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ソーシャルメディアと広告

公開日:2007年9月13日

米国でソーシャルメディア利用者が爆発的に増えている。高い集客力を背景に、マーケティングや広告媒体としても注目されている。

<急ピッチで進む多様化>

ソーシャルメディアの定義については様々な意見があるが、「共通の関心や興味を持つ人たちが集まり、意見や洞察を発表したり、議論したりするオンライン上の場所」といったような意味である。PR会社大手ウェバー・シャンドウィック・ワールドワイド(Weber Shandwick Worldwide)やW2グループ(W2 Group)の設立者で、メディア業界の権威としても知られるラリー・ウェバー氏によると、ブログやチャットなどの手段を使って、ウェブサイト訪問者が意見を発表したり、訪問者同士、あるいは訪問者とコンテンツ提供者間の対話を促したりする仕組みを取り入れたサービスは、すべてソーシャルメディアということになる。

新聞社や雑誌社が作る独自ブランドのウェブサイトも、記事を配信するだけでなく、読者が何らかの形で意見を発信し、議論に参加できるような機能を提供していれば、それはソーシャルメディアだ。ユーチューブ(YouTube)などの動画投稿サイトや、マイスペース(MySpace)、フェースブック(Facebook)といったソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)、3次元仮想世界のセカンドライフ(Second Life)も、すべてそうである。

ソーシャルメディアは、規模の大小はもちろん、その目的によって様々な種類のものが数多く存在する。なかでもSNSは急速に多様化が進み、利用者も増えている。

<ユニークビジター数が急増>

調査会社コムスコア(comScore)によると、世界最大のSNS、マイスペースの6月のユニークビジター数は、前年同期比72%増の1億1400万人に達した。1日あたりの平均ビジター数は、2870万人だった。米国第2位のフェースブックのユニークビジター数は、同270%増の5220万人を記録した(表参照)。

表:SNS別ユニークビジター数(単位:1000人)

SNS 2006年6月 2007年6月 伸長率(%)
MySpace 66,401 114,147 72
Facebook 14,083 52,167 270
Hi5 18,098 28,174 56
Friendster 14,917 24,675 65
Orkut 13,588 24,120 78
Bebo 6,694 18,200 172
Tagged 1,506 13,167 774

出典:comScore World Metrix
世界ベース。15歳以上のインターネット・ユーザーを対象に調査

マイスペースの会員数は約1億8000人。一方のフェースブックは、今年1月以降、1日あたり15万人のペースで会員数が増えており、直近30日間にサービスを最低1度は利用したことのあるアクティブ会員数は3700万人という(フェースブック発表)。マイスペースはサービス開始から約4年、フェースブックは約2年の間に、口コミでここまで会員数を伸ばしたことになる。

<SNSは新広告を相次ぎ導入>

ソーシャルメディアは、企業のマーケティングや広告媒体として様々な形で利用されている。

セルモ(Sermo)は、医師が臨床経験から得た医薬品や医療機器、治療法に関する意見や質問を投稿し、他の医師から回答を得たり、議論を行ったりできる、「医師による、医師のための会員制SNS」だ。医療従事者が経験や知識を共有することで、最終的に医療の向上につなげることを目標としている。

医師による会員登録は無料だが、金融アナリストや製薬会社、規制当局関係者など、医師以外の参加も有料で認められている。有料会員の会員費は、鋭い洞察や意見、回答を投稿した医師への報酬に充てられる。金融アナリストや製薬会社にとって、セルモへの参加は、医療現場の生の声を吸い上げることができるという点で魅力だ。なお、議論に参加する医師は、話題そのものや、話題に関連した企業との利害関係の有無を開示するよう求められる。

ソーシャルメディアは従来、企業が顧客との関係を構築、あるいは維持する手段として使われる傾向があった。だが、最近は広告媒体としての側面も強調されている。

一部報道によると、フェースブックは会員の個人情報を利用し、広告のターゲット配信を年内にも開始する。マイスペースも、同様の広告を試験的に開始している。ユーチューブは、新しい動画(アニメーション)広告の導入を発表した。動画開始から15秒後に画面の下5分の1に広告が表示され、クリックすると広告主のウェブサイトに誘導される。クリックしなければ、広告は10秒後に消える仕組みになっている。

少し古いデータだが、オンライン出版社協会(Online Publishers Association)が2006年2月に米国のインターネットユーザー1241名を対象に行った調査では、4名のうち1名が1週間に最低1度はオンラインでビデオを閲覧していた。また、ビデオを閲覧した人の66%がそれに付随する広告も閲覧しており、約3分の1の人たちが広告主のウェブサイトを訪問し、その結果、8%が製品を購入していた。

ソーシャルメディアの多様化が進む中、広告媒体としてのソーシャルメディアの価値を一概に評価することは難しい。企業には、各メディアの特徴を十分に考慮した対応が求められそうだ。(大村智子)


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