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ウェブ2.0とマーケティング

公開日:2007年7月19日

ウェブ2.0とマーケティングに関する業界会議「ウェブ2.0ニューヨーク/マジソン・アベニュー2.0サミット」(TECHmarketing主催)が6月14日、ニューヨーク市内で開催された。ウェブ2.0時代のマーケティング手法やビジネスモデルを学ぼうと、技術やメディア業界を中心に約350名が参加した。

<C2Cで広がるメッセージ>

本会議の目玉の1つは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)最大手、マイペース(MySpace.com)でマーケティングとコンテンツを担当する、ショーン・ゴールド上席副社長の基調講演だった。メディア大手ニューズ・コーポレーション(News Corporation)が2005年に5億8000万ドルで買収すると発表し、一気に注目株に浮上した同社は、SNSのパイオニア的存在で、現在も事業の拡大を続けている。

ゴールド氏は、マーケティング媒体としてのマイスペースの価値と特徴を説明した。従来のマーケティングでは、ブランド→代理店→メディア→一般消費者の順に、メッセージはブランド側から一般消費者に一方的に伝えられる。それがSNSの世界では、ブランド、ソーシャルメディア、一般消費者が円を描いてつながり、メッセージはそれぞれの間で双方向にやり取りされる。いったん一般消費者、つまりSNS会員に届いたメッセージは、さらに会員から会員へ(C2C)と伝えられ広がっていく。

同氏によると、マイペースの1日あたりのページビューは15億で、平均的会員プロフィールページの訪問回数は30回。1億6000を超える会員プロフィールページのうち、ほんの一部の10万ページに、ある企業ブランドのロゴが掲載されたとする。各ページの訪問件数が1日30件として、そのブランドの表示回数(インプレッション数)は300万になる計算だ。ある会員に伝えられたメッセージなりブランドは、そこからさらに一人歩きする。それがSNSをマーケティング媒体とした場合の魅力であるという。

ちなみにマイスペースの会員プロフィールページは、1日32万ページのペースで増えているということだ。

<黒字化するウェブ2.0企業>

会議では、ウェブ2.0企業のビジネスモデルにも注目が集まった。ゴールド氏は、ウェブ1.0企業と2.0企業の違いを、「ウェブ2.0企業には市場価値がある」と説明する。例えば、マイスペースは業績を公開していないが、2005年にニューズに買収された時には、すでに黒字化していたという。ウェブ2.0企業が参加したパネル討論でも、企業規模の大小にかかわらず、多くの企業が利益を上げているという点でパネリストの意見は一致した。

インターネット広告技術を開発する新興企業オッドキャスト(Oddcast)も、「ライセンス供与、サービス料金、広告などを収入源として、すでに黒字転換した」(シャイバル・シャー事業開発・戦略担当副社長)。同社の主力製品「しゃべるアバター」は、従来のテキスト情報と違い、音や声で情報を伝える技術だ。

アソシエイテッド・コンテント(Associated Content)は、世界の市民ジャーナリストから寄せられた、文字や動画像コンテンツを集めたニュースサイトを運営している。一般的な消費者投稿サイトと違う点は、コンテンツを審査し、審査を通過したものだけを出版することだ。コンテンツを1件あたり3~20ドルで購入し、閲覧件数の多かったものには、特別報奨金を用意する。

アンドリュー・ボーア事業開発担当副社長によると、主な収入源はサイトの広告費用。例えば、住宅リフォーム関係の記事に7ドルを前払いしても、その費用は数ヶ月以内に広告収入で十分回収できるという。「(同社が審査するため)コンテンツの質が高く、企業は安心して広告を出稿できる」のが特徴だ。約6万人のコンテンツ投稿者を擁し、毎週約1万3000件の記事や動画クリップを新たに出版している。今のところ赤字経営だが、広告出稿企業の反応はまずますで、将来の黒字達成に自信を深めている。

<経済価値を生む感情的一体感>

ジャック・マイヤーズ・メディア・ビジネス・レポート(Jack Myers Media Business Report)のジャック・マイヤーズ氏は、SNSの経済的価値は、広告収入といった金銭的価値だけでなく、会員の感情的つながりの強さも考慮して判断されるべきと話している。(大村智子)


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