広報・マーケティング担当者のための
ネット上の情報発信・情報流通を支援するネットPR.JP

女性専門家のメディア登場と民主主義

公開日:2005年11月10日

 テレビのニュース番組や新聞記事では、話題に沿った分野の専門家が登場し、意見を述べたり解説をしたりするのがお決まりだが、このほど、そうしたテレビ出演や印刷メディアのインタビューに打って付けの人物ばかりを集めた画期的なオンライン・データベース「シーソース・ドット・オルグ(SheSource.org)」が登場した。スローガンは、「男女間格差の廃絶」。ジャーナリストや、テレビ番組向けにゲストの出演契約交渉を行うブッカーと呼ばれるメディア関係者を対象に、女性の専門家だけを限定して紹介する。
―女性専門家80名を登録
 シーソースでは、「経済」、「政治」、「教育」、「環境」など、合計12分野の専門家を検索できる。例えば、「法と犯罪」を選んで検索すると、スタンフォード大学法学部の現役教授、法律事務所のパートナー、同分野で活動する非営利団体代表者、元検事など、9名の名前と現職名が一覧表示される。興味のある人物の名前をクリックすると、顔写真入りの略歴と連絡先が掲載されたページに誘導される。

 専門家に連絡を取る場合は、相手にシーソースを利用したことを伝えるよう推奨されているが、それ以外に条件はない。データベースを何度使っても、また何人に連絡を取っても、費用は一切かからない。予め連絡を取りたい専門家の名前が分かっていれば、人物名で検索することもできる。

 非営利団体のホワイトハウス・プロジェクト、ウイメンズ・ファンディング・ネットワークとシーソースを共同で立ち上げたPR会社のフェントン・コミュニケーションズによると、10月11日のサービス開始時に75名だった専門家の数は、10月末時点で80名に増えた。「信頼できる専門家の情報源」として、ジャーナリストやブッカーの評価は上々という。

―女性の登場頻度は男性の6分の1
 シーソースの狙いは、ニュース番組など、国家の政策にかかわるような重要な問題を扱うマスメディアにおける女性の登場回数を増やすこと、言い換えれば、女性の意見が発表される機会を増やすことにある。政府の要職に女性が登用され、ひところのように、民間企業の女性トップの活躍がニュースとして騒がれることも少なくなるなど、女性の活躍の場は確実に増えてきた。だが、人口の51%が女性であるのに対し、「女性専門家のメディア登場回数は、男性専門家の頻度に比べて低すぎる」と言うのがシーソースの主張だ。

 米国では、日曜の朝に放送されるニュース番組が、政治・経済・外交・国家安全などに関する時事問題を幅広く取り上げ、有力政治家や専門家を招いた質の高い議論を行うことで高く評価されている。事件の渦中にいる人物が沈黙を破り、あるいは政府の要職にある人物が政府の見解を述べる場に利用するなど、その内容は多方面に影響を及ぼすことでも知られる。

 ホワイトハウス・プロジェクトが、NBC、CBSなどテレビの大手ネットワーク局と大手ケーブル局CNNの日曜朝のニュース番組を、2004年11月2005年7月まで8ヶ月にわたり調べたところ、番組に登場したゲストのうち、女性はわずか14%にすぎなかった。また、女性が出演した場合も、男性ゲストに比べて繰り返し出演する回数は顕著に少なく、出演機会も、番組後半の重要度が低いコーナーが多かった。

 女性ゲストの割合は2001年調査時の11%からわずかに上昇したが、人口構成比に比べた男女間の格差は依然として大きいのが現状だ。この傾向は、日曜朝のニュース番組に限らず、印刷メディアやラジオについても同じという。

―議論の活性化に期待
 シーソースは利用者からの専門家推薦を受け付けており、フェントンによると、すでに100件を超える推薦が寄せられた。専門家が実際にデータベースに登録されるには、フェントンを含む3社・団体で構成される諮問パネルによる推薦が必要だ。

 データベースに登録された専門家は、シーソース経由でジャーナリストやブッカーから受けた取材要請には、スケジュールが許す限り最大限の努力をして応じることが求められている。

 フェントンは女性専門家のメディア露出を支援する理由について、「政治、国家安全といった全ての人に影響を及ぼすような問題を議論するには、人口の過半数を占める女性の視点や考え方が欠かせない」と説明。ホワイトハウス・プロジェクトのマリー・C・ウィルソン代表は、「女性が意見を述べることにより、国家安全、外交政策、テロ対策などの議論が活性化される。女性リーダーのメディア登場は、真の民主主義へ近づくための第一歩」と豊富を述べている。

 シーソースは今後1年間試験プロジェクトとして運営され、利用者からのフィードバックを募り、機能の改良や追加が進められる計画だ。

関連URL:
シーソース・ドット・オルグ(SheSource.org)
http://www.shesource.org

フェントン・コミュニケーションズ(Fenton Communications)
http://www.fenton.com

ホワイトハウス・プロジェクト(The White House Project)
http://www.thewhitehouseproject.org/

ウイメンズ・ファンディング・ネットワーク(Women’s Funding Network)
http://www.wfnet.org/

■ ライター : 大村智子(ニューヨーク在住)

Follow us!

ネットPR.JP 記事カテゴリー

ネットPR.JP 記事年別アーカイブ

ネットPR.JP 最新記事

ネットPR.JP 記事カテゴリー

ネットPR.JP 記事年別アーカイブ