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【キッコーマン株式会社】企業理念を具現化する幅広い広報・IR活動

公開日:2003年11月20日 | 最終更新日:2013年5月15日

日本の食文化を支える味の原点である「しょうゆ」。その歴史は、現在の千葉県野田市で、キッコーマンのしょうゆづくりが始まった江戸時代初期にさかのぼる。六角形の商品ロゴマークは、日本人なら誰もが知っていると言っても過言ではなく、キッコーマンは名実共にしょうゆのトップブランドである。

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日本の食生活の変化を支える活動

日本の食生活はグローバル化により大きく変貌をとげたが、同社は、ソースやケチャップなどの洋風調味料や多彩な中華調味料の提案など、時代のニーズに応えながら、食文化の国際交流を推進するために、さまざまな活動を展開している。
社外広報から、IR、消費者対応、社会活動まで、幅広い業務をカバーしている、広報・IR部部長の中村隆晴さんにお話をうかがった。

企業理念を具現化する幅広い広報・IR活動

広報・IR部は、

  • 情報グループ(社外広報、IR、ホームページの管理・制作、社内広報)
  • 消費者グループ(食に関する講習会や展覧会や料理教室など)
  • お客様相談室(消費者の問合せ、意見収集、クレーム対応)
  • 社会活動グループ

の4つに分かれており、そのカバー範囲は予想以上に広く、その充実ぶりは、同社のホームページを見ていただくとよくわかる。企業の広報というと、”マスコミ対応”が中心と思われがちだが、幅広く担当しているところが同社の広報活動の特徴だろう。
キッコーマンの企業理念は、「高い品質の商品とサービスを提供し、食文化の国際交流をすすめ、地域社会にとって存意義のある企業をめざす」こと。「食」の世界をひろげ、「食」を通じて暮らしを育むことへの貢献であり、長年同社の製品が支えてきた和食の「和」は、家族団らんや和みも意味する。

「食は文化ですから、コンピュータなどの製品のように、性能や機能を数字や言葉で理解・評価してもらえるものではありません。」という中村さんの言葉にあるように、この企業理念を具体化するために、消費者対応や社会活動が、広報・IR部に集結していることの意味は大きく、4つのグループそれぞれの活動が相乗効果を発揮している。

消費者グループが運営するKCCホールでは食に関する講習会・展覧会を実施し(取材当日は韓国とモンゴルの食文化に関する展示が行われていました)、料理教室は年50回以上。
海外各国の人に、しょうゆを使った郷土料理を作ってもらう料理の講習会は、69カ国に達した。また、消費者とのコミュニケーションを目的とするCLUB KIKKOMANでは、「食育」をテーマとするトークショーなど各種イベントを展開。今年は、すでに東京、広島が終了し、間もなく千歳で開催される。

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社会活動グループでは、食べること、作ることを通して、自然や社会への興味・関心を育み、家族の思い出づくりや食卓づくりを応援する、親子のための「食」の体験学習プログラムとして、勝沼でのワイナリー見学とほうとう作り、小諸でのおやき作り体験など、さまざまな地域で展開されている。発展途上国の料理を作って食べながらその国を理解するイベントや、新しい試みとして手話による料理教室もスタートした。
お客様相談室では、全製品のラベルや形状、商品歴をパソコンの画面で検索・表示できるKQRS(キッコーマン・クイック・レスポンス・システム)を使い、ラベルに記載されている内容をリアルタイムで確認しながら、問い合わせなどに対応し、消費者からの意見を製品やサービスの改善に反映させている。

これだけの活動をこなすには、スタッフは大人数で、マネジメントが大変なのでは…とうかがってみると、スタッフは正社員17名、OB社員1名、パート5名と予想に反して少ない。
「長い期間にわたって人事を担当した経験からいうと、1人が本当の意味でマネジメントできる人数はせいぜい5人と言われています。4人のグループリーダーを中心として、一体感をもって活動できる理想的な規模です。全員が1つのフロアーに集まっていますので、コミュニケーションも円滑ですし、リーダー会議を中心に、全員が目標を共有しています」と中村さん。

「等身大の姿を理解してもらう」を基本に、双方向コミュニケーションを強化

キッコーマンのしょうゆは、現在、世界100ヶ国以上で愛用され、海外6拠点で現地生産が行われており、海外での売上は約22%、利益は50%近く、平均年間10%の成長を続けているという。そのファーストステップとして、米中西部ウィスコンシン州での現地工場建設したのは1972年。自動車や電子メーカーの米国進出よりも早いという。最初は「バグジュース(昆虫の絞り汁)」としょうゆに鼻をつまんだアメリカ人達に受け入れられるようになるまでには大変な苦労があり、そのドラマは、NHKの「プロジェクトX 挑戦者たち」で「醤油 アメリカ市場を開拓せよ」(2003年7月1日放送)で紹介された。また、テレビ東京「日経スペシャル“ガイアの夜明け”」でも中国合弁工場について取り上げられている。

「記者への情報提供や工場見学など、日頃の地道な広報活動が、こういった成果に結びついたと思っています。広報活動の評価は、記者に正しく理解していただいているか、その結果、記事が正しく書かれているかどうかが、第一のポイントと考えています。たとえば、記事の大きさに主眼がいってしまうと、少しでも大きな記事にしてもらおうと、説明も必要以上に誇張表現になってしまうでしょう。」

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伝統と歴史を守りながら、新しい食文化の創造にチャレンジを続けるキッコーマンの広報部門として、これからの課題は、等身大の姿を理解してもらうことを基本に、双方向性を高めていくことだという。
「料理関連のコンテンツを中心として、ホームページへのアクセス数は多いですが、キッコーマンファンをもっと増やすためにも、双方向性を高めていくような仕組みも考えていきたいですね。マスコミ対応も、一方的に情報を提供するだけでなく、お互いの信頼関係を高めていかれるようなコミュニケーションの姿勢を大切にしていきたいと考えています。」(中村氏)

中村隆晴 氏プロフィール

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広報・IR部長 理事
1972年関西大学法学部法律学科卒業後、キッコーマン株式会社入社。高砂工場労務課(安全衛生、労政など)を担当、業務課、販売課、労働組合に出向(中央副書記長)を経て、1987年から広報部にて、約6年間、報道担当や消費者広報担当。1993年から人事部にて、新人事制度導入などをてがけ、2003年から現職。

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