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【株式会社リクルート】充実した情報だけでなく、リクルートが目指す世界観をしっかり伝える

公開日:2006年4月20日 | 最終更新日:2013年5月15日

リクルートの前身は、1960年3月、創業者の江副浩正氏らが始めた「大学新聞広告社」。江副氏が東京大学在籍時に始めた東大新聞の広告営業の仕事にヒントを得て、大学生向け会社案内集「企業への招待」(1962年 / 後の「リクルートブック」、現、就職情報サイト「リクナビ」)を創刊した。情報提供者による広告だけで雑誌を成立させるという独自のスタイルで、同社の情報誌事業の原型であり、「情報」を送りたい人(クライアント)と欲しい人(カスタマー)を結ぶ「マッチングビジネス」の源流となっている。

その後、同社は常に時代の半歩先を見つめて、次々と革新的な情報サービスを展開してきた。終身雇用を前提とする社会の中で、「転職」がネガティブなイメージだった時代に、転職情報誌の先駆けである「就職情報」を発行(1975年)。中途採用市場の潜在需要を掘り起こした同誌は、1年後には週刊化され、現在の「B-ing」や「リクナビNEXT」などのルーツとなっている。

「徒歩1分=80メートル」というルールを作り出した「住宅情報」(1976年~)は、不動産流通の近代化、情報の公正化に貢献。「とらばーゆする」という言葉まで生んだ女性のための転職情報誌「とらばーゆ」(1980年~)は、働く女性の時代を切り拓き、正社員だけでなくさまざまな働き方を提案してきた。

また、今や、20~30代を中心に絶大な人気を誇り、テレビCMや街頭配布でもおなじみのクーポン誌「Hot Pepper」は、インターネット/モバイルにもサービスが拡大され、飲食店や美容院などの重要なPRメディアになっている。

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多様な媒体を持つ強み×カスタマーとのコミュニケーション

リクルート(recruit=採用・募集)という社名が示すとおり、人材領域を出発点とした同社のビジネスは、今では、進学・スクール、住宅、ブライダル&ベビー、旅行、自動車など、さまざま領域に拡大している。また、実績ある紙媒体の情報誌に加えて、新しい形態のフリーペーパー、モバイルを含むインターネットなど、媒体はさまざまに広がっており、これらをミックスして訴求範囲を拡大できることがリクルートの強みでもある。

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そして現在は、ただ単に情報を届けるだけでなく、カスタマーと対面でコミュニケーションをとりながら、その人のニーズに合った情報を提供している。たとえば就職の場合は、履歴書の書き方や面接時のアピール方法のアドバイスなど新たなサービス展開にも着手しているという。リクルートの広報部は、社外広報グループ5名、社内広報グループ9名。これらの専任スタッフに、他部門との兼任スタッフを加えて合計18名。

今回、同社広報部長の鎌田氏にお話をうかがった。

 

充実した情報だけでなく、リクルートが目指す世界観をしっかり伝える

リクルートのWebサイトでは、「データライブラリ」として、「求人予報」「採用ブランド調査」「リクルート住宅価格指数」「ゼクシィ結婚トレンド調査」など、同社の事業領域における各種調査・分析データを公開している。
「就職シーズンになると就職動向についての見解、結婚マーケットについてのリクルートの見方など、各マーケットに関する意見や見立てを求められることが多く、”リクルートによると”ということで、調査・分析データはマスコミの方々にも使っていただいています。事業の成長度合いが違いますので、まだこれからという分野もありますが、それぞれの領域で、リクルートの持つ知見や考え方をきっちりとお伝えし、オピニオンリーダー的なポジションを担っていくことも当社の大きな役割だろうと思っています。」と鎌田さん。
社外広報グループは、事業領域ごとに担当が分かれており、それぞれが各事業部門から情報を収集して広報活動を展開する。鎌田さんは、「記者から依頼されたテーマに対してはもちろんですが、それに関連した追加情報も提供したり・・・。1件1件の取材に丁寧に対応するよう心がけています。」と語る。こうした地道な活動が取材の広がりにつながり、年間の取材件数は2,000以上にも及ぶという。

リクルートは、2001年から”FOLLOW YOUR HEART”を企業メッセージとして社名ロゴの上に加え、さまざまなメディアを通じて発信している。これは、リクルートが実現したいと考えている社会や世の中を言葉にしたビジョン、それを実現するためにリクルートが果たすべき役割(ミッション)、そして、リクルートが提供する具体的な価値(バリュー)の3つから成るブランドプラットフォームを掲げ、その思想を表現したもの。「自分に素直に生きよう。自分で決める自分ならではの人生。ライフスタイルを。」という思いが込められているという。

「広報活動においても、リクルートが目指す世界観をしっかり伝えていきたいです。プレスリリースする際も、商品の説明にとどまらず、その背景にある考え方などについて理解を得られるように努めています。リクルートは、単に情報を提供するだけでなく、住まい、学校、結婚式場、旅先・・・など、当社が提供する情報を利用して、さまざまな選択をしようとするカスタマーの方々が、生き生きと生活できるような社会を実現するために取り組んでいます。こうしたリクルートの等身大の姿を伝えていけたらいいなと考えています。」(鎌田さん)

社内広報、グループ広報は、目線を変えて前進

鎌田さん曰く、リクルートは、創業以来社内コミュニケーションを大切にしてきた会社だという。広報部内で、社内広報グループ9名という人員からも、その伝統が今も受け継がれていることがわかる。

社内報「かもめ」 は、外部のコンテストでの受賞歴も多く、現在、月刊で約1.7万部発行され、グループ企業にも配布されている。活躍している”人”にスポットを当てる内容で、最近は、社内だけでなく社外で活躍している人にも「働く」価値観について語ってもらうこともある。

社内報「月刊かもめ」

社内報「月刊かもめ」

「情報を利用するカスタマーが、自分でさまざまな選択をして人生の意思決定をする過程で、リクルートは、エージェントとしてどういうサポートができるかを追求することを使命と考えており、社内的には、”真のカスタマーエージェントになるにはどうしたらよいか”を考えながら事業に取り組んでいます。たとえば、働くということを、ユーザ・カスタマー目線で見たらどうなるか、というような切り口も考えていきたい。”真のカスタマーエージェントを目指す”という意識を、自然と醸成できるようなメッセージを盛り込んでいきたいと考えています。」(鎌田さん)

この他、社内広報活動として、各事業部の商品やイベント、リクルートの最新情報などを共有することを目的とした「週刊リクルート」をイントラネット上で展開している。(※1963年に紙媒体として創刊され、現在はメールマガジン)そして、2005年7月から管理職社員だけを対象とする月刊「Management X」をスタートさせている。
この「Management X」では、成功・失敗事例や、マネージメントとはどういうものか、いま何が起きていてどう考えていけばよいか・・・など現場の課題や問題を毎回テーマとし、マネージャの感想をヒアリングしながら改良を続けている。ちなみに、アクセスできるのは管理職だけで、希望によりグループ企業の一部の管理職も閲覧しており、プリントアウトや転送はできない仕組みになっている。

リクルートグループは、「リクルートエイブリック」「リクルートスタッフィング」などの人材総合サービスと、専門ガイドによる総合情報サイト「All About」などを含む情報サービスを2つの柱に事業展開しており、その数は約30社。そして、鎌田さんが今後取り組みたい課題は、グループ広報とのこと。

「リクルートグループとしてどう見せていくかを、そろそろ考える時期だと考えています。現在は、取材情報などを関連会社とEメールなどで共有するにとどまっており、具体的にはこれからです。現状のままでも、デメリットがあるわけではないので、重要性が見え難いのですが、一歩上の取り組みとして、リクルートの広報から、リクルートグループ広報へと目線を変えていきたいと考えています。」(鎌田さん)

鎌田 勝 氏プロフィール

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株式会社リクルート 広報部
広報部長

1986年一橋大学商学部卒業後、リクルート入社。経理部門・人事部門・総務部門・財務部門などコーポレートスタッフ業務に携わり、2005年4月より現職。現在、社外広報・社内広報・コーポレートサイト運営などの総責任者を務めている。

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