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神谷町ではたらく広報マンの独白(6)「PRプランナー」認定資格の持つ意味とは?

公開日:2007年8月31日

■「広報」に関するさまざまな定義

以前、このコラムでも、「広報」の定義は会社や事業体により千差万別であると書いた。私自身は、メディアに記事を書いていただく「パブリシティ」もしくは「メディア・リレーションズ」をいわゆる広報という認識を持っているのだが、人によっては「広告」や「イベント」、「IR」なども広報の定義に含めて理解している人もいる。
また、会社や業界によって広報に取り組むスタンスもかなり異なっているようだ。外資やIT系の会社では、マーケティングの一部として広報の機能を位置づけているところが多い。一方、金融業界などは、リスク管理的なスタンスで対応している会社が一般的だ。さらに、マーケティングに不慣れな日本の上場企業では、「広報」=「IR」として取り組んでいる会社も少なくないのである。最近では、CSRやブランド・マネジメントなども、広報の一環として位置づけている会社もある。
広報コンサルタントの経験からだが、そんな幅広い解釈のある広報の世界では、その企業等において広報がどのように位置付けられているか理解するところから、あらゆる取り組みを始める必要性を感じてしまう。
たとえば、広報の世界における教育・研修や採用についても同様である。広報機能の整った大企業ならば、配属された社員に広報部門の考えなり、ノウハウ、スキルを理解させ、身につけさせればよい。しかし、日本の企業社会全体をみると、「広報とはこういう仕事である」という標準は今でも存在せず、会社や広報関係者の固有の認識にもとづいて仕事が進められてきた。

■「PRプランナー」認定制度の発足と試験

そんな曖昧模糊とした広報の世界に基準を定め、携わる人材の育成や関連業界の発展に役立てようとする動きが出てきた。PR代理店やPR事業者、企業の広報部門の参加により構成されている業界団体「日本パブリックリレーションズ協会(以下、PR協会と略す)」が進めているのだが、「PRプランナー」認定制度の発足である。本制度は、企業等でPRに従事する人々、さらに将来PR関連の仕事を希望する人々の持つ広報に関する基本的な知識、実践的なスキルやノウハウを検定し、「PRプランナー」と「PRプランナー補」という2つの資格を認定しようとする試みである。
PR協会のホームページによると、9月に実施される一次試験では、「組織体経営と広報・PR活動に関する知識」、「コミュニケーションとコミュニケーション手段に関する知識」、「マーケティングと広報・PRに関する知識」等の分野に分けて広報の基本的知識が試される。各分野にはさらに細分化された項目があげられているが、広報全般に関する基本的な知識が問われるようだ。この一次試験に合格すると、「PRプランナー補」の資格が与えられる。
さらに、一次試験の合格者を対象とした11月の2次試験では、「CSR、IR、危機管理等、経営と広報・PRに関する知識」、「マーケティング及びブランド・マネジメントに関する知識」、「PR実務に関する知識」、「時事知識」と4つの科目において専門知識の試験が行われる。CSRやIR、ブランド、マーケティング、危機管理、 調査、効果測定など、広報の中でも発展的なかつ高度な領域における専門的知識が試されるようだ。一次から三次までの試験の中で、おそらくこの二次試験が最も難関になるだろう。
来年1月に予定されている三次試験は、「ニュースリリースの作成」、「広報・PR計画の立案作成」という2つの実務試験である。受験資格は、二次試験の合格者であることと、広報の業務経験が3年以上となっており、実務経験をチェックすることが目的の試験だろう。PR会社や企業において、実務に通じた経験者であれば、それほど通過が困難ではないように思われる。

■認定資格制定の意味は?

広報の世界で知識や技能を総合的に評価しようというわが国初の試みであり、果たして「PRプランナー」認定資格の合格率がどの程度になるかはわからない。ただ、広報の仕事に関する私自身の経験からみると、試験が対象とする内容は広報の仕事を幅広くカバーするようにみることができる。今後、この資格認定制度が定着し、広報という専門的な世界における就職や人材の評価の基準となることは、米国に比べ立ち遅れているわが国の広報の世界に有用と思われる。
実は、私もこの試験に挑戦する予定である。試験の定員は、東京500名、大阪50名。6月1日に募集が開始され、私は6月10日頃に申し込んだのだが、すでに応募者が定員を超えており、けっこう評判は高いようである。
キャンセル待ちをして、ようやく受験が可能になった。広報の経験はそれなりに長く企業広報の現場で叩きあげたのが私のキャリアだが、大学等で系統的に広報・PRを勉強したことはない。自分の知識やスキル、実務経験の評価がどの程度のものか、受験にあたり期待と不安が交錯している。

神谷町の広報マン 愛称:マーベリック
外資系IT企業で広報マン17年、PR系企業におけるコンサルタント生活3年を経て、現在は神谷町にある金融会社にて広報を担当。広報マンとして20年余を過ごす。広報の仕事と、赤ワイン、クルマ、そして年に数回に過ごす軽井沢での静かな生活をこよなく愛する。独自の視点から広報を語り、広報の仕事に携わる後進の成長に貢献したいと考えている。


■神谷町ではたらく広報マンの独白

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