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スパム・メール規制と電子メール・マーケティング

公開日:2004年1月8日

 受信者の承諾を得ることなく勝手に送りつけるメール、いわゆるスパム・メールを規制する法律「Controlling the Assault of Non-Solicited Pornography and Marketing(通称CAN-SPAM法)」が、2004年1月1日から施行される。米国では電子メール全体の60%がスパム・メールと言われ、従業員の生産性低下や情報システム不具合の原因になるなど、被害は深刻だ。一方、大企業を中心に、電子メール・マーケティングの利用も増えている。反スパム気運が高まる中、スパムと一線を画し、電子メール・マーケティングで効果を上げるには何をするべきか。電子メール・マーケティング業界関係者の意見を聞いた。
法成立で増える?スパム・メール
 CAN-SPAM法では、偽の返信アドレスなどを使って身分を偽った商業用メールの配信や、受信者の誤解を招くような件名の使用の禁止などが定められた。個人申告制のスパム・メール受信拒否リスト「do-not-spam」の構築も促しており、実現すれば、リスト登録者にスパム・メールを送った配信元は禁固刑などの罰則を科せられる。

連邦レベルで初のスパム対策法となった同法は、寄せられる期待も大きいが、実は抜け穴も多い。まず、スパム・メールはもともと何らかの詐欺を目的に、身分を偽って送られることが多い。このため、配信元を突き止めることは困難だ。また、配信するメールには、受信者が次回以降の受信を拒否できる仕組み「オプト・アウト(opt-out)」を盛り込むことが定められた。これでは、オプト・アウト機能に対応している限り、メールを送ってもお咎め無しと解釈されても仕方が無い。かえって、スパム・メールを増やすことにもなりかねない。

電子メール・マーケティングに乗り気の企業
 CAN-SPAM法が成立する前の11月、新興企業のネットワーク組織「iブレックファースト(iBreakfast)」は、電子メール・マーケティングをテーマに業界関係者を招いたパネルを開催した。

調査会社eマーケター(eMarketer)によると、企業によるマーケティング目的の電子メール利用は確実に増えている。同社が引用した電子メール・マーケティング用ソフト開発のアリアル・ソフトウェア(Arial Software)の調べによると、今年4月の時点で年内に電子メール・マーケティングの量を増やすと回答した企業は、全体の76%に達した。電子メールが好まれる理由は、大量の配信にコストや時間がかからず、配信先への到達度、開封度、クリック度も比較的高いことだ。例えば、オンライン広告会社のダブルクリック(DoubleClick)によると、2003年第2四半期のメールのクリック率は8.3%で、前年同期比10.7%増加した。ただし、スパム・メールの数は年間倍増ペースで増えていると言われ、クリック率の継続的な上昇は期待薄だ。実際、クリック率の低下を指摘するマーケターもいる。

読ませるメール
 スパム・メールの嵐の中で、自社のメールを潜在顧客に届け、読ませるために、企業は何をどうするべきか。eマーケターのシニア・アナリスト、デイビッド・ハラーマン氏は、配信先のニーズに合わせた、情報のカスタム化が必須と指摘する。このためには、言うまでもなく、配信先の「最新の」ニーズを正しく把握し、反映させた「配信先リスト」を作ることが先決だ。

マーケティング企画会社eプライズ(ePrize)は、懸賞や特典などのインセンチブを提供することで優良潜在顧客を掘り出し、効果的な電子メール・マーケティングを行っている。eプライズによると、電子メール・マーケティング成功の秘訣は、配信先リストの「新鮮さ」にあるという。例えば、懸賞付きのメールで「オプト・インズ(opt-ins、メール受信の了解者)」を募り、これをリスト化する。こうして作成した「新鮮な」リストに販促メールを送った場合の反応は、既存のデータベースから抽出したリストを利用した場合と比較して、格段に大きいという。オプト・インズのメール開封率は、そうでない場合の約2倍、67%という高さだ。

リスト作りは後回しにされてしまいがちだが、決して難しいことではない。例えば、ハラーマン氏は、「潜在顧客に関する最新情報は、営業担当者などがしっかり掴んでいる。これらを統合すれば、クリーン(正確な)リストが出来る」と指摘する。ただし、リストを常に最新の状態に保つためには、「複数の部署や人間がばらばらに管理するのではなく、一人の担当者に責任を集中させるべき」という。効果的な電子メール・マーケティングの鍵は「リスト作り」と「管理」であり、今後は一層、結果の明暗を左右することになりそうだ。

インターネット・マーケティング会社のガスペダル(GasPedal)は、「やってはならない、電子メール・マーケティング13のおきて」を発表した。優れたマーケターも、「これらをするとスパマー(スパム・メール配信者)になる」という、ふれ込みなので、参考までに。




「コンテンツ無し/広告だけ」のメール配信

 ― (解説、以下同じ)メールには、それを読ませるだけの理由が必要。



メールの送りすぎ

 ― 頻度はほどほどに。



「歓迎メール(welcome message)」の配信忘れ

 ― 登録制のメール配信も、受信者が登録したことを忘れてしまえば、ただのスパム。



フォーマットの変更

 ― ユーザーは、配信元を認知できたメールを読む。フォーマットには一貫性を。



わかり難い、不誠実な購読申し込み様式の利用

 ― 顧客を騙してメール購読させるような行為は厳禁。明瞭かつ正直な様式を。



野放しのリスト利用

 ― 企業で一つのマスターリストを作成、従業員で共有する。



「出来すぎリスト」の利用

 ― 何事にもリスクは付き物。自身で正確なリストを作るか、お金で質を買う。



自分のことばかり押し付ける

 ― メールの内容は、ユーザーに与える価値を基準に選ぶ



サードパーティ(提携先企業)のためのメール配信

 ― 儲かるのは提携先の企業だけ。自社は苦情の矛先になる。

10

スパム・リストの購入

 ― レンタル用に提供されるリストの多くはスパム。誰から何を買うかを慎重に。

11

スパム用語の使用

 ― 「無料サンプル」「クリックして」などのスパム用語は厳禁。創造的に。

12

購読解除の履き違え

 ― 購読解除はビジネス拒絶の申告とは違う。購読解除は100%確実かつ迅速に処理。

13

迷ったら・・・

 ― しないこと!良識ある判断でリスクを回避。
■ ライター : 大村智子(ニューヨーク在住)

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