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多様化が進むオンライン広告とマーケティング

公開日:2007年11月15日

メディア業界の今後を占う業界会議「2008年予想(Forecast 2008)」(メディア・マガジン主催)が10月末、ニューヨーク市内で開催され、メディア関係者をはじめ、企業の広告やマーケティング関係者による活発な意見交換が行われた。オンラインデジタルメディアの台頭を背景に、参加者たちは「広告やマーケティング業界で起きたここ数年の変化は、過去数十年分の変化の大きさに相当する」という共通の認識を確認。今後の注目分野として、オンライン動画、モバイル、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の各種広告と、メディア業界の巨人、グーグルの動向が話題を集めた。

<ストーリーを伝えるオンライン動画広告>

基調講演を行った調査会社イーマーケター(eMarketer)の最高経営責任者(CEO)兼共同設立者のジェフ・ラムジー氏によると、オンライン上のコンテンツは、従来のテキストから動画に急速に移行が進んでいる。オンライン動画視聴者も確実に増えており、例えばインターネット利用者のうち、毎月オンライン動画を視聴している人は、全体の72%に相当する1億3500万名という。フォレスター・リサーチ(Forrester Research)は、18~26歳の若者のオンライン平均利用時間は、週あたり12.3時間に達し、テレビ視聴時間の10.7時間を超えたと推定している。

業界会議「2008年予想(Forecast 2008)」
業界会議「2008年予想(Forecast 2008)」で講演するイーマケターのジェフ・ラムジー氏

テレビとオンライン動画の視聴者規模には、まだ大きな隔たりがある。テレビ視聴者と、ユーチューブやテレビのネットワーク局のサイト、動画専門サイトなどのオンライン動画視聴者数は、それぞれ2億9100万名と1億3500万名。さらに毎週視聴する人となると、テレビの2億6200万名に対し、オンライン動画は4700万名で、その差は歴然としている。それにもかかわらず、ラムジー氏によると、オンライン動画広告への投資額は、2007年の7億7500万ドルから2011年は43億ドルに急成長する見通しだ。

企業にとってオンライン動画広告を利用する利点は、広告が視聴された件数を測定しやすいことと、広告の標的配信ができること、そして、従来のバナー広告や検索連動型広告に比べ、広告にストーリー性を持たせやすいことだ。調査会社TNSによると、オンライン広告視聴者のうち、18%が広告に応える形で何らかの購買活動を行っており、その効果は明白だ。また、ダブルクリックによると、動画広告のクリックスルー率は、バナー広告の3~5倍と高い。ほかにも、オンライン動画閲覧者の11%が知人に広告へのリンクを転送しており、広告視聴者を芋づる式に増やせる可能性がある。

<苦戦するモバイル広告>

対照的に、携帯電話などに配信されるテキスト形式のモバイル広告は、今のところ苦戦を強いられている。複数の調査結果を総合すると、携帯電話利用者の半数から90%が、モバイル広告に嫌悪感を持っている。米国ではテキストメッセージの受信に費用がかかることや、メッセージが自分の後を追うように送られてくることに対し、プライバシー侵害を強く感じることなどが影響していると思われる。一方でハリス・インタラクティブによると、成人の35%は、無料アプリケーションの利用など、何らかの特典と引き換えであれば広告受信にも応じると回答している。

モバイル広告にとってさらに頭が痛いのは、一般消費者の広告内容に対する信頼感が、他のメディアよりも格段に低いことだ。ニールセンが世界47カ国のインターネット利用者を対象に行った調査によると、テレビや雑誌広告に対する信頼度が56%であるのに比べ、モバイル広告はわずかに18%。検索連動広告の34%とバナー広告の26%に比べても、その低さが目立つ。ちなみに信頼度が最も高いのは、「ほかの消費者の意見」(78%)だった。

ただ、モバイル広告分野にはグーグルが多大な投資を行っており、グーグルに先導される形で参入企業が増加し、市場に勢いがつく可能性がある。

<大手SNSが相次ぎ標的広告配信技術>

注目度が高いのは、SNS広告だ。企業はこれまで、SNSへの広告出稿には慎重だった。というのも、基本的に消費者作成コンテンツが掲載されるこれらサイトには、企業が敬遠したいようなコンテンツも少なくないからだ。そのようなコンテンツに並んで広告が掲載されれば、企業イメージのマイナスにつながる可能性がある。

そうした企業の不安に応える形で、ここにきてSNS大手が次々と標的広告配信技術を発表している。SNS大手のフェイスブックは、会員情報に基づいて表示する広告を選ぶ標的広告技術「ソーシャルアズ(SocialAds)」を導入する。最大手のマイスペースは、会員ページで「何が行われ、何が掲載されているか」「会員同士で何が話されているか」といった情報を分析し、その内容に応じて広告を選ぶ「ハイパーターゲティング(HyperTargeting)」を発表した。マイスペースは、プロクター・アンド・ギャンブルやフォードなど、すでに大口顧客を獲得している。
(大村智子)


■関連URL
イーマーケター(eMarketer):www.emarketer.com
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