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【株式会社グロービス】「経営」を軸足とした事業戦略と一貫性のある広報を目指す

公開日:2005年11月17日

 前職の住友商事在職中にハーバード・ビジネス・スクールへの留学機会を得たグロービス・グループの創業者であり現代表である堀義人氏は、「少しでも多くのビジネスパーソンが、ハーバードのような素晴らしい教育機会を得ることができる環境を日本に作りたい」という志に目覚め、1992年、「グロービス・マネジメント・スクール」事業を開始した。そのいきさつは同氏の著書である「吾人の任務-MBAに学び、MBAを創る-」に描かれている。渋谷の道玄坂にある貸し教室でマーケティングのたった1クラスからスタートした同スクールだったが、2005年現在、累計2万人に及ぶビジネスパーソンが学び、著名な経営者も少なからず輩出している。同スクールは、ビジネスの第一線で活躍する現役のビジネスリーダー達が講師を務め、より実践的なカリキュラムを提供することが特長だという。この取材を終えた夕方6時頃には、明日を担うであろうビジネスリーダー達が、ひとり、またひとりと、忙しい仕事をやりくりして同社の1Fラウンジに集まってきていた。

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「MBAシリーズ」全12冊(ダイヤモンド社)が既に累計発行部数100万部を超える。

 グロービスは、1993年に企業研修事業、1995年に出版事業、1996年にベンチャーキャピタル事業、1999年に人材紹介事業へと領域を拡大。企業研修事業では、有力企業を中心に250社において企業内の人材育成のサポートを実施。出版事業では、「MBAシリーズ」全12冊(ダイヤモンド社)が既に累計発行部数100万部を超え、毎年2冊のペースで新書を出版している。投資先企業に資金だけでなく、経験豊富な社外取締役を派遣し、人材と経営ノウハウをも提供する「ハンズオン型VC」を特長とするベンチャーキャピタル事業では、2つのファンドを運営し(1号ファンド:5.4億円、2号ファンド:200億円)、投資先企業の公開実績も出ている。人材紹介事業では、経営のプロを目指す登録者が14,000名に達し、年間100名以上が魅力あるポジションへの採用に至っているという。
 グロービス・グループは、「経営に関するヒト・カネ・チエのビジネスインフラを提供し、ビジネスの創造と変革をサポートする」という理念に基づき、多彩な事業展開を行うユニークな会社であるが、あくまでも「経営、マネジメント」を軸としたビジネスドメインを逸脱しないことで、企業としての強みと魅力を高めていこうとしている。グロービス・グループ全体のブランドコミュニケーションを統括する野田史恵 氏にお話をうかがった。

「吾人の任務 -MBAに学び、MBAを創る-」(堀 義人 著 / 東洋経済新報社)

* 『広報室訪問』読者におすすめ!
新版「MBAマーケティング」(グロービス・マネジメント・インスティテュート 編著 / ダイヤモンド社)

  
社 名
 
株式会社グロービス
設 立
  1992年2月
代 表 者
  代表取締役 堀 義人
資 本 金
  非公開
従 業 員 数
  192名 (グロービス グループ全体:2005年8月現在)
事 業 内 容
 

ビジネススクール事業(グロービス・マネジメント・スクール:GMS)
人材育成・組織開発事業(グロービス・オーガニゼーション・ラーニング:GOL)
経営研究・出版事業(グロービス・マネジメント・インスティテュート:GMI)
経営人材紹介事業(グロービス・マネジメント・バンク:GMB)※
ベンチャーキャピタル事業(グロービス・キャピタル・パートナーズ:GCP)※

※印はグループ別会社(株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ、株式会社グロービス・マネジメント・バンク)

URL
  http://www.globis.co.jp/
「経営」を軸足とした事業戦略と一貫性のある広報を目指す
 グロービスでは、個人に対しては、ビジネススクール事業・人材紹介事業を通じて教育の機会とキャリアの選択肢を提供し、「良い生き方の形成」を支援している。法人に対しては、人材育成・組織開発事業を通じて高度な経営能力をもつ人材の開発・コンサルティングを行い、「良き会社の実現」を支援している。社会全体に対しては、ベンチャーキャピタル事業、出版事業を通じて、新たなビジネスの創造と変革を促し、「よき社会の創造」に寄与している。

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ビジネススクール事業としてグロービス・マネージメント・スクール(GMS)を展開。

「グロービスは、他にあまり例のない事業ラインナップをもった企業で、これまで、ニッチながら良いポジションを築いてきていると思いますが、それは、すべての事業の根幹に『経営、マネジメント』という軸があり、一貫性を保っているからです。ドメインが強固だからこそ、経営の『知』が蓄積する仕組みができているのです。広報も、『経営、マネジメント』を軸足として、企業のミッションに忠実に、社会に向けた情報発信をしていきたいと考えています。」と野田さん。

 非公開のベンチャー企業という立ち位置で一般への認知度を高めるためには、メディア報道において存在感をいかに高めるかが課題とのことだが、「経営知の蓄積があり、特にベンチャー経営に強い」という特長を活かして、独自のポジションを確立することを意識し、「量の拡大」と「質の追求」に取り組んでいるという。
 「経営ならグロービス、ベンチャーならグロービスという認知を高めるために、社内のニュースを探してプレスリリースなどを通じた発信機会を増やすように心がける一方、社内人材への取材・講演などの機会は積極的にお受けするようにしています。質という点では、『経営』という軸から外れないように、たとえば、取材依頼をいただいた場合に、企画趣旨と弊社のブランディングにギャップがある場合は、『企画の一部をこう変えていただくことができれば、御社へのご協力ができるのですが…』というような提案をしたりします。」(野田さん)

 グロービスでは「広報」を「ブランドコミュニケーション」(BC)と呼ぶが、「ブランドコミュニケーションは優先経営課題」と位置づけており、堀社長自らがBCリーダーを兼任する。
 「新聞、雑誌、ラジオの取材や、講演活動など、象徴としての代表を積極的に登場させるようにしています。書籍も『吾人の任務』に次いで、『人生の座標軸』も出版しています。社長自ら執筆するコラム「起業家の風景」を1998年よりホームページにて公開し、2004年からはブログ形式に変更したところ、現在では、1日4,000ページビューの閲覧があり、2,500名超の会員にメルマガ配信をしています。」(野田さん)
 さらに、「今後は、堀社長以外の『スター』を育てていきたいですね。各事業部のプロフェッショナルが、2名くらいずつその道のプロとしてブランドコミュニケーションを担えるようになれば、グループ全体としてさらに発信力が上がるのではないかと考えています。」(野田さん)

堀社長のブログ「起業家の風景」

社会との共鳴感を重視しながら、常に新たなチャレンジを。
 社長コラムのメールマガジンを始めとして、グロービスでは、インターネットをメディアとして早くから活用しているが、今年はこれをさらに強化することが課題だという。
 「日々刻々と進化するインターネットメディアを最大限活用するための社内プロジェクトも立ち上げ、蓄積された『経営の知』をどう発信していくかという課題に取り組んでいるところです。」(野田さん)
 もうひとつ、野田さんが広報の方針として挙げるのは「社会との共鳴感を重視」という点である。そして、これを実践するビックプロジェクトが、堀社長を発起人代表として今年8月から展開された「YES!PROJECT」である。同プロジェクトは、「選挙に行こう! YES!」「改革をすすめよう! YES!」「もっと発言しよう! YES!」という3つのメッセージを、政治や選挙に関心の薄い世代がよく利用しているインターネットメディア(ブログやSNS:Social Networking Service)を活用して、主に若者に向けて発信する活動を展開している。
 「グロービスを中核とするビジネスネットワークを活かした市民運動で、当社が広報窓口を務め、8月26日に合同の記者発表会も行いました。これまで、グロービスは、個別取材が中心だったこともあって記者発表会は初めての経験でしたが、多くの記者の方に参加いただくことができ、その後も、個別取材が続きました。今後は発起人や外部サポーターによる自主運営によって活動を継続していくため、グロービス広報の役割は一旦終了となりますが、これまでの活動でも社会への新たな価値の提供に貢献することができたと思っています。また、ベンチャー単独でこれだけの露出は難しいことを考えると、結果としてグロービスの企業PRにも好影響を与えられたと思います。」(野田さん)

 グロービス・マネジメント・スクールは、今年6月構造改革特区制度を利用した「経営大学院」として文部科学省への申請を行っており、設置認可を得られれば、2006年4月から大学院プログラムを開講する予定だ。大学院となった暁にはグロービス単独で経営学修士(専門職MBA)の学位を授与する事が可能となり、卒業生は名実ともに「優れたビジネスパーソン」としての活躍の舞台が広がるだろう。
 この新しい事業展開は、2004年7月にグロービスで広報を担当し始めた野田さんにとっても、大きなチャレンジだ。「広報の素材として、しっかり仕掛けていくつもりです」と力強く抱負を語ってくれた。

YES!PROJECT (公式サイト http://www.yesproject.com/
 157名の若手起業家仲間が発起人となり、公式ブログ、公式SNSを展開し、発起人によるパネルディスカッションなどを行うYES! ナイト(9月7日 19:00~)を開催。サイト開設1週間で10万PV超、SNSの会員1,000人超(2005年10月現在)、YES! ナイトは、200名の定員が告知したその日に満席となった。

ご担当者様プロフィール
野田 史恵 氏
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グロービス・グループ
ブランドコミュニケーションズ オフィサー

慶應義塾大学法学部卒業後、日本生命相互会社に入社し、融資部門における企業審査業務を担当。その後、同子会社の経営企画業務を経て、1999年株式会社グロービスに入社。スクール事業部にて、大阪支社のマーケティング業務、東京本社の経営企画業務を経た後、 新規拠点立ち上げに携わる。
現在は社長室長兼広報室長として、グループの広報活動、および新規事業プロジェクトを担当。

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