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増える企業のRSS利用

公開日:2007年2月1日

 社内情報の検索、配布、共有手段としてRSSを採用する企業が増えている。情報過多時代の救世主となるか、期待は高まる一方だ。RSSソリューション開発のニュースゲーター・テクノロジーズ(NewsGator Technologies)のマーケティング担当ディレクター、トッド・バーコウィッツ氏に、社内のコミュニケーション・ツールとしてのRSS利用について聞いた。


<メールの代替技術>
―昨年から社内の情報配布や共有にRSSを使う企業が増えています。
トッド・バーコウィッツ氏
 複数の理由が考えられますが、そのひとつは電子メールです。情報を自分から取りに行かなくても届けてくれるメールは、非常に便利で優れたコミュニケーション・ツールです。しかし、便利さゆえに使われすぎて、今ではひとりの人間が処理できる量を超え、膨大な情報がやり取りされるようになりました。この結果、重要な情報が迷惑メールや重要度の低いメールに埋もれてしまい、受け手に届かない、といった問題が起きています。
 RSSは、自分で取りに行かなくても情報を受け取れる、という点でメールと同じです。さらに、メールクライアントに限らず、ウェブサイト、携帯端末など、さまざまな場所や端末で受け取れる、という高い柔軟性もあります。これらのことから、RSSはメールのある種の代替手段として使われるようになりました。
 現在は、顧客とのやり取りなど、アクションをすぐに必要とする重要度の高い情報のやり取りはメール、重要だが、すぐに反応する必要のない情報にはRSSを使うなど、メールとRSSでは棲み分けができているようです。
―情報ポータルに比べたRSS利用の利点は何ですか。
トッド・バーコウィッツ氏
 米国企業ではここ5~10年間、メールに代わる情報配信手段として情報ポータルが注目されてきました。しかし、情報ポータルの利用は、企業が当初期待したほど伸びませんでした。というのも、情報をわざわざ取りに行って探すのに手間がかかるし、情報の更新頻度も少なかったからです。社員の使い勝手を考慮した、パーソナル化の工夫も不十分でした。 RSSを使えば、更新情報がすぐにわかり、社員個々のニーズに合わせた情報収集も可能です。
 ブログやウィキ(Wiki)に代表されるウェブ2.0技術もメールの代替技術として注目されています。これらの更新情報もRSSで受け取れます。RSSは2002年頃、ブログの登場をきっかけに個人の利用が増え、2004年には、ほとんどの新聞社や雑誌社のサイトがRSSフィードの配信を始めました。企業によるRSS利用が増え始めたのは、昨年からです。
―個人と企業ではRSSの使われ方は違いますか。
トッド・バーコウィッツ氏
 RSSの個人利用者を対象に調査をしたところ、約3分の2の人が競合他社や業界の動きなど、仕事に関する情報収集を目的にRSSを利用していました。そういう意味で、RSSは以前からビジネス目的に使われてきたと言えます。
<情報収集と配信を効率化>
―企業の中でも、特にPR担当者がRSS利用によって得られる利点は何ですか。
トッド・バーコウィッツ氏
 第1に、情報を効率的に収集できます。PR担当者は競合他社の動きや自社の評判をつねにウォッチしており、繰り返しになりますが、RSSを使えば情報を探す手間が省けます。第2に、情報の配信、共有を効率的に行えます。例えば、当社はPR業務の一部を外部のPR会社に委託しており、このPR会社がサービス型ソフト製品(NewsGator Enterprise On-Demand)を導入し、RSSを利用した情報収集とクリッピング作成を行っています。収集した情報はオンラインフォルダに格納され、これを当社の(社内)PR担当者や幹部などが閲覧し、必要に応じてコメントを入力します。これなどは、メール以外の手段を使って情報を関係者間で共有し、かつコラボレーションもしているという例です。
―実際にRSS利用によって情報過多の問題は解決されていますか。
トッド・バーコウィッツ氏
 RSSを導入する企業のほとんどは、一定期間メールとRSSの両方を使って情報を配信し、社員がRSS利用に慣れたところでメールによる配信を止めているようです。最終的に重要な情報だけがメールで配信されるようになれば、これらが読まれる確率は自然と高くなります。当社製品の顧客からは、すぐにアクションを必要とする情報を送信した場合、反応率が高くなったとの声が聞かれます。これも重要な情報が目に入りやすくなったからでしょう。
―今後の課題は何ですか。
トッド・バーコウィッツ氏
 より多くの人にRSSという新しい手段を使ってもらうことです。これには従来の手段をただちに廃止するのではなく、移行期間を設け、社員を徐々に新しい手段に慣らせていくことが大切です。特に多国籍企業やオフィスの多い大企業には、移行期間を十分に設けるよう助言しています。 RSSそのものの使い勝手は向上していますし、技術的問題は普及の障害にはならないと考えます。
 今後はRSSのオーディオやビデオ対応も進むでしょう。特に社内PRでは、社員教育や朝礼用にポッドキャストの利用が増えると期待しています。
関連URL:
ニュースゲーター・テクノロジーズ(NewsGator Technologies)
http://www.newsgator.com/
■ ライター : 大村智子(ニューヨーク在住)

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