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広報におけるIT利用の可能性(3)

公開日:2007年2月23日

前回は報道機関とのオンラインによる報道イベント、取材対応の可能性について考えてみました。
今回は、広報部門の日常的な業務おけるIT利用について検討してみたいと思います。
■広報の日常業務
企業におけるコーポレート・コミュニケーション活動は、報道機関(メディア)に加え、地域コミュニティ、株主・投資家、政府・自治体、業界機関、従業員等の多彩なステークホルダーを対象にコミュニケーションを展開していくことです。
「広報」とは、コーポレート・コミュニケーションズの一分野をなしているわけですが、一般にはメディアのパブリシティ機能を対象としたコミュニケーション活動として理解されています。
広報は、多くの企業ではメディア対応の部門として組織的に位置づけられています。対メディア向けのコミュニケーションを中心業務とする広報部門をモデル化して考えてみると、日常的には以下のような項目に関わる業務を遂行していることがわかります。
 ・広報戦略・計画の立案・実行、予算計画の作成・管理
 ・他部門との協力促進、情報発信に関連した社内調整
 ・クリッピング(報道内容の社内への周知)
 ・社内情報の収集(パブリシティ素材の収集)
 ・社外に対する情報発信活動
 (記者会見、取材対応、ニュースリリース、Webサイト等)
 ・社内への情報発信活動
 (対外情報発信の報告、報道内容に対するコメント配布、社内報等)
 ・メディアとのリレーションの開発・維持・強化
 ・報道関係者リストの作成、メンテナンス、管理
広報部門の基本的な業務は、情報とコミュニケーションを中心に構成されていることがひじょうに大きな特徴です。
情報を収集し、加工し、管理し、さらに流通させるプロセスをコントロールして事業にプラスとなる付加価値を生み出していくことが広報の仕事の本質にあると思われます。
■ITを活用した業務の遂行
すなわち広報の業務における効率化はいろいろな情報の管理と伝達、価値の付与に関わるもので、この点にITの導入と活用が重要な根拠があります。
現在、多くの企業において情報ネットワーク(イントラネットやインターネット)を導入するとともに、パソコンを一人に1台貸与して業務を行っています。電子メール等による社内外とのコミュニケーション、日本語ワードプロセッサによる文書作成、スプレッドシートによる計画作成、データ管理、スケジュール管理ツールによるグループ構成員間のスケジュールの共有化等、ITの活用は業務の遂行と不可分となっており、現に社内ネットワークがトラブルによりダウンすると、業務そのものが停止してしまった経験をお持ちの方も多いと思われます。
情報の管理や伝達を中心とする知的な業務として広報をとらえるならば、広報業務はITへの依存度の度合いがひじょうに高く、ITが急速に発達した約30年間における仕事の仕方は劇的に変化したといえるでしょう。
■広報におけるこれからの業務革新
広報部門に限らずオフィスにはすでにグループウェアをはじめ多彩なITツールが導入され、それらの活用により日常的な広報の仕事の進め方はIT化とともに大きく変わってきました。広報における業務の生産性向上は、もはやこれ以上のものを望めないところまできているのでしょうか。
答は「ノー」です。ITは着実に発達し産業や社会に浸透し、企業のビジネス・モデルも確実に進化させています。
ITの発展は、「広報」の対象としてのメディア企業のビジネス・モデルや存立形態、影響度を大きく変容させていくでしょう。
そして、それにともない広報の手法、仕事の内容そのものにも大きな変化がもたらされるに違いありません。
それが2、3年先なのか、あるいは10年の時間が必要なのかはわかりませんが、業務の中心に情報とコミュニケーションがある広報の世界も、決して例外ではありえないでしょう。
さて、当面におけるIT活用の課題は何であるかについて最後に考えてみたいと思います。
広報の日常業務にパソコンが活用され、生産性は大きく向上してきました。しかし、これは広報に限らず、他の間接部門における業務も同様の一般的な傾向です。すなわち換言すれば、広報に固有な業務(たとえば、ニュースリリースの執筆から関係者によるレビュー、メディアへの発信に至る業務)を一連のプロセスとして考えた場合、このプロセス全体を支援するITの仕組みは未だ開発されたとはいえません。
日本語ワードプロセッサによる原稿執筆、電子メールへの添付によるレビューの依頼、ファックスや電子メールによるニュースリリース文書の送付など、汎用性の高いオフィス業務支援ツールの導入により過去と比べると大幅に業務は効率化されたとはいえ、一連のプロセスとしてみると、業務同士がシームレスに連携していないのが現在のレベルです。
より効果的な業務支援機能を実現するためには、広報部門における業務プロセスを分析しその流れを把握した上で総合的に支援するシステム環境の構築が必要です。
また、前回述べましたが、通信回線のブロードバンド化に対応する新しい広報の手法についても、効果的にサポートする機能をシステムに備えることも求められるでしょう。
本稿ではヒントを述べるに留まりますが、広報業務における本格的なIT活用はこのようなアプローチから実現すると考えています。
ITの発達は、蒸気機関の開発に始まる19世紀の産業革命を超える歴史的なパラダイムの変更を意味しています。
本格的なIT革命はまだ始まったばかりであり、21世紀のこれからは社会や文化、経済や産業にますます大きなインパクトを与えていくでしょう。
多くの広報パーソンは毎日のルーチンに追われ多忙な業務に埋没しがちです。しかし将来を見通す能力も日々求められる広報パーソンとして、新しい時代の到来と業務の進化について目を向けとり組んで行こうではありませんか。

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