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広報におけるIT利用の可能性(2)

公開日:2007年2月16日

前回は、過去の歴史をふりかえってITがどのように広報においても業務の効率化に貢献してきたかについて述べました。インターネットがブロードバンド化する時代を迎え、ニュースリリースにおいて新たな技術的革新が生まれる可能性についても触れています。今回は、ニュースリリース以外の手法におけるIT活用の可能性について述べたいと思います。
■代表的な広報手法としての記者会見/発表会
企業が重要なメッセージを戦略的に打ち出す代表的な手法は、記者発表会や記者会見の実施です。通常、企業は重要な発表案件のある場合、自社の会議室やホテル等に会場を設定し、報道関係者を集めた発表会、会見を開催します。
特に社長をはじめとして、会社を代表する関係者による発表は企業として社会に対する最高の意思表明であり、その内容がどれほど重要であるかを示しています。理解しやすいよう整理された発表内容、無駄なく計画された進行プログラム、質疑に対する的確な応答は、1時間に満たない短い時間でも効果的なパブリシティの獲得が可能です。
実施にあたって大きな問題となるのは、出席者のスケジュールの確保です。特に多忙を極める経営トップのスケジュールを広報担当者の希望どおりの日時を確保することは容易ではありません。
よほどの緊急事態にともなう会見であれば他のスケジュールをすべてキャンセルすることも可能でしょうが、通常の発表ではそこまでのプライオリティを得ることは困難であり、通常の発表に際しては、トップのスケジュール上の都合で日時が決定されることがよくあります。
スケジュール調整の問題は会見に出席する報道関係者にとっても同様であり、担当分野における貴重な会見であってもスケジュールがあわず出席を見合わせるケースも少なくありません。
時間的かつ空間的に制約されることなく会見や発表会に臨み取材できるのであれば、企業と報道関係者の双方にとって大きなプラスとなるでしょう。
■ITによる新手法の確立
最近では、企業の株主総会や決算説明会の様子をインターネットによるストリーミング配信により中継したり、株主総会を記録したビデオ・データのダウンロード配信を行い投資家の便宜をはかる先駆的な会社が登場しはじめました。
株主総会は平日に行われることが多く、仕事を持つ個人投資家は出席が難しいため、インターネットに接続されたパソコンから手軽に視聴できるインターネット総会は重宝がられるようです。
インターネットを利用した双方向機能を活用することにより議決権行使の投票も行うことができることから、あえて交通費と時間を費やして株主総会に出席する必要性も将来はかなり薄れることでしょう。
こうしたオンラインによるイベント公開はIR(投資家向け広報)の分野が先行していますが、インターネットのブロードバンド化を背景として広報の世界でも十分に応用が可能です。
報道関係者を対象とした記者会見、記者発表会についてもインターネットを介してオンライン中継を行ったり、あるいはその模様をダウンロード配信すれば、決められた時間に会場へ足を運ぶことなく、自由な時間に視聴し報道に活用することが可能となります。
システム的に音声の交換を行う機能がサポートできれば記者会見につきものの質疑応答も可能となります。
すでに、国土の広大な米国では証券アナリストやプレスを対象としたテレ・コンファレンス(電話会議)も活発に行われており、ITを活用した新しいコミュニケーションが展開されつつあります。
わが国においても報道イベントの実施にあたって会場費等にかなりの費用が発生することを考慮すると、ITを活用したオンライン発表会の実施にコストが障害となっているとは考えられず、むしろ広報にオンライン・イベントのノウハウが確立していないこと、技術的な準備作業に対応できるスタッフが広報部門に存在しないこと、また日常的な業務、メディア対応に追われ新しい手法の開発にとり組むことができないこと等が、新しいとり組みを妨げる要因かと思われます。
新しい手法を採用し効果を上げる先駆的な企業が登場すれば、他の企業も追随し一気にこの動向は広がっていくのではないでしょうか。
■ITを活用した取材対応の可能性
テレビCFでもすでにお馴染みとなっていますが、映像と音声を双方向に交換するテレビ電話を利用した英会話講習は実際にサービスとして提供されています。現状では、専用端末と電話回線を使用したシステムで行なわれているようです。カメラを接続したパソコンとブロードバンド・インターネットを専用ソフトウェアにより活用できれば、高価な専用端末を購入する必要もなくなることでしょう。
報道関係者の取材活動は多くの場合、取材先の企業を訪問し担当者と対話する面談取材が一般的ですが、テレビ電話的なシステムを利用できれば、時間と交通費をかけて企業を訪問することなく取材活動を行うことが可能となります。
広報の世界では電話取材という方法も一般的ですが、補助的な手法としての位置付けにとどまっています。
よほど急いで取材する必要がある場合に行われていますが、相手の顔を見て質疑応答ができないため不安感を持たざるを得ず、突っ込んだ取材を行うことが難しいといわれています。
その点、テレビ電話的な手段を利用することにより、信頼感をともなった取材が可能となるでしょう。高速なインターネットとパソコンを用いることにより、取材対応の効率化も十分に可能となるわけです。

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