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【株式会社 日立製作所】グループ広報の核として、広報活動に対する理解を促進する

公開日:2004年12月16日 | 最終更新日:2013年5月15日

日立グループの連結従業員数は、「市」の人口にも匹敵する約33万人。日立は世界大手の総合電機メーカーであり、情報通信システム、電子デバイス、電力・産業システム、デジタルメディア・民生機器、高機能材料、物流サービス、金融サービスなど幅広い事業を展開している。

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技術を通じて社会に貢献する

日立グループでは、「情報サービス」と「社会インフラシステム」をさらに強化、融合していく「新時代のライフラインを支えるソリューション」の領域と、日立グループの高い技術・知識を集約した競争力のあるハードやソフトを中心とした、グローバル市場での高成長をめざす「高度技術グローバル製品」領域に向けた経営資源の集中を進めている。

1910年の創業以来、日立が貫いてきた企業理念は「技術を通じて社会に貢献する」。
そして、21世紀の「HITACHI」ブランドの約束として2000年に宣言したのが「Inspire the Next」。最新の製品やシステム、サービスを通して、次の時代に息吹を送りつづけ、生き生きとした社会にしたいという願いが込められ、また、「Next」に向けて自らを変革していく強い意志を表明する。

2004年10月から11月にかけては、社会インフラ整備が急速に進行している中国に注目し、北京、上海、広州の3都市で、日立グループの最先端技術を一同に集めた総合展示会「日立展2004」を開催、14,000名の来場があった。
日立グループの製品やシステムを、実物や映像を用いてわかりやすく紹介するなど、中国においても企業認知を高める取り組みを積極的に進めている。

日立のブランド価値をさらに向上させるために重要な役割を担うコーポレートコミュニケーション本部広報部長の内藤理氏にお話をうかがった。

グループ広報の核として、広報活動に対する理解を促進する

内藤氏が率いるコーポレート・コミュニケーション本部の広報部は、メディア対応、社内広報、IRのグループにより構成され、全社にまたがる案件、会社全体の方針などについて、情報の管理や発信を担当している。
新製品、新技術などの製品広報は、各事業グループの広報部門が担当し、広報部、各事業部門、日立グループ各社間のスムーズな連携をはかるための連絡会議「日立グループ広報連絡会議」が、年2回開催される。

「現在、主要上場会社17社を含め、約30のグループ会社・事業部門が参加し、総勢50名が一堂に会します。各事業部門だけでは、マテリアルやリソースが不足しがちなのでコーポレートが補うこともありますが、組織的には並列に位置づけられ、それぞれの事情を勘案しながら、日立グループとして効果的な発表はどうあるべきかを議論します。
広報イントラネットや、電子メールでの一斉同報など、情報を交換できるプラットフォームがあるので、発表に関する相談や日程調整などが活発に行われています。例えば、大きな発表に関しては、重要情報を交換しておくことで、担当を明確にし、迅速な対応ができるようになります。
こうした日々のやりとりを強化する意味で、全体会議や泊りがけのミーティング、懇親会なども行っています。」(内藤氏)

 

グループ内広報活動のプラットフォームとしては、2002年にスタートしたイントラネットにおける日立グループ内向け情報BOX「HIT News」がある。
コンテンツとしては、「社長メッセージ」、日立の注目製品などを紹介する「特集企画」、「日立グループ会社の動向」などがあり、社長のメッセージなどの重要コンテンツについては、プッシュ方式として幹部や事業部・グループ会社の広報部門、さらに登録いただいた社員にメールで配信する。また、同サイトは、広報活動への社内の理解を促進することも目的としており、その日の報道発表内容、各事業グループ別の報道発表件数などを公表するほか、内藤氏が執筆するコーナーとして「編集後記」ならぬ「編集前記」がある。

「 “外から見た日立”ということで、取材の時にこんなことを言われた、こんなことがあった…というような内容です。
他のコンテンツはオフィシャルアナウンスが多いので、広報の裏話をさしさわりのない程度にエッセー風に書いています。かれこれ1年以上継続しており、2週間に1回は更新するのですが、結構購読率が高いんですよ。」(内藤氏)

たとえば、「発表前の内容について、記者からTELがかかってきて広報部内で対応を検討している様子とか、決算発表資料は何ページもの資料を数百部以上用意しなければならないんだ…とか。」(内藤氏)
広報はこんなことやっているんです、といった内容を親しみやすい文章で紹介することで、広報活動に対する社内の理解促進に役立っているという。

広報に関する社内教育ツールとしては、「IRハンドブック」「危機対応広報ハンドブック」の他に、役者を使ってさまざまなシチュエーションをドラマ仕立てにした「広報取材対応マニュアル」「広報発表会マニュアル」もあるそうだ。ビデオもさることながら、広報担当者には興味深いのではないかと思われる、社内教育用に内藤氏が作ったという取材対応十か条を以下にご紹介する。

取材対応の十か条

  • 準備万端 … 万全の準備をする
  • 機密保持 … 公表不可の内容を話さない
  • 先制攻撃 … 取材の主導権を取る
  • 要旨簡潔 … 明瞭簡潔に回答する
  • 謙遜無用 … ポジティブな表現に努める
  • 公平無私 … どの記者に対しても公平、平等な情報提供を行う
  • 熱烈歓迎 … 熱意を示す
  • 誠心誠意 … リラックスして誠意を尽くす
  • 沈着冷静 … 冷静さを失わない
  • 一挙両得 … 「頼まれたから仕方なく時間をとった」のではなく、「ビジネスに役立たせるためにこのチャンスを活かそう!」との認識で取材に臨む。

広報担当者としての基本的な心得を集約した十か条といえそうだ。

コミュニケーションは、双方向に一回転して初めて成立する
日立の広報部が目指す広報とは、「企業価値・企業イメージを上げる双方向コミュニケーション」。
マスコミを通じた情報発信と同時に、「マスコミの声を通じて社会の視点を経営に反映する」ことを重視している。無事に情報を届けるだけでは、コミュニケーションが成立したとは言えないと内藤氏は言う。

「どうやったら記事にしてもらえるかなど、情報発信する方法などに関しては上手くなっていると思いますが、記事が出た、発表会が成功した…だけで終わってしまうと、次につながらないし、もったいないと考えています。
発表会終了後や記事が掲載された後に、発表の内容、発表者の態度など、出席したアナリストや記者に、かなり率直に聞くようにしており、いろいろとアドバイスをいただくことができます。
広報活動は、記事だけでなく、こういったことを含めて評価するべきではないでしょうか。そして、発表会における出席者の評判など、記事には書かれていないことも、トップにもう一度フィードバックすることで、社外の人々との距離が縮まるものと考えます。
コミュニケーションとは、双方向に、ぐるっと一回転して初めて成立するものだと思います。」(内藤氏)

双方向コミュニケーションは、社内広報にも見ることができる。それは、「庄山オンライン」という社長サイト。ここでは、社長と社員との双方向コミュニケーションを実現する工夫としてアンケートが有効に活用されている。

「社員へのメッセージをなんとか掘り下げたい、トップマネジメントに対して社員の考えを伝えたいということで、社長と相談してアンケートの内容を決めます。直接コミュニケーションをするのがベストですが、社長は1人、社員は日立製作所だけで4万人弱ですから…。
過去、直接やっていたこともありますが常連に限られてしまい、もっとマスに広げることができないかということで、たどり着いた方法がアンケートです。
たとえば、まず” トップダウンも大事だが、ボトムアップも大事”という社長メッセージがあり、それに対するアンケートの選択肢に、” トップのポリシーがはっきりしていない”というような厳しい意見を入れておくことで、意外に社員の本心を引き出すことができます。そして、このアンケート結果に対して、社長のコメントを公開することで、トップと社員との双方向コミュニケーションを実現する環境を作っています。」(内藤氏)

広報は双方向のコミュニケーション、そんな基本的な原則が広報活動に脈々と息づき、多くの人々が働く大企業を力強く支えているようだ。

内藤 理 氏 プロフィール

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株式会社 日立製作所
コーポレート・コミュニケーション本部 広報部長
慶応義塾大学(法学部)、同大大学院(法学研究科)を卒業し、1983年4月日立製作所入社。
2年間の工場勤務の後、広報業務に従事。1989年より日立アメリカ社にて広報・IR窓口を担当。1993年に帰国後、社長室(広報)、秘書室(部長代理)を経て、2002年広報部長就任。現在に至る。
山口県出身。45歳。

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