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オウンドメディアやSNSを活用したネットPRで企業は何をどう伝えればいい?話題を体系的に組み立てている株式会社TOLOTのノウハウを取材しました

公開日:2016年6月8日 | 最終更新日:2016年6月30日

eyecatch

少し前に、「2016年のネットPRで押さえておきたい3つのポイント」の記事で、「PESO」というキーワードを紹介して、ペイドメディア、アーンドメディア、ソーシャルメディア、オウンドメディアを活用した多角的な情報発信が重要であるとお伝えしました。

でも複数のメディアを管理・運営するのは大変で、「どれかがつい疎かになってしまう」、または「ネットPRを始めたいが何から手をつけていいかわからない」という声が多く寄せられてもいます。

そこで今回は、ニュースリリース、Twitter、Facebook、Instagram、ブログメディアなど、いくつものメディアを使って円滑に情報発信を行っている株式会社TOLOTのPR・マーケティングご担当者様に、どのようにネットPR活動に取り組んでいるのかを伺いました。

TOLOTサービス画像

スマートフォンアプリで簡単にオリジナルフォトブックが作成できるTOLOT

お話を伺った方
田崎 豪介氏 株式会社TOLOT セールスプロモーション

ワンソース・マルチユースで、メディアごとに情報量と表現を変えて発信

──多角的な情報発信を行おうと思っても、複数のメディアをなかなか使いこなせないと感じているPR担当者が多い中で、TOLOTではどのようにメディアを使い分けているのでしょうか?

田崎(以下、敬称略):今、企業がパブリックリレーションズやマーケティングで活用できるメディアが多数ある中で、重要なのは、伝える情報に関して「誰に向けて」「何を伝えるのか」をきちんと意識的に組み立て、それを各メディアの特性に応じて割り振っていく包括的な視点だと思います。

当社では、メディアごとに別々に運用するのではなく、ワンソース・マルチユースの考え方で、例えば情報のボリュームを分けて発信しています。具体的には、ブログの情報を100%だとすると、お客様にお送りするニュースレターはそのうちの30%ぐらいのサマリーを記して、ソーシャルメディアではフックになる10%だけをお伝えする。コンテンツの構成もそれを前提に作ります。

各メディアの特性については大まかに、ブログは自分たちの伝えたいことが、演出も含めて100%表現できる場所で、ニュースリリースは、演出要素を省いた最もプレーンで純度の高い情報。ソーシャルメディアは、Twitterは140文字という制限の中できちんと言葉が立っていることが重要で、Facebookは画像とテキストのバランスが大事、Instagramは写真の質と捉えています。

またInstagramに関しては、当社からの情報発信だけでなく、たくさんのユーザーの方々が「#TOLOT」のハッシュタグで自作のフォトブックの写真を投稿してくださっていて、それが最も訴求力の高い情報になっています。非常にありがたいことだと思っています。

TOLOT様が運営するオウンドメディア・ソーシャルメディア

スタッフ全員がすべてのメディアに携わり、効果測定を共有

──スタッフ何人ぐらいで運用しているのでしょうか?

田崎:6人です。男女はちょうど半々ぐらい。ソーシャルメディア担当やニュースリリース担当というふうにメディア別に役割分担しているのではなく、コンテンツごとに責任者を決めて、ブログ記事の執筆からソーシャルメディアでの情報発信まで全体的にコーディネートするようにしています。

というのも、メディア別に担当を割り振ると、例えばFacebook担当者はFacebookのことしか考えなくなってしまう。

責任者がまずやることは、伝えたい情報を、コンテンツとして成立させ、伝えたい人に届ける最適な手段を考えること。大まかな内容は全員で練りますが、具体化な作業は、ほぼ一人で行います。

ネットのメディアは情報発信の結果がすべて数字で見えるので、各自が仮説を立てて試した結果は必ずグループ内で共有するようにしています。その過程は社内ナレッジを高めるために非常に重要で、これをくり返すことでPDCAが機能します。

大事なのは文脈とその組み立て方

──一人一人が全体を見られるような仕事の配分にして、なおかつフィードバックを必ずみんなで共有しているんですね。

田崎:情報を届けるためには、当然いろいろなメディアのことを知っていなければなりませんが、メディアをめぐる状況は数年のスパンで激変していて、個々のメディアを深く研究しても2、3年後には何の役にも立たなくなってしまう可能性がある。

ですから、伝えたい情報を対象の文脈に合わせて体系的に導き出し、それをコンテンツにできる能力があれば、FacebookやTwitterなどに変わる新たなメディアが出てきた際も対応することが可能になります。

ターゲットごとに「主語」と「結論」を設定

──重要なのは、発信する情報の組み立て方。一体どのように組み立てているのでしょうか。

田崎:例えば、ターゲットによって「主語」と「結論」が異なるという原理原則が、まずはあると考えています。すでにTOLOTの会員になっていただいているお客様にお伝えする情報の主語は「TOLOT」でかまいませんが、競合他社を含めて情報を求めている方にとっての主語は市場をさす「フォトブック」になります。

さらに、フォトブックサービスを知らない潜在層に向けた情報では、主語は「TOLOT」でも「フォトブック」でもなく、その人たちの生活シーンの中にある“何か”になって、結論としてフォトブックというサービスに関心が湧くような話題が提供できればいいと思っています。

情報発信するコンテンツの考え方(TOLOT様ご提供資料)

情報発信するコンテンツの考え方(TOLOT様ご提供資料)

印象に残してほしい象徴的なキーワードを定める

──誰に伝えるか? によって「主語」と「結論」を明確に分けているんですね。

田崎:サービス側の都合としては「自分たちのお客様になってほしい」「買ってほしい」という結論にすぐ飛びついてしまいがちですが、長期的に段階を踏んで最終的なゴールに至っていただくことも戦略的に必要です。

コンテンツの目的設定も低くなることで営業的な影響も低くなりますが、その代わり主語の対象が増えれば多数の人と接点を設けることが可能になります。ソーシャルメディアはそれを自分たちでコントロールできることが最大の魅力です。

また、情報は必ずしも「TOLOT」というサービス名を覚えてもらう必要はないと考えます。

例えば外食するとき、よく行くお店でも店名を覚えていないことって多いんですよ。けれど、人を食事に誘うときに「あのハンバーグのお店に行こうよ」と言うだけでお互い把握できることもある。名称を知らなくても、自社のサービスを象徴するキーワードを2つか3つ覚えてもらえば、検索でかなりの確度でたどり着いてもらえる。

ですからコンテンツを作るときは、カギとなるワードをいくつか定めて、文章を書くときもほぼすべての単語に対して定義が適正か検討しています。実際、弊社サイトの検索流入キーワードで「500円」「スケジュール帳」「アルバム」などサービス名やフォトブック以外のワードが上位にいます。

情報の受け手との距離感や関係の深さを見極める

──カギとなるワードを定めて、道順にビスケットの欠片を撒くみたいに段階的に情報発信を重ねているんですね。

田崎:情報発信の対象を「潜在的な顧客」「顧客」「ロイヤルカスタマー」に分けて考えると、対象によって有益な情報は異なります。対象人数は「潜在的な顧客」が最も多く、必然的に主語はサービス名とはかけ離れていきます。

反対に「ロイヤルカスタマー」の方々に向けた情報の主語はサービスと直結したワードになります。そのように、情報の受け手にとって「有益な情報とは何か?」ということを、顧客ステータスを軸にしたマトリックスを作ってコンテンツを企画しています。

会員数100万人を超えたら情報発信に変化が必要に

──かなりシステマチックに情報の組み立てを行っているんですね。

田崎:当社のサービスも、おかげさまで会員が200万人を超えました。サービスの黎明期は、とにかく一人でも多くの方に知っていただくことが目的で、情報発信もシンプルだったのですが、会員数が100万人を超えたあたりから新規のお客様を増やすための話題だけでなく、既存のお客さまとのエンゲージメントを高めることも重要になってきました。そのあたりから、体系的に考える必要性が出てきたんです。

有益な情報を定義していくと、サービス以外の情報も必然的にコンテンツになっていきます。私たちのサービスはスマートフォンを使ったサービスで、なおかつ写真が必要なので、スマートフォンの操作でわからないことがある人に向けたお役立ち情報や、写真の撮り方に悩んでいる人に向けてのハウツー情報などがそれに当たります。

赤ちゃんをかわいく撮るための「10の基本」画像

赤ちゃんの写真のかわいさをもっと引き出せる!スマホで撮影「10の基本」撮影編など、ハウツー情報を発信している

新規開拓は伝える相手の日常の関心事を基点に話題を提供

また、新規のお客様を増やすための情報発信では、サービスが直接的にもたらす価値だけでなく、間接的な付加価値を伝えていかなければと思っています。

コミュニケーションツールとして語るのであれば、お母さんがお孫さんの写真をフォトブックにしてプレゼントすることでお姑さんとの関係構築にもなりえます。それがプリントせずとも見られる写真をあえて形にする目的になると考えます。

──先ほど、ターゲットによって「主語」と「結論」が異なるというお話で、潜在的なお客様に向けては「その人たちの生活シーンの中にある“何か”」が主語になると言っていたのは、具体的にはそういうことなのですね。

フォトブックサービスの機能強化と情報発信の相乗効果

田崎:そうです。その延長で主語をコンテンツだけでなく、サービスとして提供することもあります。今年の2月からスタートした、赤ちゃんの成長を月齢ごとに記録できる「マンスリーベビーアルバム」です。おかげさまで、これが非常に大きな反響をいただいたのですが、それだけでなく、これによって「成長記録」というワードでマーケティングができるようになったのが非常に意味のあることだと思っています。フォトブック以外でTOLOTのサービスを知っていただく入り口になりますし、提供できる情報の幅が広がってきました。

マンスリーベビーアルバム画像

赤ちゃんの成長を月齢ごとに記録できるマンスリーベビーアルバム

──情報発信とサービスの企画がそのような相乗効果を生んでいるんですね。このたびはいろいろと貴重なお話をいただき、ありがとうございました。

お話いただいたポイントをまとめると、

  1. まずは「誰に、何を伝えるか」を、情報の「主語」と「結論」を定めてしっかり組み立てる
  2. それをブログ記事やニュースリリースの文章にする
  3. 情報をもとにマルチユースでメルマガやFacebook、Twitterに活用する

という手順でネットPRを行うと良いようです。

さらに、まだ接点がない潜在的なお客様に向けた情報発信では、主語は「その人の生活の中にある“何か”(興味関心があること)」とし、結論は自社の製品・サービスを含む市場の有益性に導く。受け手に覚えてもらいたい象徴的なワードを2つか3つ設定する、というようにシステマチックにトピックを組み立てる方法も参考になります。

というより参考にしたいお話が満載すぎて、上のように簡単にまとめてしまうのはもったいないほどです。時間を置いて何度か読み返し、じっくり吸収していきたいと思いました。

以上、みなさまのネットPRにもお役立ていただけると幸いです。

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