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【ニフティ株式会社】アーリー・アダプターからアーリー・マジョリティへ

公開日:2003年9月18日 | 最終更新日:2013年5月21日

1994年、「インターネット」と聞いても一般の人々はまったくイメージできなかった頃、インターネット接続サービスをいちはやく開始したニフティは、「パソコンに強い」人々の中でNO.1のブランドだった。
そして今、世帯普及率70%といわれ、インターネットサービスが一般の日常生活にも必要不可欠となった新しい時代に、再びNO.1ブランドのプライドをかけて、全社一丸となって取り組んでいるニフティにおいて、広報の果たす役割は大きい。

同社の広報室長である津田正利氏にお話をうかがった。

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アーリー・アダプターからアーリー・マジョリティへ

「ニフティらしさって何だろうか」これが、津田さんのテーマであり、ニフティ全社のテーマでもある。
1987年にパソコン通信サービスとしてスタートした「ニフティサーブ」は、1999年から「@nifty」としてリニューアルされ、サービス対象は、もはや限られた一部の人々(アーリー・アダプター)ではなく、一般コンシューマ(ニフティ社内ではアーリー・マジョリティと呼んでいる)に広がっている。
今や国内インターネット人口は5,000万人を優に超え、年内に6,000万人の大台に乗る見込みという。この成長市場を舞台に、プロバイダー間の競争も激化している中、これからもユーザーに@niftyを選択してもらい、使い続けてもらうためにはどうしたらいいのか…。
ネットワークサービスの老舗であるニフティは、老舗であることを忘れて、改めて、ユーザーは何を求めていて、それにどう応えられるか、ニフティの差別化ポイントは何かを全社一丸となって模索している。

同社は、去る8月23日と30日、「@nifty BB Festa」というユーザーイベントを東京と大阪で開催した。「お客様の生の声を聞くために開催したものですが、社員の心をひとつにすることも大きな目的でした。」と津田さん。予想を超えて各1,000名近くの来場者を集めたこのイベントは、企画・運営の大半がニフティ社員の手作りで行われ、当日は、社内公募により経理・総務など管理部門のスタッフもアテンドしたという。

「楽しんでいただくために芸能人ステージも用意したのですが、何よりもいちばん盛況だったのは、スタッフがブロードバンド導入のご相談に応じたサポートコーナーでした。60、70歳代の方々も多くいらっしゃいました。」(津田氏)

このイベントで得られたものは、遠からず「ニフティらしさ」として形になると期待される。

サービスの良し悪しは、その利用者であれば実感できる。しかし、サービスという形のない商品の特長や価値を、提供する側から言葉でアピールするのはなかなか難しい。
広報のコミュニケーション力がものをいう。

「インターネットのサービスだからカタカナ用語が当たり前ではなく、「縦書き&ひらがな」を心がけています。薬について、難しい成分名で説明されてもわからないけれど、効用を聞けば納得できますよね。それと同じように、利用者の皆さんに何ができるようになるのかを理解していただけるように努めていきたいと考えています。広報室の活動の対象はマスコミですが、その先には一般の読者がいることをいつも忘れないようにしています。また、@niftyのトップページを企画している部署や宣伝部との連携も今後強化していきたいですね。」(津田氏)

バーチャル記者クラブをつくりたい

ユーザーニーズを吸い上げ、ニフティらしいサービスを追求していく中で、同社は、ユーザーからの「信頼感」を得ることが何よりも重要と考えている。そして、会社の顔である広報室のモットーは「誠実であること」。津田さんをトップに、4名のスタッフとアシスタント1名、全員がこれを共有している。

「マスコミに対しても、世の中に対しても誠実であることです。会社やサービスを好きになってもらうことが大切だと考えていて、これは人間同士のつきあいと同じです。」(津田氏)

今後の計画として、ネットワークサービスの老舗であるニフティにふさわしい興味深いお話をうかがった。それは、マスコミのためのバーチャル記者クラブとしてWebサイトを立ち上げるというもの。そこでは、広報担当者が不在の場合でも、記者が必要としている情報を24時間いつでも入手できる。
すでに各企業のWebサイトには、プレスリリースなどの各種広報資料や写真類をダウンロードできる「プレス・ルーム」が多く見られる。しかし、津田さんがイメージしているバーチャル記者クラブは、それをもっと発展させたもののようだ。

「広報は、企業からの情報発信と言われますが、届けて、そして受け取ってもらうことが重要だと思っています。情報をばらまくのではなく、相手の顔が見えて、相手が必要としている情報を提供したいと考えています。」さらに津田さんは続ける。「情報を提供するタイミングは非常に重要です。同じ内容を伝えるにしても、良いタイミングで提供してこそ、相手に有効な情報として受け入れてもらえます。いつが良いタイミングなのか、それぞれの記者が何に興味を持っているか、それは、メディアとの間に地道に築いたリレーションの中で知ることができるのです。」

バーチャル記者クラブとは、広報とマスコミ記者とのリレーションを確立した上で、彼らのために、より便宜を図れるものに…という環境をイメージされているのではないだろうか。
ブロードバンド時代を本格的に迎えているインターネットのメリットと可能性をフル活用しながらも、フェース・ツー・フェースのリレーションを育てていくことは決しておろそかにしない。

「計画と言えるほど具体的ではなく、漠然としているんですが…」と前置きして、バーチャル記者クラブのイメージを語ってくださった津田さんのお話全体に、「誠実な」広報パーソンとしての偽らざる姿勢が感じられた。

津田正利 氏プロフィール

 

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1983年米国オハイオ大学 インダストリアル&システムズ・エンジニアリング修士課程修了後、富士通に入社。
約10年間、海外事業本部や海外営業本部にて、システムエンジニア業務、営業推進、マーケティングなどを担当し、システムエンジニア部門マネージャーとして富士通シンガポール駐在経験も持つ国際派。
1995年から富士通広報室にて、ソフトウェア、ハードウェア、通信から半導体まで全製品をカバー2000年広報室担当部長、2002年広報IR室担当部長を経て、2003年3月からニフティ広報室長。

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