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「全世界の「冒険」と「発見」を伝える」 ナショナル ジオグラフィック日本版

公開日:2007年2月16日

 映像メディア全盛の時代、一枚の写真にこだわり続ける雑誌があります。世界180ヵ国で1,050万部発行されている月刊誌「ナショナル ジオグラフィック」です。1888年に設立された世界最大級の科学・教育団体:米国ナショナル ジオグラフィック協会の会員誌で、各地の自然や文化遺産、風習などの貴重な記録となっています。黄色い縁取りの表紙は“ブライトリー・イエロー(輝ける黄色)”と呼ばれる、世界共通のデザイン。

日本版はナショナル ジオグラフィック協会と日経BP社の合弁会社:日経ナショナル ジオグラフィック社が1995年に創刊、予約購読制で13万人の読者を獲得しています。商業誌に比べて少々敷居の高いイメージがありますが、一般企業の広報部がアプローチしても大丈夫でしょうか?思い切って編集部に伺いました。

(談:ナショナル ジオグラフィック編集長 長坂 邦宏氏)


  
■ナショナル ジオグラフィック日本版
商 号
  株式会社 日経ナショナル ジオグラフィック
所 在 地
  東京都千代田区平河町2-7-6 (日経BP社新館3階)
設 立 日
  1994年9月
資 本 金
  10億円
代表者
  土谷 晃逸



“ブライトリー・イエロー”日本上陸
 ナショナル ジオグラフィック日本版は、英語版以外で初めて作られたナショナル ジオグラフィックの海外版です。アメリカの協会本部が日本を選択したのは、教育水準と経済水準の高さ、それに日経BP社の販売管理がしっかりしていたことが理由です。
創刊当初から“英語版と同じクオリティを維持する”ということが最大の課題でした。記事は85%がアメリカからの提供、15%が日本版のオリジナルです。読者層は30歳から40歳を中心に、昔から読みつづけている50歳以上の方も多いので、誌面の品質にはたいへん敏感です。
数年前までは本部からは色校正や翻訳はもちろん、写真とキャプションの数ミリのズレにまで修正が入りました、現在では業務は効率化されましたが、読者の要求レベルも高く、最大限に神経を使う仕事です。

それにしても米国版のスタッフの仕事ぶりは刺激的です。契約しているフォトグラファーは自分の腕で食べている超一流の人たちばかり。
初めての取材の後、ある写真家の第一声は「ゴミ箱はあるかい?」でした。気にいらないカットはどんどん捨てていき、用意したゴミ箱はポジフィルムでたちまち一杯。その中から数枚だけ厳選された写真は、スチール(静止)写真でありながら、被写体の動作や表情を力強く、美しく切り取った最高の一枚でした。
ひとつの特集を3年がかりで仕上げ、撮影したカットは45,000枚に上ったこともありましたね。ベテランのスタッフは「ナショナル ジオグラフィックに“予算”という概念はない」という言葉を誇りにしていました。今では本部のコスト意識も変わってきているということですが、写真の持つ力を実感し、誌面を通じ世に送り出す充実感は、編集者として光栄だと思っています。


もっと国内版としての魅力を
 本国版と遜色のない誌面を作ることも重要ですが、日本版としての価値を付加させなければなりません。私たちの企画力や取材力が問われるところですね。英語版の誌面との整合性を慎重に検討しながら新しい素材を探しています。自然や伝統・文化を取材対象とした場合、保護・保全といった視点にまとまりがちですが、私たちが追っているのは「新しさ」や「驚き」です。
2003年12月号の巻頭特集「武士道 その本質とは何か」は、国内外の視点から検証しました。映画「ラストサムライ」で話題性もあったと思いますが、日本人が知っていそうで意外と知らないテーマとして反響があり、現在もウェブ版で読者フォーラムが展開中です。ほかに、日本版編集部からは、グラビア印刷で写真の色の表現力と美しさを最大限に引き出したり、環境への配慮からホチキス止めを廃したりと工夫しています。


若い世代に伝えたい
 日本版の成功を実績に、現在では欧州各国、アジア、ロシアでも海外版が発行されています。現地発の記事が増えていくことで、ナショナル ジオグラフィックの誌面の多様性も高まっていくものと期待しています。
わたし個人は、もっと小中学生に手にとっていただきたいんです。難しそう、というイメージもあるようですが、誌面にはいつも新しい発見や知識を盛り込んでいます。彼らがいま自分たちが住んでいる世界の姿を知り、自分たちとの関わりを考えるテキストとして使ってもらえれば最高ですね。社会に新しい価値を創造していってくれるのは彼らの世代なのですから。


ナショナル ジオグラフィック編集部に読まれるプレスリリースとは
 非営利組織の会員誌で企画から編集、出版までのスパンが長いため、記事掲載を急ぐ広報案件とはマッチしないかもしれません。しかし、私たちは視点を“人間との関わり”に置いており、これは当然企業活動も含みます。路線バスの排ガスの新技術や、都内のある老舗メーカーが、社名に縁のある動物の保護に乗り出した、というような話題もキャッチしています。
写真主体の記事でいかせるような素材があれば、取材対象との可能性を検討させていただきます。編集部に資料をいただく場合はメールよりファクスが良いですね。日本版の内容を充実させられるような情報に期待しています。



“こちらIT広報室”編集部から
 日経BP社の「日経メカニカル」から記者生活をスタートさせた長坂編集長。
10行の記事を書くにも「なぜ?」と最低3回は自問し、悩む習慣をもっていたということで、小さな疑問をおろそかに出来ない気質が、妥協を許さない編集者としての下地を作ったのだと思わせます。一方で、小学生の読者からの「毎回楽しみにしています」という手紙をもらった、と嬉しそうに笑う表情は、大きな科学少年のようでした。




 ■ ナショナル ジオグラフィック日本版 ■
      URL http://nng.nikkeibp.co.jp/

■ 取材・原稿 : 富永 周也      
(News2u 広報アドバイザー)


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