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【グーグル株式会社】速報性を重視して、プレスリリースに加えて「GoogleGram」を配信

公開日:2004年8月19日

 Googleは、スタンフォード大学博士課程の学生であったラリー・ペイジ氏(当時24歳)とサーゲイ・ブリン氏(当時23歳)により1995年に開始された研究プロジェクトを事業化し、1998年に会社として設立された。
 今ではGoogleは、42億8千万以上のWebページをインデックス化し世界中のインターネット検索の半分が行われている検索エンジンのデファクトスタンダードとなっている。

 Googleが多くの利用者に支持されているのは、優れた独自の検索技術とユーザーにとっての使い易さが評価されていることが理由である。Web上の情報に最も効率よく簡単にアクセスする方法を提供することを使命として、日々改良が続けられている。また、検索をコアとして、検索とリンクした広告、ポータルサイトへの検索技術の提供など、周辺にさまざまなビジネスを展開している。
 Googleの対応言語は現在97言語。その中で、日本語は、英語、ドイツ語に次いで、Google上で多く使われる言語であり、日本は重要な市場。国内の数々のパートナーとともに、検索においてもオンライン広告においても、市場でのポジションを着々と築いている。

 米Google, Inc.の日本法人 グーグル株式会社でPRスペシャリストとしてご活躍中の斉藤 香さんにお話をうかがった。

  
社 名
 
グーグル株式会社
設 立
  2002年9月
代 表 者
  代表執行役 社長 村上 憲郎
資 本 金
  1,000万円
従 業 員 数
  約35名(2004年7月現在)
事 業 内 容
 
検索エンジンの開発・提供、および検索に関係するオンライン広告プログラムと機器の開発・提供。
U R L
  http://www.google.co.jp/
速報性を重視して、プレスリリースに加えて「GoogleGram」を配信
 グーグルでは、プレスリリースというによる公式な発表活動の他に、「GoogleGram」(GoogleとTelegramからの造語)を、月に数回メール配信している。プレスリリースよりも簡略な形式で、速報性を重視しているのだという。

 「日本のメディア、特にIT関連のメディアは米国の動きをリアルタイムで追っています。米国で何かが起こると、30分後には米国内のメディアにカバーされ、3時間後には日本のオンラインメディアに翻訳記事が出されたりします。このような中、1分1秒でもリアルタイムに近いタイミングで新鮮な情報を提供することが私の役割です。そこで、型にはまったプレスリリースという形だけでなく、メディアとのコミュニケーションを活発にしています」と斉藤さん。

 日本におけるグーグルのミッションは、日本のGoogleユーザーを増やすことと、Googleが提供する広告サービスのクライアントを増やすこと。PR面では、特に、Googleの使い易さや利用価値を、もっと多くの人に知ってもらうことだという。

 「検索は、一見とてもシンプルなので、アピールの仕方が難しいのですが、使い方によって、Googleはもっともっと便利になるのです。その辺を理解していただくために、” Googleサクセスストーリー”として利用者からの投稿をWebで公開したり、出版社とのタイアップなど”Google超活用法アイデアコンテスト”なども実施しました。」(斉藤さん)


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サービスのクオリティを保持するために24時間365日稼動し続けるサーバ。

 www.google.co.jpを開くと、デザイン的にも実にシンプルなページが現れる。キーワード1語で的確に検索して情報の在り処を教えてくれるGoogleだが、その背後には、実に多くの検索技術が使われており、各言語の特性に合わせて検索の確度を高めるため日々新しい技術開発が進められている。この開発作業は現在、米国、スイス、インドにあるGoogleの開発拠点を中心に行われており、近々、東京にも研究所が開設されるとのことだ。

 「ここでは、日本語検索クオリティの向上や、携帯電話日本市場を重視した検索機能の開発・強化にも取り組む予定ですが、Googleという会社には国境がないので、研究所が1ヵ所増えて、それが東京という感じです。
 Googleで働いていて、これがもっともすばらしいと思うのですが、全社的に、違う場所のオフィスで仕事をしているだけで、同じ目標を共有しているチームメイトなのです。
 PRも同様で、私はコーポレートのPRチームの一員として日本語を担当しています。Googleのブランドは口コミを中心につくられています。この素朴さ、手作りさがGoogleだと考えており、ワールドワイドで同じブランドイメージを保つことが大切です。
 日本の社会に合わせながらも、このGoogleの個性を保ちたいと考えています。」(斉藤さん)

インスタントメッセージやブログも積極活用

 Google社内では、イントラネットに加えて、最近“ブログ”が活用されているという。斉藤さんの場合、1日に4,000近くのEメールを受け取るというが、ブログはメール削減にも効果をあげており、 業務効率アップにもつながっているとのことだ。

 「ブログやインスタントメッセージは多用していますね。もともとペーパーレス(紙の書類が少ない)文化が根付いていますが、ミーティングの議事録や、技術資料、セールスツールなどは、イントラネットから検索して必要なものを入手する”PULL型”の情報共有がメインです。」(斉藤さん)

 インスタントメッセージは、社外のコミュニケーションでも活躍しているようだ。
 「様々なポータル会社の広報担当者と関連媒体の記者と一緒に、情報交換会をしています。Googleにとってはある意味では競合ですが、提携パートナーでもあり、技術的な問題で共有すべき情報も多いのです。たとえば、何か新しいウィルスが登場すると、このメンバーの間でインスタントメッセージを駆使してスピーディに情報交換します。」(斉藤さん)

 シリコンバレーで生まれたベンチャーであるGoogleは、間もなく創立6年を迎える。今では従業員1,900人を越えるが、「世界中の人々に最高のネット検索技術を提供する」という創業以来のビジョンを共有する「技術が命」という会社。そのため、PRの対象は、現在はIT関連のメディアが中心である。IT関連メディアに従事する多くの記者は、GoogleGramのような新しい情報発信の形態も容易に受け入れ、情報源として活用してくれるとのことだ。

 しかし、こういった先進的な環境でPRに携わり始めた斉藤さんは、改めて広報の基本を見直してみたいという。

 「会社が大きくなり、Googleがより多くの人に利用されるようになり、一般媒体も含めてPRの対象範囲も広がっていくでしょう。私は、日本のトラディショナルな広報の経験がないので、初心に帰って、メディアリレーションの基礎をもう一度勉強したいと思っています。」(斉藤さん)

 インターネットの普及とともに、IT関連媒体だけでなく、一般メディアも変わりつつある。
トラディショナルに戻るのではなく、従来のやり方をマスターした上で、新しい取り組みを活かして活動の幅を広げていかれるだろう。

 ちなみに、広報担当者共通の関心事であろう「どうしたら検索上位にランクインできるか」について聞いてみた。すると、「検索結果は、関連のキーワードがページのどこにあるか、どこのページからリンクが貼られているかなど、200種類程度の計算式があります。ページ制作時にいろいろなテクニックはありますが、一番大切なのは、そのサイトで何を伝えたいかが明確なメッセージ性の高いページにすることです。」(斉藤さん)
 Webサイトに訪れるのは、ユーザーと検索ロボットであるが、本来のターゲットであるユーザーを意識したWebサイトの構築が最も重要ということのようだ。なお、Googleサイトでは、Webマスター向けの情報ページも用意されている。

斉藤 香 氏 プロフィール
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グーグル株式会社 PRスペシャリスト

大学4年より外資系証券会社のアシスタントとして勤務。その後、サウスキャロライナ州の大学で経済学を専攻。1995年に外資系PR代理店入社。
ファッション関係のクライアントを担当後、IT業界の成長に伴いITクライアントを担当。
2000年、IT専門のPR代理店ホフマンエージェンシーの日本オフィス設立メンバーとして国内ビジネスの立ち上げに携わる。
この年の12月、シリコンバレーの本社出張中にGoogleのPR担当と出会い、翌月から外部スタッフとして同社のPRを担当。
その後、ホフマンエージェンシー本社転勤を経て、2003年、米国滞在中にGoogleに入社し現在に至る。

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