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広報部が軸になり、前例にとらわれず挑戦を続ける 情報発信とは~近畿大学のオウンドメディア活用インタビュー~(後編)

公開日:2015年1月13日

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※前編 近畿大学様の「知名度向上に寄与した広報活動」については、こちらから!

ニュースリリースのネタを効果的に集める「ボトムアップ型」の体制

――「News2uリリース」をご活用いただいている企業・団体の中でも近畿大学様は配信件数が多く、特に掲載内容は大学だけではなく短大や幼稚園などかなり広範囲にわたっています。リリース案件はどのように収集されているのでしょうか?

情報収集の方法については、学校法人として所管するすべての部署に広報担当を設け、全体の情報を広報部へ集約する仕組みを作っています。近畿大学には、総務部や広報部など本部機能のある東大阪キャンパスを中心に、和歌山や広島、福岡、奈良といった各地域に複数の学部や附属校、病院があり、そのすべてに広報の担当者を置いています。

担当者の本来の職務は学部や病院の事務、経理などさまざまですが、広報担当としての視点も持ちながら、外部へ発信すべき情報を随時広報部へ上げてもらっています。

――収集したリリース案件については、定期的に会議などで検討されているのですか?

広報担当者は通常業務と並行しながらリリース案件の収集や選別を行わなくてはいけないので、必ずしも時間的な余裕を持って上がってくるとは限りません。そのため会議などは特に設けず、情報が届いた時点で広報部内の担当者を決め、個別にやり取りを行うという形をとっています。ニュースリリースだと、ギリギリに上がってきた鮮度の高い情報もすぐに出せるので便利ですね。

集まってくるリリース案件はかなりの数になります。2013年は1年間に233本、うちNews2uリリースで配信した数は126本になります。また2014年はその数を大きく上回り、11月末時点で約250本のニュースリリースを配信しています。ニュースリリース以外にも近畿大学のWebサイトやTwitterに掲載するだけの情報もあるため、総数で言うとニュースリリースの2~3倍の情報量があるでしょう。情報は出さないと意味がないので、何らかの形でほぼすべて発信していくようにしています。

――例えば「今年はこういう系統の情報を出していこう」など、情報発信のテーマは決めていますか?

2014年度というよりも当初からですが、学術的な情報は積極的に発信していくという方針をとっています。近畿大学は特許の件数や外部資金の獲得、論文の対外的な引用数などを見ても、関西ではトップクラスであると自負しています。また、学部の半数が理系ということもあり、新しい研究に取り組む先生方も数多くいらっしゃいます。そのため大学のブランディングという意味も含めて、研究ネタなどは極力外へ出すようにしています。

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学校法人近畿大学 角野 昌之様(左)、弊社インタビューアー朝火 英樹(右)

独自性を出せる広告にリソースを集中させ、効果的なPRを実現する

――広報系の取材のみではなく、マーケティングやプロモーション関係からも取材・問い合わせなども結構増えているのでは?

はい。マーケティング大賞やベスト・プロデュース賞など各方面でさまざまな賞もいただきましたし、他大学からの問い合わせや講演依頼も増えています。大学の宣伝や広報というのは、どうしても一般の企業と比べて遅れている部分がある。その分、我々の取り組みもより画期的なイメージで受け取られているのではないでしょうか。

例えば、毎年正月に出している新聞の元旦広告には3年続けて「近大マグロ」の写真をメインで使っています。普通は「(水産学科のある)農学部だけのPRになってしまう」と躊躇するところですが、我々としてはひと目見て近畿大学だとわかることが大前提です。

また、複数の大学が横並びで掲載されるような、いわゆる連合広告には一切出稿していません。なぜなら、我々のような総合大学は大学名や学部・学科名を列挙するだけで掲載スペースが埋まってしまい、本当に伝えたいことが伝えられないからです。そのため「近大エコ出願」の広告として作成した巨大な駅貼りポスターのように、伝えたいことをしっかり出せる形での広告に予算を集中させています。

――やはり、情報の発信元が統一されているとシンプルでいいですね。企業では宣伝部と広報部がわかれていることが多いので。

そうですね。また、このように思い切った宣伝・広報活動ができるのは、広報部に任せてもらえる環境があることも大きいと思っています。普通の大学だと、事務部などが出した広告案は教員による広報委員会等で審議されることが一般的ですが、近畿大学の場合は決裁や承認などの事務的な手続きこそあれ、情報発信については基本的に広報部へ一任されています。

インナーとアウター、すべてのコミュニケーションにニュースリリースを活用

――広報部内に、プリントアウトしたニュースリリースが貼り出されているのを拝見しました。部内の情報共有にもニュースリリースを活用されているのですか?

ニュースリリース自体はメールで共有していますが、取材依頼や問い合わせに即応できるよう、最近のものは貼り出すようにしています。例えば、記者の方を集める会見の場合は、該当するニュースリリースの下に出席名簿を付け、出席の連絡があった際にすぐ記入できるようにしています。

また、地方キャンパスにいる各広報担当者とも配信したニュースリリースは随時共有していますし、学生・生徒たちに自学のことを知ってもらうため、学校内の掲示板への掲示もお願いしています。難しい資料などとは違い、ニュースリリースなら読みやすく写真も載っているため、学生たちにもわかりやすく伝えることができます。このように、全学的な情報共有にもニュースリリースを活用しています。

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壁に貼られているのは直近で配信したリリース

―――前編で「外部向けの情報発信には、ほぼすべてニュースリリースを活用している」というお話がありましたが、そこにはプレスリリースも含まれますか?

はい。基本的に、外部へ発信する情報はすべてニュースリリースとして作成しています。それをプレスリリースやインナー向けの情報共有ツールとしても活用しているという形ですね。

ニュースリリースを見た記者の方から取材を申し込まれることもよくあります。「近大マグロ」を使った料理を提供する近畿大学水産研究所をオープンした時などは、ニュース・情報番組やグルメ雑誌まで取材していただきました。
現在は大阪・梅田と東京・銀座に出店していますが、全国的な情報拡散や話題化などは東京の店舗(拠点)からの発信とWebで可能なので、情報発信という意味ではこの2店舗で十分だと思っています。

――これから挑戦していきたいことや、予定されている計画などがあればお聞かせください。

近畿大学では、2016年4月に「外国語・国際系学部(名称未定)」という新しい学部を開設 します。その学部では基本的に英語で授業を行う方針なので、留学生の受け入れも今後増えていくと考えられます。そこで広報部としても2016年の学部新設に向けて、英語Webサイトやパンフレットの充実を進めていく予定です。

また、ニュースリリースについても英文化し、海外向けに配信していきたいと考えています。本学には世界的な研究に取り組む先生方も多くいらっしゃるので、そうした情報は英文のニュースリリースを作成して海外メディアにも積極的に配信していく。グローバル化という大学の動きを意識した広報体制を、いまのうちから確立していく必要があると思っています。


▼近畿大学東大阪キャンパス整備計画「超近大プロジェクト」
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■インタビューを終えて(朝火)
今回、近畿大学様にメディア戦略の考え方や、推進体制について伺うことができました。
リリース案件を関係部門から集約するルール作り、そして、案件を整理するとともに「なるべく多くの案件をWebに発信して情報の拡散を期待する」という方針があり、また、その結果を随時分析されており、興味深くお話を伺うことができました。
お話を伺っていて感じたことは、近畿大学様の強みは「広報と宣伝広告」の両業務が統合され、情報発信に関するメディア戦略や宣伝広告のメッセージ・クリエイティブなど情報発信に関するすべてが「広報部」に集約されていることだと感じました。
広報活動の一部としてネットPRやソーシャルメディアなどWebを活用した情報発信と、近畿大学様の強みをメッセージ・クリエイティブでわかりやすく表現して打ち出す宣伝広告の両方を統合して推進している広報部の活動は、他の企業のお手本になります。角野様、ありがとうございました。


<今回お話いただいたのは…>
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角野 昌之(カクノ マサユキ)
学校法人近畿大学 広報部 次長

大学卒業後、1986年に学校法人近畿大学へ奉職。
以降、通信教育部、入学センター、総務部を経て、2013年から広報部、通信教育部にて学生募集広告を担当。総務部ではWebサイトをはじめ、学園全体の広報業務に携わる。

<インタビュアー紹介>
asahi
朝火 英樹(アサヒ ヒデキ)
株式会社ニューズ・ツー・ユー マーケティングコミュニケーション部 マネージャー

NEC、ソフトバンクモバイルを経て、2014年9月ニューズ・ツー・ユーに参画。
事業主側でWebマーケティングを推進してきた経験を活かし、現在、ニューズ・ツー・ユーにてネットPR(News2uリリース)を軸としたオウンドメディアによるマーケティング コミュニケーションの仕組みづくりを推進中。

>>前編「知名度向上に寄与した広報活動」について

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