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図書館開所キャンペーン -PR大賞から

公開日:2004年7月1日

 優れたPRキャンペーンを表彰するシルバー・アンビル賞(Silver Anvil Award)の授賞式が6月3日、ニューヨークで開催され、カリフォルニア州サンノゼ市の図書館開所キャンペーンが大賞を受賞した。「Dr. Martin Luther King, Jr. Library ? Check It Out!(キング牧師図書館にようこそ)」と題した本キャンペーンは、新設された図書館の認知度向上を目的に、シリコンバレーの一角に位置するサンノゼ市を舞台に実施された(詳細後述)。地域社会に根ざした活動を企画・実行し、開所後4ヶ月に当初見通しを45%上回る利用者数を記録したことが評価された。
―54カテゴリーに650件がエントリー
 57年の歴史を持つシルバー・アンビル賞は、数あるPR業界の賞の中でも最も権威ある賞の一つとして知られる。主催者の米国PR協会(PRSA)によると、本年は54カテゴリーに650件のエントリーがあり、125人のPR専門家で構成するパネルによって選ばれた96件のファイナリストが大賞を競った。

表彰カテゴリーはキャンペーンの目的、扱い製品/サービス、実施機関などに応じ細分化されており(表1)、ファイナリストには、世界的に事業を展開する大手企業やPR会社から、中小企業、非営利団体、教育機関、政府機関に至るまで、業界や規模の異なる様々な顔が揃った。1時間強に及んだ授賞式では、カテゴリーごとに候補作が紹介され、それぞれ最優秀と次点が発表された。大賞は、最優秀賞の中から選ばれた。


 「授賞式はファイナリストの入場で幕開けした」
  主な表彰カテゴリー
コミュニティー・リレーションズ
制度的プログラム
行事/式典
公共サービス
パブリック・アフェアーズ
マーケティング
グローバル・コミュニケーションズ
クライシス・コミュニケーションズ/危機管理
インターナル・コミュニケーションズ
10 インベスター・リレーションズ
11 多文化パブリック・リレーションズ
12 統合コミュニケーションズ
13 ブランド/評判管理

※各カテゴリーは、キャンペーンの取り扱い製品やサービス、実行機関(民間企業、政府、協会、非営利団体など)によってさらに細分化されている。

PRといえばテレビや雑誌紙面を賑わす華やかな広告やキャンペーンが一般にはよく知られているが、表舞台にはなかなか現れない地道な活動は意外に多い。年に一度の授賞式は、こうした様々な場所や分野で活動するPR専門家を一堂に会し、ノウハウを交換したり、功績をたたえ合ったりする貴重な人材交流の場でもある。

―キング牧師図書館にようこそ
 キング牧師図書館は、市立図書館と大学図書館が合併して2003年に設立された。市と大学が共同運営する図書館は米国では初めてで、公聴会や住民アンケート、関係者取材などを通した事前調査では、様々な不安材料や課題が明らかにされた。これらを検討した結果、図書館の開所式典に焦点を当てた本キャンペーンでは、「地域住民と大学関係者の生涯教育に資する世界レベルの図書館をつくる」ことを目標に、オーディエンス(対象)を28のグループに分け、次のゴールが策定された:

・地域社会、大学関係者の間で、図書館の場所(大学構内に建設される)、コンセプト、内容に関する認知度を高める
・地域住民が大学構内にある図書館を訪れやすい雰囲気を作る
・図書館の内容と並行して、大学と市の画期的なパートナーシップも強調する
・地域社会に市、大学、図書館に対する誇りを持たせる
・創造と知識の中心としての市のイメージを高める

―実行と結果


 「左から、ボルトン氏(PRSA最高業務責任者)、ブレイビク博士(サンノゼ州立大学学部長、キング牧師図書館共同マネージャー)、ベス氏(PRSA)、ガロウェイ氏(PRSA最高経営責任者)」

 ゴールに基づき、詳細な計画が立案され実行に移された。例えば、開所日には、式典に続き大学校内や図書館内外で数十件の様々なイベントを開催し、地域住民に大学の門戸を開いた。また、読書の連続時間を競う「読書マラソン」の世界記録樹立に挑戦し、世界のメディアの注目を集めた。これらに並行し、地元メディアを利用した広報も行なった。

こうした活動の結果、開所後4ヶ月の入場者数は100万人に達し、開所後5ヶ月に70万人の当初目標を前倒しで達成する成功を収めた。

■ ライター : 大村智子(ニューヨーク在住)

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