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広報新チャンネルとして期待されるRSS

公開日:2005年8月11日

 インターネット上の膨大な情報の中から、必要な情報を効率よく収集・検索するための手段として、RSS(Really Simple SyndicationやRich Site Summaryの略)サービスが人気を呼んでいる。あらかじめ興味のある分野やウェブサイトなどを登録しておくと、専用ソフトがニュースサイトや著名なブログの更新情報から条件に合致する情報を自動的に探し出し、それらの見出しや要約、更新時間などを知らせてくれる。リンクを開けば、記事全文を読むこともできる。
 いわば、クリッピングの電子版購読サービスだ。最近では、プレスリリースや製品情報の配信など、広報チャンネルとしてのRSS利用も注目されている。
―企業情報を選択的かつタイムリーに配信
 RSSサービスでは、小型の専用ソフト、RSSリーダーがRSS形式のファイルを読み取り、必要な情報を収集・表示する。RSSリーダーはウェブベースとデスクトップ用アプリケーションの2種類があり、複数の企業から無料で提供されている。RSS配信に対応したコンテンツやウェブサイトは、「XML」の文字を配したオレンジ色のRSSアイコンで明示されている。

 企業情報のRSS配信は、IBM、マイクロソフト、アップル・コンピュータといった大手IT系企業を中心に始まった。

 IBMは顧客、デベロッパー、投資家、ジャーナリスト向けの製品情報やプレスリリース配信にRSSを採用した。例えば投資家向けには、事業戦略を説明する読み物企画「IBMビューポイント」と、投資家に重要と思われるイベント情報やニュースをまとめて提供する「IRコーナー」をRSS配信している。デベロッパーとジャーナリストには、配信情報を製品や技術別に細かく分類し、必要な情報だけを指定して受け取れるサービスを導入した。

 事業分野が多岐にわたり発信される情報量も膨大なIBMにとって、こうした情報のカスタム配信は、情報を必要とする人に最も必要な情報だけを迅速に提供するための、顧客サービスの一環でもある。同社は製品開発担当者が主催する23件のブログもRSS配信している。

―政府は政策広報に利用
 連邦省庁は、プレスリリースの配信や政策広報にRSSを採用した。政府のポータルサイト「FirstGov.gov」には、以下12件のRSSサービスが紹介されている。括弧内は情報発信機関である:

 この他、著名人を採用した数ヶ月の期間限定キャンペーンを継続して実施し、意識の向上を呼びかける一方で、高校生を対象に選挙や選挙人登録に関する冊子やフィルムを作成するなど、これから投票資格が出来る若者の教育に力を入れた。

 農業RSS(農務省)
 ビジネス経済RSS(中小企業庁施策広報局)
 コンシューマーRSS(米食品医薬品局、米国消費者製品安全委員会など)
 サイバー・セキュリティRSS(コンピュータ緊急対応センタ)
 データ・統計RSS(国勢調査局、米国著作権局、米国農業統計サービスニュース)
 教育RSS(教育省)
 連邦人事RSS(連邦人事管理局など)
 フォレストRSS(農務省国有林管理部門など)
 ヘルスRSS(米食品医薬品局、国立衛生研究所など)
 国際関係RSS(国務省)
 軍部RSS(国防総省、米陸軍など)
 科学RSS(地球観測所など)

 これらサービスには、情報源を特定省庁機関のコンテンツに特化したものの他に、テーマ別に省庁を横断して情報を収集・配信するものがある。例えばヘルスRSSは、高齢者医療保険制度、薬剤リコールなど、公衆衛生に関わる情報を複数の機関から集めている。

―普及はこれから
 2002年2月に記事のRSS配信を開始したニューヨーク・タイムズ紙は、自社ウェブサイトへの集客効果に注目している。同社4月の発表によると、3月のRSSフィードを経由したページビュー数は590万に達し、前年同期比で342%も増加した。
 とはいえ、現時点でRSS利用者はオンライン人口のほんの一部に過ぎず、本格的普及はこれからだ。フォレスト・リサーチは2月、北米オンライン人口(成人)のうち、RSS利用者はわずか2%と報告した。ピュー・インターネット・アンド・アメリカン・ライフ・プロジェクトがインターネット利用者を対象に5月に行った調査では、RSSを「知っている」と答えたのは全体の9%で、「あまり良く知らない」が65%、「聞いたことがない」が26%だった。

 アップルが今年4月にリリースした最新OSにRSS機能を実装し、マイクロソフトも次期ウィンドウズでRSS技術のサポートを表明するなど、今後は利用の簡便化とサービスの多様化が進み、RSS利用者が劇的に増える可能性は高い。RSSは広報以外にもクーポンや特売情報の配信などマーケティング手段としても注目されており、試行錯誤的に多種多様なサービスが登場することになりそうだ。

参考ウェブサイト:
IBMのジャーナリスト向けRSS配信メニュー

IBM技術者によるブログ一覧
各技術者のページでRSS配信を設定できる。

米国政府のRSSサービス一覧

■ ライター : 大村智子(ニューヨーク在住)

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