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「放送メディア・番組のあり方をとことん考える」 GALAC(ぎゃらく)

公開日:2007年2月16日

 テレビは、企業の広報担当者にとって魅力的なメディアです。テレビの速報性や情報量は社会的影響力が大きく、販促活動や知名度アップに大きな効果を発揮します。
 反面、その影響力の大きさゆえに恐い存在でもあります。ネガティブなニュースを報道された企業は、信頼回復のためにたいへんな時間と労力を費やさなければなりません。また、こちらが視聴者に伝えたいことが、必ずしも映像化される保証はありません。
 しかし、視聴者とテレビの関係は変わろうとしています。多チャンネル化、放送局の不祥事による信頼感の失墜、さらにパソコンの普及でテレビCMの視聴時間が影響を受けているというデータもあります。
 そんなテレビの「いま」を知るための雑誌を紹介しましょう。放送評論家、メディア研究者による任意団体「放送批評懇談会」が発行する「GALAC(ぎゃらく)」です。編集部にうかがいました。

GALAC(ぎゃらく)

GALAC(ぎゃらく)
編集発行:放送批評懇談会
創刊:1997年5月
発売日:毎月6日
発行部数:4,000 部
所在地:東京都新宿区新宿5-10-14 中村ビル

21世紀の放送とは?を問う

 「GALAC」は新時代メディアを批評する雑誌として、さまざまなメディア研究者、ジャーナリスト、テレビ・ラジオ制作者、放送関係者、広告・企業関係者、さらに一般読者の幅広い参加を求めて、21世紀の放送とは何か、優れた番組ソフトとは何かを徹底的に考えていこう、という主旨で編集されています。

 コンテンツは放送についての批評、調査、研究活動や、放送への提言です。毎月の特集では、テレビ・新聞・雑誌などが扱いにくい放送界のホンネの話題を鋭く追及します。ギャラクシー賞の審査経過も掲載しています。ウェブ版を2002年に開設しました。会や雑誌のコンセプトの説明と、読者とのコミュニケーションが主な目的でしたが、購読申し込みが増えたのが嬉しい反応でしたね。内訳は地方在住の方、テレビ局の関係者、大学や研究機関などで放送について研究する識者や学生などです。

 多チャンネルやビデオ録画の普及などでテレビの視聴スタイルは確かに変化しています。しかし、昨年に限っていえば、多数の人が同時にテレビに向かう機会がありました。災害報道です。台風の後に、新潟中越震災が続いた。本来であれば、各局とも阪神淡路震災10周年の企画番組を予定していた時期ですが、現在起きている災害の報道がもちろん最優先です。しかも、10年前の報道から得た教訓や反省が活かされていなくては、報道機関としての説得力がありません。実は、私たちも台風23号の災害報道の特集を組んでいたのですが、急遽、新潟の報道をトップに「災害大国ニッポンを救え!」のタイトルで誌面を変更しました。かなりの反響があり、災害時に放送メディアが果たす役割の大きさを改めて実感しました。

テレビの見せ方、見られ方

 情報があふれている時代です。たまたまつけた番組が面白くなかったら、視聴者はすぐチャンネルを変えてしまいます。視聴者の情報リテラシー能力は高くなっており、必要か不要か、信用できる情報かを、ごく短時間で判断できるようになってきています。
 一例を紹介しますと、テレビのいわゆる通販番組は、インターネット通販の登場後、売上が振るいません。ところが、ラジオ通販が意外に伸びている。人気パーソナリティが番組の中で誉めると、放送後にその製品が売れるという傾向があるのです。紹介は音声だけ、映像もパソコンのように画面から支払いが出来るのでもない。これは、リスナーが「パーソナリティに直接話し掛けられている」と感じることが、信頼感に繋がるからだと考えられています。タレントがスタジオで説明するような出来合いの番組には、視聴者も飽きはじめているのではないでしょうか。

 編集の立場として、最近は読者層のパワーの強まりを感じています。特に、主婦層はすごい。番組を欠かさずチェックして、放送局へのレスポンスも速い。さらに、インターネットのコミュニティで番組批判を展開してしまう。熱心な視聴者であり、圧力団体に匹敵する存在といえるのではないでしょうか。一方で、放送局の姿勢はどうか。スポンサーも視聴者も重要な存在ですが、どちらを向いて作っているのか明確でない番組が増えた気がします。広告収入に頼らないはずのNHKで昨年発覚した不祥事は、視聴者軽視の批判は免れないでしょう。

 テレビ放送は、もはや少数の放送局や識者、中央の企業や官庁が独占するメディアではありません。デジタル放送化を前に、各局が自社のステーションカラーを出しながら、魅力的な番組制作で競争していくことを願います。「GALAC」の編集者として、また一人の視聴者として。

こちらIT広報室編集部から

 一読して、バラエティ豊かな記事の細かさと、鋭い視点に引き込まれました。ドラマ、娯楽番組、ニュース番組、ラジオまで、番組の質を問うメディアというのは、ありそうでなかなかありません。編集部と識者、そして視聴者のレビューがクロスオーバーする紙面から、放送を単なる消耗品ではない、文化産業として育てていこう、という誠意が伝わってきます。
 電波メディアでのPRを考える広報担当者には、格好の資料といえるでしょう。

放送批評懇談会について

 1963年(昭和38年)、「放送に関する批評活動を通じて、放送文化の振興を図り、放送の発展に寄与すること」を目的として、放送評論家、メディア研究者などが設立した任意団体。構成は放送評論家、メディア研究者、ジャーナリスト、放送局OB・OGの個人などを正会員に約200名。
 また、放送局をはじめ放送関係団体や企業に維持会員が100を超え、任意団体としては国内隋一の規模と伝統を持つ。
 主な活動は、「GALAC」の編集・発行と、「ギャラクシー賞」の選定・贈賞。ギャラクシー賞は、優秀番組・個人・団体を顕彰するもので、1963年に創設された伝統ある賞。テレビ、ラジオ、CM、報道活動の4部門制で、4月1日から翌年3月31日を年度としてそれぞれ大賞を贈るほか、優秀賞、選奨、奨励賞、特別賞、個人賞、DJパーソナリティ賞などがある。審査は放送批評懇談会会員から選ばれた選奨事業委員会が一貫して審査にあたり、賞の独立性を維持しているのが特徴。ほかにセミナー・シンポジウムを通年開催し、交流を図る。

放送批評懇談会 公式サイト WEB放送批評
URL http://www.houkon.jp/

■ 取材・原稿 : 富永 周也(News2u 広報アドバイザー)

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