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ブログが変える情報伝播

公開日:2005年1月6日

 2004年はブログが広く認知された年だった。早くも2005年には、ブログが大手マスコミに迫る影響力を持つとの見方もされている。マスコミや大手メディアが情報の中身や流れをコントロールする時代から、ブログを通じて一般消費者が情報を発信し、コントロールする時代へと急激に変るなか、PR業界も早期の対応が必要だ。
―閲覧者数が大幅増加
 非営利調査機関ピュー・インターネット・アンド・アメリカン・ライフ・プロジェクトが2004年11月に行った調査によると、米国の成人インターネット利用者のうち、ブログ閲覧者は27%、3200万人に達し、2月の17%から58%増加した。一般的にブログ閲覧者は大きな事件や出来事をきっかけに増えると言われるが、昨年も大統領選挙を控え、大統領候補が支持基盤の確立や政策討論の場としてブログを利用したことなどが口コミや大手マスコミの報道によって広がり、政治関係のブログの認識度が全体的に向上、閲覧数の増加に貢献した。選挙期間中の政治ブログ閲覧者は、インターネット利用者の9%に達したという。

 ブログ普及は、一般消費者によるネット上の情報収集行動にも変化を及ぼしつつある。例えば、調査によると、ブログ閲覧者の5%がブログやウェブサイトの更新情報収集にRSSを利用していた。RSSを使うと、複数サイトの情報を、それらサイトを訪れなくても収集可能になる。RSS利用は、今後も増える見通しだ。

 平均的な閲覧者像にも変化がみられ、従来は高学歴でインターネット利用歴の長い若い男性が中心だったが、最近では女性や少数民族、ダイヤルアップ利用者が平均伸び率を上回る勢いで増えており、閲覧者層の広がりが伺えた。

―高まる影響力
 情報伝播メディアとしてのブログの特徴は、既存メディアでは取り上げ難かった情報、または既存メディアには適さなかった情報を、第3者のフィルターを介さず、情報所有者が興味や価値観を共有するグループに向けて直接発信し、さらに受け手と「対話」できる点にある。

 情報の速報性も無視できない。12月に発生したスマトラ沖大地震・津波では、被災地域のブロガーが現地の状況をいち早く報告し、全世界に救援を呼びかけた。ボンベイのブロガー3人が開設したサイト、SEA-EAT(www.tsunamihelp.blogspot.com)は救援・援助基金情報などの情報クリアリングハウスとして利用されており、報道によると、同サイトへの訪問者数は被災発生から数日で10万件に達するなど、情報提供を通じた救援活動の推進に貢献しているという。また、被災者が撮影し、ブログに公開した被災地のビデオに大手マスコミが目をつけて権利を取得、放映するなど、ブログを通じたアマチュア・ジャーナリストの活躍も目立つ。

 9月には大手ネットワーク局CBSの人気番組が報道したブッシュ大統領の州兵時代の軍務記録疑惑について、その報道の根拠となった文書が偽物の可能性があることが判明し、看板キャスターが辞任を発表した。文書の信憑性に最初に疑問を呈し、調査のきっかけを作ったのは、3人の弁護士が作成するブログ「パワーライン」だった。これなどは、ブログが大手マスコミの番犬の役割を果たした例と言っていい。

 一方、一部を除くブログを通じた情報発信は、大手マスコミの報道に比べて信頼性や倫理観の低さが問題視されている。大統領選挙に関するブログでも、大手マスコミの自発的規制に反して一部ブログが出口調査の結果を流し続け、これを見た有権者の意思決定に影響を与えたと非難されている。

―PR担当者の課題
 ブログが情報伝播に大きな影響力を持つようになり、PRチャンネルの一つとしての利用も進んできた。ソフト開発会社などでは、自社のエンジニアがユーザーと開発中の製品や業界の問題点について対話できる場としてブログを活用し、親しみ易い、顧客の声に耳を傾ける企業イメージの創造はもとより、製品の開発段階にユーザーを参加させることで製品に対する愛着心をはぐくみ、口コミでファンを増やすことに一役買っている。潜在的顧客との対話チャンネルとしてのブログは、PRやマーケティング予算に限りがある中小企業などで特に有効と考えられている。

 ブログ利用検討に際しては、まずはブログを含め、広い意味での口コミ・チャンネルにおける自社の評価を把握する必要があり、このためのツールやサービスも登場している。バズメトリクスはトレンド形成に強い影響を持つ人物の動きを調査し、企業評価や消費者の関心事などを分析するサービスを開発した。問題の芽を早期に発見するのが目的だ。

 企業の情報発信は今後、従来のマスコミとブロガーなど、発信先に応じて内容や発信方法を最適化する工夫も必要になりそうだ。

■ ライター : 大村智子(ニューヨーク在住)

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