーブルテレビ(CATV)局、カレントTV(Current TV)で紹介されている。

―ソーシャル・ネットワーキング・サイト
 新しい広告チャンネルとして、ソーシャル・ネットワーキング・サイトへの関心も高い。グーグルは、ソーシャル・ネットワーキング・サイト大手のマイスペース・ドットコム(MySpace.com)に検索機能と広告を提供することで、親会社ニューズ・コーポレーション(News Corporation)と提携した。マイスペースとの契約に失敗したとされるマイクロソフトも、大学生を中心とするウェブサイト、フェースブック(Facebook)と提携した。バナー広告とテキスト広告を独占的に提供する。

関連URL:
eマーケター(eMarketer)
http://www.emarketer.com

ユーチューブ(YouTube)
http://www.youtube.com

カレントTV(Current TV)
http://www.current.tv

マイスペース・ドットコム(MySpace.com)
http://myspace.com

フェースブック(Facebook)
http://www.facebook.com

■ ライター : 大村智子(ニューヨーク在住)

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