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神谷町ではたらく広報マンの独白(7)インターネット時代における企業コミュニケーション

公開日:2007年10月16日

企業のコミュニケーション戦略を考える場合、もはやインターネットの存在を抜きに考えることはできないだろう。現代社会を支える通信インフラとして、その価値の否定はありえない。
インターネットが世界に登場したのは1994-95年頃だろうか。わずか12、13年前である。
「MOSAIC」と命名された「GUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)」が登場しその急速な発達が始まった。それ以前は、わが国では「JUNET」という名の下に学術的な利用が許されていたオープンなネットワークが、「インターネット」として商用化を通じ急速に普及することとなったのである。
その発展を背景に情報流通の重心が、それまでの電波や印刷媒体からメールやWebへと大きくシフトし始めてきた。Webの活用を振り返ってみると、1990年台の後半からいくつかのフェーズがあったように思われる。

■Web発達の3つのフェーズ

最初のフェーズは、インターネットの登場を基点とする1990年台の後半。
情報提供の新しい手法として、企業等の事業体が積極的に導入を進めWebサイトの導入が爆発的に増加した時期である。
この時期のサイトでは、企業概要や事業等のコンテンツが階層化され、サイトを通じて多様な情報の広範な提供が進められた。
企業が開設するサイトもメールやフォームの装備により、双方向性も付加されたWeb活用の黎明期といえよう。
2番目のフェーズは、サイトの高性能・高機能化がはかられ広範な利用が進んだ時期。2000年から2004年位までの時期だろうか。
たとえば、Webのバックにデータベースを置き、ユーザのリクエストに応じてデータを検索し、動的にページを構成できるようになった。
セキュリティも強化されるとともに、課金や会計処理、在庫等の基幹システムとの連携もはかられ、販売サイトとして企業等のビジネスモデルそのものを構築するケースも急増した。いわゆるネットベンチャーが一世を風靡し活躍した時代である。
3番目のフェーズは、ADSLや光ケーブルによる回線のブロードバンド化、パソコンをはじめとする情報機器の高性能化を背景としたコンテンツのリッチ化の時期で、2004年頃から本格化したといえよう。
単なるテキスト・データではなく、映像や音声、写真等のイメージ等の利用がインターネット上において一般的となった。映画や音楽、動画の流通がネットワーク上で極めて容易となり、映画や、アップル社のiPodが開いた音楽の配信をはじめとする新しいビジネスも花開いている。

■企業コミュニケーションとインターネット

さて、広報やIR、宣伝等の企業のコミュニケーション活動においては、インターネットの発達に基づくコミュニケーション環境の変化をどのように受け入れ、業務の中で活用していくべきなのだろうか。
特に、既存のメディアとの関係をどのように整理して利用していったらよいのかコミュニケーション関係者なら誰しもが考えることだろう。
従来、企業の広報や広告宣伝は、テレビ、新聞、雑誌等のメディアを利用する手法が極めて一般的であった。報道記事として掲載をはかる
パブリシティ、掲載枠を買い取る広告等、メディアを通じて読者にアプローチする広報や広告宣伝の手法の重要性は、現在でも多くの企業、とりわけ大企業にとっては基本的に変わっていない。
依然としてテレビや新聞・雑誌は、世論形成や販売促進に大きな影響力を持ち続けている。
しかし、インターネットに投下される広告宣伝費はすでにラジオに投下されるそれを上回り、来年には雑誌関係の広告宣伝費を越えるとも
言われている。
情報インフラとしてインターネットの普及は、その事業体から社会、ユーザへの直接的な情報の発信、そしてレスポンスの収集を可能とすることにより、”コミュニケーション”という表現にふさわしい双方向性を実現した。
今後は、その活用の拡大と高機能化が進めば進むほど、インターネット利用の重要性は高まっていくだろう。

■メディアとインターネットの共存にどう対応したらよいか?

現在は、メディアとインターネットが明らかに共存し双方が活用されている時代である。今の時点では、広報やPRといった企業のコミュニケーションに携わる立場において肝要と思われるのは、戦略や計画の基盤をメディア、インターネットのいずれか片方だけに置くことなく、双方の特性の連携を考慮しながら効果的な活用を実現することであるだろう。
プッシュ型の手法である広告等でターゲットのフックを図りながら、URLの掲載によりプル型のホームページにアクセスを誘導することは、その代表的な方法だ。
企業が厳しい市場競争を勝ち抜くには、SEOやSEMといったインターネットの効果的な利用に関する手法を研究、導入することは当然にも必要だろう。
また、企業の決算説明会の様子を動画で配信したり、商品や会社案内のようなプロモーション映像もストリーム配信やダウンロードにより提供することにより、PR効果を上げようとする試みもだいぶ以前から実施されてきた。
今後も双方向機能や、ブロードバンドを活用したPR手法が開発されていくだろう。
広報の立場からは、インターネット活用の動向を注意深く見守りながら既存のメディアとの補完を考慮し、したたかにその活用を模索することが企業コミュニケーションの担い手にとっての現在における基本的な立場と言えるのではないか。

神谷町の広報マン 愛称:マーベリック
外資系IT企業で広報マン17年、PR系企業におけるコンサルタント生活3年を経て、現在は神谷町にある金融会社にて広報を担当。広報マンとして20年余を過ごす。広報の仕事と、赤ワイン、クルマ、そして年に数回に過ごす軽井沢での静かな生活をこよなく愛する。独自の視点から広報を語り、広報の仕事に携わる後進の成長に貢献したいと考えている。


■神谷町ではたらく広報マンの独白

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