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メディアは企業広報のココを見る

公開日:2007年2月16日

 当レポートではマスコミの記者の方々に「インターネット時代のメディア・リレーション」をテーマに、媒体の編集方針や取材の方法をうかがい、そこから効果的なプレスリリースの書き方を考えてきました。ところが先日、産業経済紙の記者から「投げ込み(リリース)は飽和状態。上手な書き方より上手な出し方を教えてあげてよ」と、苦言めいた意見を頂戴してしまいました。
「面識が無いのにエクスキューズもなしにリリースを送りつけてくるなんてビジネスマナー違反だ」。もっともなご意見ですが、さらに聞くと、記者がリリースから読み取るのは、ニュースそのものとは限らないことが判ってきます。

取材されたがる企業は多けれど・・・
 先のリリースの話は、企業の広報担当者が記者に直接出したのではなく、PR代理店を通し郵送したものでした。ところが記者はこの代理店の担当者を直接知らなかった(加えてとても忙しいとか、とても機嫌が悪かったという個人的な事情もあります)ため、リリースはゴミ箱へ直行してしまいました。フォローの雑なエージェントにあたった不運なこの企業は、おそらく東京都内の大手メディアにパイプを持たない地方にあるか、予算や人材、あるいは時間不足で良いエージェントと契約できなかったと考えられます。この記者は別に、一度も会ったことのない広報担当者から名指しで電話を受けたことがあります。「某社に関する署名記事を拝見したのですが、ついては同業である弊社に取材を・・・」という依頼でしたが、丁重にお断りしたということです。「どんな記事を書くかはこちらの判断、という基礎的なことを理解していないと感じた」ということです。意欲があっても、記者や編集者の仕事を理解していないと空回り、というケースです。
 ニュースがあってもアウトプットの仕方を誤れば、記者にとっては「広報力のない企業」とされ、記憶にも残りません。忘れてくれればまだ良い方で、次回のリリースを出しても「またこの会社か」とデスクのわきに追いやられてしまうでしょう。
 記事化されたかされないか、結果だけで見ると「広報力のない企業」と「広報活動を全くしない企業」は全く一緒、ということになってしまいます。非効率なメディア・リレーションは、情報の消費者である我々にとっても残念なことです。

ニュースリリースの読まれ方
 「情報提供の仕方で、その企業の組織が分かる」とは、全国に読者を持つ小売業の専門誌。「大まかには、広報がトップに直結しているのか、営業管轄なのか。これはリリース文のトーンで読み取れます。限られた時間で取材する側にとっては、相手の組織のどこに行けば知りたいことが聞けるのか、ある程度予測しておくことも重要です」。「ワンマン色が濃い広報なら、一足飛びにトップ会見を申し込んだ方がダイレクトな意見を拾えます。総務兼任なら組織の内情に通じており「落としがい」があります。営業管轄であれば社外に公表している情報を良く把握しているため、取材進行はスムーズなはず、という具合」。
 週間、月刊ペースの媒体は、リリースは全部読んでいるケースが少なくありません。日刊紙やテレビとは違うニュースソース、違う切り口、検証力が彼らの売りです。「当社への情報提供はあるクオリティを維持しており、マナー違反や悪文の類いは滅多にお目にかからない。でも、外見を繕うのは一番簡単ですからね」と、この編集者は言います。

マスコミに信頼される広報体制
 最近は、「マイカル」はじめ、大手の倒産が続き、各地の取材網だけでは足りず、編集幹部が地方に取材に出かけることもよくありましたが、ハプニングの連続だったということです。「教えられた広報担当者が、約束の時間に社内にいない。運良くいてもにわか陣営の『対策本部』でフォーメーションが全くなっていない」。編集サイドにはスケジュール制限があり、手ぶらで帰れば白紙の誌面が待っています。「広報業務をマスコミへの情報提供だけに限定してしまうと、こんなことが起きる。一重に、トップや経営陣に危機管理意識が欠落しているからです。我々が求めているのはニュースだけでなく、情報元との信頼関係です」。
 マスコミと信頼関係を構築できる企業広報について、編集者は次のように指摘します。「リスクマネジメントの概念があるか無いかで、企業の体質は大きく変わってくる。業績が好調なときでも、危機を想定することで『第三者の視点』で自社を見ることができる。『第三者の視点』が企業内にパブリシティーを育てる。これはメーカーや小売に限らず、どんな業種、規模の企業にもいえることでしょう」。リリース発表と同時に、企業のパブリシティーも問われることになります。企業広報の役割として、情報共有ができる「風通し」の良い組織づくりが強く求められています。

■ 取材・原稿 : 富永 周也      
(News2u 広報アドバイザー)

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