広報・マーケティング担当者のための
ネット上の情報発信・情報流通を支援するネットPR.JP

【第5回】オウンドメディアを活用したSEO強化

公開日:2014年1月21日

効果が実証された事例

オウンドメディアという言葉は新しいかもしれませんが、筆者は6、7年前からこの試みを実践していました。また北米やヨーロッパでは、大手企業から中小企業までブログマーケティングが盛んに行われ、そのアプローチはいまも綿々と続いています。現在コンテンツにブログという名称はなくなっていたとしても、URLにはblogという痕跡が残っています。北米やヨーロッパにおいては、このような潜在層へのコミュニケーションを実現するオウンドメディアは枚挙に暇がありません。
しかし日本ではブログは一時的な流行に終わりました。ブログをもつということは、北米では情報発信力があると評価されます。逆にブログをもっていないと情報発信力がないと軽んじられる傾向にあります。しかし日本では、日記帳の語り口ばかりが模倣され、ユーザーのニーズや知りたい情報にあまりフォーカスされることがなかったようです。その後バズマーケティングやソーシャルメディアの誕生とともにブログの流行は、実質的な情報発信とは関係なく終焉を迎えることになりました。
ブログという歴史を考えると、オウンドメディアというアプローチは、そんなに新しい試みではないということです。日本でのWebマ-ケティングは、表層的に流行を追いかける風潮が強いため、残念ながらいままで情報発信という部分に注力する機運が生まれてこなかったわけです。

少しでも具体的にイメージできるように筆者が最初にオウンドメディアを成功させた事例を紹介しましょう。6,7年前のことですが、クライアントからあるB2Bの商材のSEOを頼まれたのですが、該当商品の現状のコンテンツを見たところ、大手企業であるクライアントの巨大なサイトのなかで、この商材のコンテンツは、ほんの2,3ページしかありませんでした。2,3ページに対してSEOをかけても多くは望めないので、情報サイトを別のドメインでコンテンツを展開したほうが良いのではないかと考え直しました。国内を調べたところ、該当商品ジャンルに関連する情報サイトはありませんでした。海外にも目を向けてみましたが、やはり同じように情報サイトは存在していませんでした。まだ誰も気づいていないということは、独立した情報サイトで良質なコンテンツを提供していければ、大きなチャンスにつながるのではないかと考えたのです。該当するジャンルにおいて世界一詳しい情報サイトを構築しませんかとクライアントに提案したところ、幸運にも予算がつくことになりました。またクライアント側に動画などのコンテンツがあったので積極的にそれらの情報も掲載することにしました。当時はまだYouTubeを積極的にマーケティングに組み込むことが少なかった時代です。

そうして構築したサイトは驚くべき効果を示すようになりました。基本的な内部施策のSEOしか対応していませんでしたが、業界内において重要な2つのキーワードでGoogle、Yahooともに1位になり、大きく集客力を伸ばすことになりました。それに伴い電話の問合せなどのリード獲得数は、サイト構築前と比べ8倍にも増えることになりました。更に予想していなかったことでしたが、サイト内で詳しく情報を掲載していたためか、問い合わせの多くは、価格の確認などの冷やかしに近い問合せではなく、導入を検討しているうえでの積極的な問い合わせが多くなりました。この結果により筆者は、「良質なコンテンツはビジネスに直結する」ということを確信することができたわけです。

オウンドメディアによる成功の鍵は、長い目。

ここまでオウンドメディアのポテンシャルについて詳しく述べてきましたが、このオウンドメディアという戦略、アプローチを成功させるには、少々忍耐力を必要とします。前述した筆者の6,7年前の成功事例は、サイト公開後、2,3ヶ月で大きな結果を生むことができましたが、いまはGoogleのアルゴリズムも、性急に新しいサイトの評価しようとはしません。4半期や半年ぐらいの短いスパンで結果を求めても効果は少ないでしょう。やはり1年、2年というロングスパンで考えることが求められます。しっかりと良質なコンテンツを定期的に提供していけば、1年を越えたところから集客が大きく伸び始めるケースが多いようです。筆者が担当した事例でも最初の1年はなかなか集客数が伸びなかったのですが、1年を越えると大きく集客が伸びるようになりました。現在は2年を経過しGoogleのページランクも5となり大きく成長しています。

こういう状況を考慮すると、オウンドメディアというアプローチは、やはり長期戦略のなかに組み込むべき施策だと言えます。より広範に潜在ユーザーの獲得を狙いたい場合や、自ら外部リンクを生成しマネージするようなSEOのスキームづくりに価値を見いだせるのであれば、長期的な計画に積極的に組み込むことをお勧めしたいと思います。

最後に。

オウンドメディアについては、これまでSEOの観点からあまり述べられることがなかったので、オウンドメディアが外部リンク対策にもなること、潜在層が検索する多様なキーワードに対してSEOが可能になること、またそれ以上に潜在ユーザーを獲得することにおいて有効な手段であることを説明してきました。

SEOのコラムは今回が最終回となりますが、このコラムを通じて読者の皆様に最も伝えたかったことは、SEOは新しい時代を迎えたということです。この数年のパンダアップデートやペンギンアップデート以降、大きくルールは変わり、SEOのレースは新しい局面を向かえました。コンテンツ強化による新しいSEOの時代に入ったと言えるでしょう。そして何よりもコンテンツ力とSEOは密接に結びついており、そのマーケティング効果は計り知れないということを認識してほしいと考えます。
今回のコラム以外に、SEO関連の4つの記事がありますので、もし興味のある方はご覧いただければと思います。少しでも読者の皆様の刺激になり新しいSEOのレースの端緒となれば幸いです。


寄稿者紹介

fusesan2
布施 譲(ふせ じょう)

株式会社インプレシオン代表取締役
SEOサービス http://impresion.co.jp/landing/seo.html
オウンドメディア構築運用サービス
http://impresion.co.jp/landing/ownedmedia.html

出版社やゲーム会社にて、4P戦略や施策など営業から戦略まで一貫したマーケティングや経営の実践を学んだあと、2002年よりWebへ転向。

SEOやリスティング広告のコンサルティングを経て、現在は主に上流のマーケティング戦略やブランディング、コミュニケーションについてのプランニング・コンサルティングを行っている。
また編集や映像、グラフィックデザイン、Webデザインなどクリエイティブ制作にも力を入れている。

実践力のある活きたプランニング、ユーザーに刺さるコミュニケーション(クリエイティブ)によりクライアントのビジネスを変革することをがモットー。

1 2

Follow us!

ネットPR.JP 記事カテゴリー

ネットPR.JP 記事年別アーカイブ

ネットPR.JP 最新記事

ネットPR.JP 記事カテゴリー

ネットPR.JP 記事年別アーカイブ