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環境保全活動と企業利益-アースデイから

公開日:2007年5月17日

電気、流通、娯楽など、様々な業界の大手企業が環境保全対策の強化を急いでいる。地球温暖化問題への関心が高まる中、一般消費者や環境保全団体による監視は厳しさを増し、その評価が企業価値により敏感に反映されるようになってきたためだ。一方で、環境を意識した製品やサービスに対するニーズは確実に増えており、環境問題への取り組みは、企業の新たな収益機会にもなっている。

―アースデイが開催

企業の環境保全対策は、事務所建物の省エネや従業員の環境保全活動支援、工場などから出される汚染廃棄物の削減、製品リサイクル、環境に優しい代替エネルギー開発プロジェクトへの出資など多岐にわたる。そうした自社の活動を紹介する、専門のウェブサイトを設ける企業は多い。さらに最近は、環境保全活動を製品やサービス開発にも展開し、自社の利益につなげようとする試みが増えている。

4月22日、地球の環境保全を考える年次イベント「アースデイ(地球の日)」が開催され、それに合わせて多くの企業が新たな環境保全対策を発表した。まず、身近なところで娯楽業界から。地球温暖化問題をテーマにアル・ゴア元副大統領が制作したドキュメンタリー映画「不都合な真実」(邦題)が昨年、米国だけで2400万ドル以上の興行成績を上げたことに注目し、複数のケーブルテレビ局やテレビ局が環境問題に焦点を置く番組を発表した。

気象情報専門のケーブルテレビ局、ウェザー・チャンネル(Weather Channel)は、地球温暖化問題を扱うブランド「フォアキャスト・アース(Forecast Earth)」を発表した。ウェブサイトでは、地球温暖化問題や代替エネルギーに関するニュースを動画で紹介するほか、環境問題専門家によるブログを開設した。ディスカバリー・チャンネルは、環境関連番組の制作に向こう18ヶ月で5000万ドルを投資することを明らかにした。住宅リフォーム専門チャンネルでは、家作りから食事に至るまで、地球に優しいライフスタイルを提供していく。

娯楽業界では、公共放送局(PBS)が毎年、アースデイ前後に特集番組を放送していたが、今年は他局へもその動きが広がった。これら番組は、視聴率集めのため、映画俳優など著名人をナレーターなどに採用する。

―環境専門ウェブサイトも多数登場

環境問題を扱うウェブサイトも増えている。大手新聞ワシントン・ポストのオンライン部門、ワシントン・ポスト・ニューズウィーク・インタラクティブ(Washingtonpost.Newsweek Interactive)は、Sprig.com(http://www.sprig.com/)を新設した。環境問題に関心のある「スタイリッシュな女性」を対象に、食品、ファッション、ビューティー、ホーム、ライフスタイルの5分野で、環境に優しい製品やニュースを紹介する。ナショナル・ジオグラフィック・ソサエティ(National Geographic Society)は、環境関連ニュースや動画専門サイトを開設した。

―ハイテク業界も

ハイテク業界では、製品やサービスの省エネ化とリサイクル、有害物質の使用廃止が大きなテーマ。アップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)は、ヒューレット・パッカードやデルなど競合他社に比べ、同社の環境対策は十分でないとの批判に答える形で、製品に使われる有害化学物質の使用廃止と製品リサイクル強化を柱とする、一連の環境保全イニシアチブを発表した。リサイクルでは、リサイクル率(同社が7年前に販売した全製品の重量に対するリサイクルされた製品の重量の割合)を2006年の9.5%から2010年に30%に引き上げる。アイポッド(iPod)のリサイクル・プログラムも対象地域・内容ともに拡大する。

ヤフーは、世界の環境プロジェクトへの投資を強化する。自社が排出する地球温暖化ガスを測定し、それと同じ量のガスを削減できるプロジェクトを支援する。2万5000台分の車の排気ガスを排除するのと同じくらいの効果があるということだ。

ホームセンター大手のホームデポ(Home Depot)は、環境保全プログラム「エコ・オプション(Eco Options)」を発表した。有機防虫剤、消費電力の小さなコンパクト蛍光電球CFLなど、環境への影響の少ない製品2500製品に専用ラベルを添付する。アースデイには、CFL電球100万個の無料配布も行った。ヤフーもCFL電球普及を支援している。

小売大手ウォール・マート・ストアーズ(Wal-Mart Stores)は昨年12月、年間1億個のCFL電球を家庭に普及させるキャンペーンを開始。再生可能エネルギーの利用にも力を入れている。

―環境保全は「売れる」

企業の環境対策はおおむね歓迎されているが、「環境対策は、企業利益追求のためのPRの1つに過ぎない」という非難もある。例えば、大手メディアが環境問題サイトを立ち上げたのも、広告主の獲得だけが目的という見方がある。環境専門サイトはこれまでもあったが、サイト閲覧者はこのところ増加しており、これに大手が目をつけたというものだ。また、環境に優しい製品やサービスは、割高にもかかわらず「売れる」ようになってもきている。環境対策と企業利益の追求という、「矛盾」する二つの戦略は両立するのか、その行方が注目されている。

関連URL:

ウェザー・チャンネルのフォアキャスト・アース(Forecast Earth)
URL http://climate.weather.com/

ナショナル・ジオグラフィック・ソサエティ(National Geographic Society)の環境関連ニュースや動画専門サイト
URL http://www.Green.NationalGeographic.com/

ヤフーの環境保全対策サイト
URL http://brand.yahoo.com/forgood/environment/carbon_neutral.html

ホームデポ(Home Depot)のエコ・オプション(Eco Options)
URL http://www.homedepot.com/ecooptions/

■ ライター : 大村智子(ニューヨーク在住)

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