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【株式会社日比谷花壇】店舗、カタログ、Web。3つのチャネルをコーディネートしてマーケティングを強化

公開日:2005年6月16日 | 最終更新日:2013年5月15日

結婚式披露宴のクライマックスで繰り広げられる感動の花束贈呈シーンは、今ではすっかりおなじみだが、これは、1940年代に日比谷花壇が発案したもの。
日比谷花壇のルーツは、東京葛飾区で庭園業を開始した明治5年にさかのぼる。一号店は帝国ホテル店(1944年~)で、パーティー会場向け装花スタイルを確立し、ブライダルブーケを初めて日本に紹介するなど、フラワーデザイン事業の先駆けとして、日本の「花業界」を牽引していた。

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全社が一体となってマーケティング目標に取り組む

日比谷花壇ブランドがスタートしたのは1950年。当時の都知事から「戦後東京の復興計画の一環として、市民の憩いの場である公園に、海外の例を習ってフラワーショップを」と要請されて、日比谷公園店を出店し、同年、社名を日比谷花壇とした。

現在は、ブライダル関連を中心とする事業が売上の60%を占めるが、店頭営業(全国195店舗)やWeb事業も着実に伸長しているという。1983年にカタログによる通信販売を開始し、「花の宅配システム」を構築し、ダイレクトマーケティングによる販売を業界に先駆けて導入したのも同社であるが、最近はEコマース全般に注力しており、2001年から本格的にスタートした「hibiyakadan.com」は、来訪者(ユニークユーザ)が年間400万人を超える優良サイトになっている。
また、フラワーデザイン事業で培ってきたものを、世の中にアウトプットしていく1つの方法として、スクール事業も展開しており、日本と海外のフラワーデザイナーの交流を促進するなど、老舗の伝統に甘んじることなく、新しい取り組みにも積極的である。

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同社は、全社が一体となった顧客エクイティと、ITソリューションを駆使したマーケティングを目標に掲げている。ニーズを先取りする商品・サービスを市場にアピールしていくために重要な役割を果たす営業広報室 室長の武山直義さんにお話をうかがった。

 

店舗、カタログ、Webをコーディネートしてマーケティング強化

広報室長の武山さんは、ブランド戦略部と顧客エクイティ部も兼務しており、武山さんの他、販売企画部の3名が、広報のミッションをもって活動している。

「部門の壁を取り払い協力し合って…というのが社の方針でもあり、全社的に幹部社員の兼務は当たり前です。ブランド戦略、顧客エクイティも、まったく異質なものでなく、広報もブランディングを進める1つのコアとなる活動ですので、部署名は分かれていても、実際はタスクチームで動くパターンが多いです。
新しい商品やサービスに関する報道向けPRももちろんやっていますが、どちらかというと、営業・マーケティングと密接に連携した広報活動に注力しています。店舗のTV取材も多いのですが、主要店舗には広報対応のスタッフもアサインしており、本社と連動して対応しています。」(武山さん)

日比谷花壇の企業活動のキーワードは「感動の演出」。花を中心とする「場」、「情景」の演出を提案していくこと、付加価値を提供することが、日比谷花壇のモットーであり、他社との差別化ポイントだという。

「花の周辺にあるストーリーづくり、オケージョンづくりにより、花を贈ったり、花を買うきっかけとなるプロモーションをしかけていきたいと考えています。オンラインショップでも、花とワイン、花とスイーツの組み合わせなど、誕生日や記念日、お祝いやお礼など、様々なシーンに合わせた企画商品を充実させています。たとえば昨年、マンションにもマッチするお盆の企画商品を提案したところ、従来とは異なる層のお客様も購入されました。地方配送も非常に多かったので、忙しくて帰省できない代わりに、実家に贈られたのではないかと思います。花を飾り、贈るシーンを創出することができた良い例です。」(武山さん)

今後のマーケティングの課題としては、オンラインショップ、店頭販売、DMなど異なるチャネルで展開するプロモーション活動や顧客とのコミュニケーション活動を統合することだという。

「統合といっても、一本化するという意味ではなく、これら3つのチャネルをうまくコーディネートして、情報を提供し、購入のきっかけをご提案していきたいと思います。それぞれのお客様は、かなりの部分重複していることがわかっていますし、顧客データベースの一元化にも着手しています。」(武山さん)

日比谷花壇は、花が好きだから、花ビジネスに興味があるからという理由以外に、同社のIT戦略に興味があって入社する人もいるというほどIT活用に積極的だ。2003年から展開している「Co-brand Partnership Program」もITを活用した新しいビジネスモデルであり、花の付加価値を高める広報活動にも一役買っている。

「米国某社のビジネスモデル特許の独占使用権を獲得して、独自のプログラムとして展開しています。提携企業のWebサイトのバナーから、その企業専用のフラワーサービスサイトが立ち上がる仕組みです。各企業独自のフラワーサービスサイトとして運営しながら、さまざまなサービスを展開でき、現在100社以上のパートナー企業と契約しています。」(武山さん)

花のあるスタイルを提案するブランド戦略

武山さんのミッションとして、もっとも重視しているのは「ブランディング」。歴史ある老舗のイメージだけではなく、常に新しいトレンドを創りだして情報発信することで、先端のイメージを作り上げていきたいという。
「花なら何でもいい…という時代は終わっており、こだわりをもった方々向けに、デザイン的な付加価値をつけて提供することに力を入れています。インテリア用のグリーンや蘭だけを紹介するのでなく、フラワーベースなども厳選して、部屋のスタイリングを一緒に提案します。そのために、ユーザーのライフスタイルに即して4つの商品群ブランドを設け、ブランドごとのデザインテイストを集めた商品をカタログや店舗で展開しています。お客様のニーズは細分化してきていますし、新しいユーザー層を取り込む意味でも、今までにない新しい花の価値観を創ってきめ細かく提案していきます。」(武山さん)

現在、日比谷花壇が展開しているブランドとイメージキーワードは以下の4つ。

  • HIBIYA KADAN 品格、高級感、安定、信頼、ステイタス
  • HK+MODE 高級感、現代性、上質、洗練、ファッション、アート
  • HIBIYA-KADAN STYLE 安心、信頼、おしゃれ、ストーリー
  • VerryMerry 気軽、デイリー、可愛い、雑貨感覚、カジュアル

今後は、Web、店舗、カタログで連動し、このブランド戦略を進めていく予定だという。

このブランド展開と併せて推進しているのが、デザイナーの個性を打ち出す戦略。オンラインサイトの「デザイナーズ コレクション」というページで見られるように、商品をデザイナーの顔写真入りで紹介し、作り手の意図が伝わる付加価値の高い商品として提供する。かつて、デザイナーがこのように表に出ることはなかったが、WebだけでなくPR誌などでもデザイナーを前面に出している。
そして、昨年末、「この人の花が欲しい――花束もデザイナー指名買い」というタイトルで、流通系の新聞に「デザインの新しいトレンド」を紹介する全10段の特集記事が組まれた。「業界の動向として、日比谷花壇の目指す方向性を説明したところ、興味を持っていただき、他社のデザイナー2名も加えて大きな記事になりました。以来、これを見た他の媒体からの2次取材申込みが相次ぎ、テレビ番組や企業広報誌にも取り上げられました。今後も、商品・サービスのPRだけでなく、また、花だけでなく、ものづくりや美をつくる発想など、社会に影響を与えられるような情報を発信していきたいですね。」(武山さん)

今後も日比谷花壇が発信する新しいトレンドに注目していきたい。

武山 直義 氏プロフィール

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株式会社日比谷花壇
営業本部 営業広報室

千葉大学卒業後、1981年入社以来1999年まで人事部。2002年、ECサイトの企画・運営を行うEC事業本部にて、「コーブランド パートナーシップ プログラム」の立ち上げなどにも携わり、2004年から営業本部。現在は、広報の他、ブランド戦略、顧客エクイティを担当する。子供の頃の作文には「花屋になりたいと」書いていたそうで、「男性が堂々と花束を持って街を歩けるように」が入社以来のテーマ。現在、店頭では女性が7~8割だが、ECサイトは50%が男性だそうで、インターネットの普及にも後押しされて、「店に入りづらい、持って歩きづらい…をなんとか解決して、花を買う、花を贈るきっかけを提案していきたい」という武山さんの思いが確実に実りつつある。

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