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【SAPジャパン株式会社】社内情報収集のルートを確立し、情報発信量を飛躍的に向上

公開日:2004年2月26日 | 最終更新日:2013年5月21日

SAPは、ドイツ本社の統合基幹業務パッケージソフトウェア開発販売の最大手。

厳しい経済状況の中、企業のIT投資は伸び悩み傾向といわれる昨今でも、企業の競争力を保持し優位性を確保するための戦略的な投資は依然として積極的に行われている。

SAPが提供するパッケージソフトは、企業の経営資源を有効に活用して経営を効率化するための統合ソフトウェアでトップシェアを占める製品であることから、同社の業績は世界的に好調で、2003年の営業利益(2004年1月発表)は過去最高を記録した。

日本においても業務用パッケージソフトウェアの分野において圧倒的なマーケットシェアを占め、IT業界では誰もが知るトップクラスのソフトウェアベンダーである。
そのポジションに甘んずることなく、もっと認知度の裾野を広げていきたいと意欲的なとり組みをみせる、同社のマーケティング本部 広報ディレクター寺岡 豪さんにお話をうかがった。

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社内情報収集のルートを確立し、情報発信量を飛躍的に向上

寺岡さんは、2000年に自動車業界(マツダ)の広報マンからIT業界に転身。自動車業界の広報時代の約10年間には、マスコミ対応、リコール問題などに関する危機管理、海外広報まで幅広く担当され、広報マンとして蓄積した十分な経験を武器に、新しいフィールドであるSAPにおいて、3年余で着々と活動の基盤を築いてきた。

「まずは、メッセージの発信量を増やすことを目標としました。以前は、プレスリリースの数は年間30件あまりほどでしたが、私が入社した最初の年には約100件に増やしています。まずは、本社発のニュースを積極的に活用し、翻訳して配信する数を増やすことからスタートしました。そして徐々に社内からの情報発掘を活発にすることで、国内ニュースの数を増やしていきました。最初は、本社発と日本オリジナルのニュースの比率が6対4くらいでしたが、2年目には、その比率は逆転しましたね。そして、3年目の2003年は、記者会見や説明会、インタビュー機会などの回数を増やし、さらに個々の発表内容の質を向上させることを重視しました。」(寺岡氏)

SAP本社

SAP本社

この素晴らしい成果は、パブリックリレーションのプロフェッショナルであると同時に、社内リレーションを確立するための寺岡さんの地道な努力が実った結果であるといえる。

「異業種からの転身ということもあり、最初は、各部門に頭を下げて色々と教えてもらうことからスタートしました。そして、今では、社内の各セクターのキーマンと頻繁にミーティングを持つようになっています。そういった現場の人たちには、広報という仕事について理解してもらえるよう説明します。結果として記事が掲載されると、担当者は非常に喜んでくれて、今度は、向こうから、こんな情報があるのだけれど…と持ちかけてくれるようになっています。社内には発掘されていないPR素材がたくさんあります。こうして社内の情報発掘の仕組みが出来上がると、いろいろな方向にどんどん活動を広げていくことができます。」(寺岡氏)

SAPジャパンとしての企業広報に注力

業務用のパッケージソフトウェアの市場では圧倒的なマーケットシェアを誇り、世界でも屈指のポジションにあるSAP。SAPの製品がどのような効果をもたらす製品かなどについて、ターゲットとなる企業のエンジニアや経営者層にメッセージを届けるという点では、まずまずの成果を挙げていると自己採点する。今後は、認知度の裾野を広げ、マインドシェアを上げるために、さらに積極的な広報活動を目指しているということだ。

「たとえば、製造、流通など、各市場分野で、SAPよりも認知度の高い企業と協業する機会があれば、共同プレスリリースや共同記者会見を働きかけ、広報的にも積極的にこの機会を活用します。また、プレスリリースの配信だけでは一方通行になりがちなので、記者に会う機会を増やすことを心がけています。広報担当が記者に会うということは当然のこととして、広報以外の経営者などが少しでも多く記者と話ができるよう、会見や記者説明会を、毎月1回は開催しており、20名から50名くらいの方々に参加してもらっています。」(寺岡氏)

SAPの本社は、ドイツ・フランクフルトから南へ車で1時間ほどの田舎町ワルフドルフにあり、技術者中心の、まじめで質実剛健の会社だという。

「30年以上前からいちはやく基幹業務向けアプリケーションに着目して、地道に製品開発を続けてきたわけですが、その開発姿勢には一種の職人的な色合いがありますし、製品概念の構成力にはドイツ古典哲学と共通した体系が感じられます。」(寺岡氏)

ドイツは、国民性が日本人に似ていると言われる。いかにもドイツらしい会社のSAPは、シリコンバレーのIT企業よりも日本人には受け入れ易いかもしれない。寺岡さんの今後の重点課題は「SAPジャパン」としての企業広報の強化であるという。

「SAPのビジョンやコンセプトを世界に広めていくというグローバルプログラムがありますから、まずは、それを日本にどう適用していくかということ。それに加えて、日本法人という枠組みの中で、SAPジャパンとしてのコーポレートカルチャーを確立して、理解してもらえるように、親しみを持ってもらえるように、企業広報活動に力を入れていきたいと思います。」(寺岡氏)

寺岡 豪 氏 プロフィール

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マーケティング本部 広報ディレクター
早稲田大学卒業後、翌1981年マツダ(株)入社。
マツダとフォードとの日米ジョイントの販売チャネルである「オートラマ」の創業期に国内営業を担当。学生時代からマスコミ志望であり、1990年から念願かなって広報に異動。国内メーカーの業務提携が相次ぎ、自動車業界が活況を呈していた時代に企業広報を担当した後、93年から3年間企業広報マネージャとしてデトロイト駐在。
フォード傘下に入ったマツダが外国人社長を迎え(96年)、地元広島では黒船襲来の騒ぎとなっていた時期に広島本社に「(逆)単身赴任」となり、地元紙の社会部を中心とした特別取材班への対応を担当。マイナスイメージを払拭して「ハイブリッドなコーポレートカルチャー」をフィーチャーすることに成功。以来、「リスクがクライシスに発展しそうな時は、逃げずにプロアクティブに対応する」ことが寺岡さんのモットーとなっている。
2000年2月にマツダを退職後、PR会社に在籍した約8か月の間にSAPに出会い、2000年10月から現職。

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