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ネット広告の注目株 - ペイ・パー・コール広告

公開日:2006年3月2日

 検索実行者と広告主を電話でつなぐネット広告「ペイ・パー・コール(pay-per-call)広告」が急成長の兆しをみせている。ペイ・パー・コール広告は検索連動型広告の新しい形として米国で2004年頃に登場し、オンライン版イエローページ(電話番号案内)を中心に導入されてきた。ところが昨年からローカル検索が注目されるようになり、ポータル大手が地方の中小企業を広告主に取り込む手段としてペイ・パー・コール広告に着目。アメリカ・オンライン(AOL)がローカル検索サービスにいち早く取り入れたのを皮切りに、昨年暮れにはグーグルも試験提供に乗り出した。
―電話回数に応じて料金設定
 これまでの検索連動型広告は、広告をクリックした検索実行者を広告主のウェブサイトに誘導する仕組みになっていた。ペイ・パー・コール広告も検索結果を表示するところまでは同じだが、検索実行者をウェブサイトに誘導する代わりに、検索者が広告主と電話で直接話ができるようにする。例えば、広告をクリックすると広告主にネット電話がつながったり、通話料金無料の電話番号が表示されたりする。広告料金は、広告を経由して広告主にかけられた電話の回数に応じて決まる。

 グーグルの試験サービスは、検索実行者と広告主の間にグーグルが入り、検索実行者が指定する電話番号と広告主をつなげるというもの。検索結果画面に現れる広告に表示された緑色の受話器のアイコンをクリックすると、電話番号の入力画面に誘導される。電話番号を指定し「無料接続ボタン」をクリックすると、グーグルが検索実行者と広告主の両方に電話をかけて両者を接続する。

  グーグルによると、検索実行者が指定する電話番号は、広告主を含むグーグル以外の第3者には公開しない。また、一定期間が過ぎたところで電話番号そのものの記録も削除するという。グーグルはこのサービスについて、試験結果や今後の見通しを発表していない。サービスは今のところ無料だが、業界関係者の間では、将来は有料化され同社の新たな収益源に育つと期待されている。

―大手ポータルが注目
 ペイ・パー・コール広告市場はもともと、インジェニオ(Ingenio)やeスタラ(eStara)といった専業企業が開拓した。99年設立の新興企業インジェニオはオンライン版イエローページへのリスト配信と技術提供で事業基盤を築いたが、最近は大手ポータルと提携し、番号案内サービスを超える市場拡大に乗り出している。

 AOLは2004年、大手ポータルではいち早くインジェニオと提携し、検索とイエローページの各サービスにペイ・パー・コール広告を取り入れた。グーグルの試験サービスとは違い、ネット利用者が自分で広告主に電話する。通話料金は無料。ヤフーもペイ・パー・コール広告を試験中で、マイクロソフトも近く同市場に参入してくると見られている。

―中小企業の広告を獲得
 大手ポータルがペイ・パー・コール広告導入で狙うのは、地方の中小企業からの広告収入だ。インジェニオによると、米国にはウェブサイトを持たない中小企業が約1380万社あり、これらの企業が潜在顧客となる。

 一方、広告主にとってのペイ・パー・コール広告の魅力は、従来の広告に比べ、高い投資回収率を期待できるという点だ。インジェニオによると、広告料金は電話1回あたり平均10ドルだが、モーゲージやリファイナンスなど人気カテゴリーでは50ドルに達することもあり、クリックあたり料金設定に比べ10~20倍も高額になる。しかし、ウェブサイトを閲覧するだけでなく、広告主にわざわざ電話をかけてくるような検索実行者は予め欲しい製品やサービスが明確なことが多く、注文につながる確率も高いという。

 また、法律事務所、美容院、レストランといった地方の中小企業は従来、顧客と電話で話をすることにより事業を広げてきた経緯があり、ウェブサイト経由で注文や要望を受け付けるには不便さがある。同じことは、サービスの利用者にも当てはまる。

―2010年には37億ドル市場に
 調査会社ケルシー・グループ(Kelsey Group)は、ペイ・パー・コール広告市場の売上高は今年6000万ドルに達し、2010年には37億ドルに急成長すると予想している。大手ポータルの参入が市場拡大のけん引力になりそうだ。

関連URL:
インジェニオ(Ingenio)
http://www.ingenio.com/

eスタラ(eStara)
http://www.estara.com/

ケルシー・グループ(Kelsey Group)
http://www.kelseygroup.com/

■ ライター : 大村智子(ニューヨーク在住)

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