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広報部が軸になり、前例にとらわれず挑戦を続ける 情報発信とは~近畿大学のオウンドメディア活用インタビュー~(前編)

公開日:2015年1月6日 | 最終更新日:2015年1月13日

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世界初のクロマグロ完全養殖「近大マグロ」や、日本の大学で初となる完全ネット化された「エコ出願」をはじめ、数々の先進的な取り組みで各方面から注目を集める学校法人近畿大学様。
さらに2014年度は、数ある人気校を抑え、大学一般入試の志願者数で日本一を達成したニュースが大きな話題となっています。その快挙につながったのは、大学の魅力を最大限に引き出す積極的なメディア戦略でした。広報部の角野昌之氏によると、特にWebにおける情報拡散や話題化にはニュースリリースが大きく貢献しているとのこと。そこで今回は、ニュースリリースを活用した近畿大学様のネットPRの活用ノウハウについて、お話をお伺いしました。

宣伝・広報業務を一元化することで、情報発信に一貫性を持たせる

――近畿大学における広報部の役割についてお聞かせください。

我々広報部はメディアリレーションや学内広報なども含め、宣伝・広報業務を統合した組織として活動しています。以前は、主に学生募集を行う「入試広報課」と、大学の広報を行う「広報課」が別々に活動していたのですが、2013年の春、学校法人として一貫した情報を発信していくという目的から2つの課が統合され、「広報部」という新たな体制ができました。

業務領域としては、ニュースリリースの配信やメディア対応などの広報業務、マス広告を含めた各種宣伝広告の企画・制作・媒体管理といった宣伝広告業務まで、学校法人全体の情報発信を担っています。特にニュースリリースに関しては、広報課の頃からネットPRサービス「News2uリリース」 を導入しており、現在は外部に向けた情報発信のほぼすべてを「News2uリリース」を使って配信しています。

――ニュースリリースでは、完全ネット化で話題の「近大エコ出願」や教科書販売におけるアマゾンジャパンとの連携など、画期的なサービスの情報を多彩に発信されています。

「近大エコ出願」のWebサイトは、質問に答えていくだけで願書を作成できるウィザード方式を採用しており、紙の願書に比べて簡単に出願できるのが特徴です。また、本学では学生のスマートフォン所有率が97%と非常に高いのですが、こうした若い世代のインターネット環境にも配慮してレスポンシブデザインを採用したサイト作りにしています。

ただし、レスポンシブデザインにすると制約も多くなってくるため、それが一概に良いとは言えません。本当は、PCでもスマートフォンでも見やすく利用しやすいサイトというのが一番理想的だと感じています。

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――アマゾンとの連携についても、学生の利便性を改革していくというイメージがあります。しかし、教科書販売に関しては既存の流通システムなどの面で障壁が高いと思うのですが。

確かに、大学としては思い切った試みだとは思いますが、学生に対するサービスを第一に考えた結果です。これまで教科書販売と言えば、学内の売り場に学生たちが長時間並んで購入するものでしたが、今回の連携により、アマゾンストアで購入した教科書を自宅やコンビニで手軽に受け取れるようになりました。さらに、シラバスなどをプリント・オン・デマンドで提供することでペーパーレス化を進めるなど、「近大エコ出願」と併せて環境保全への取り組みも行っています。

Webでの拡散を想定したコンテンツ制作や情報発信の手法とは

――広報活動や宣伝活動においての評価基準があればお聞かせください。

明確な評価基準を定めるのは難しいですが、人の心に届くものを伝えていきたいとは思っています。そのためにも、ニュースリリースについてはまず配信数を増やし、結果を調査することに注力しています。今月配信したニュースリリースのうち何%がメディアに掲載されたのか、何件の取材を誘致したのかといったヒット率も毎月測定していますし、他の大学との比較も行っています。今後はこうした調査結果を、ニュースリリースの作成に生かしていきたいと考えています。

2013年に配信したリリースは合計で233本となり、その半数以上は、「News2uリリース」を使って配信しました。2014年はすでにその数を超えていますが、配信先は記者クラブや旧知の記者、雑誌編集者などさまざまです。例えば、2014年の5月にニューズ・ツー・ユーの月間ベストリリース賞を受賞したニュースリリースは、奈良の附属小学校についての話題でした。大阪ではニュースにならないような小さい案件でも地元のエリアでは重要なニュースとして取り扱われるので、幅広い情報を発信し続けることが大事です。

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――ソーシャルメディアやオウンドメディアも含めて、Webに期待している役割とは何ですか?

一番は情報の拡散ですね。特に近年は、Webで拡散されることを想定した情報発信やコンテンツ制作を心がけています。中でも広告類に関しては「近大マグロ」の写真を大胆に使用した新聞広告や、巨大な駅貼りポスターでアピールした「近大エコ出願」など、ソーシャルメディアで話題化しやすい見せ方を非常に意識しました。

以前、朝日新聞の小さなコラムに「近大エコ出願」の記事が掲載されたのですが、その後、同じ記事が朝日新聞のデジタル版にも掲載されたところ、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアで一気に拡散したことがありました。恐らく、紙の新聞だけではそこまで広がらなかったと思います。Webの持つ拡散力を実感した経験でしたね。

積極的なメディア露出で大学のブランドイメージを高めることに成功

――ニュースリリースやソーシャルメディアでの話題化を狙った広告など、Webを上手に活用されていますが、こうした積極的な広報活動は以前から?

マスメディアへの露出やWebの活用など、ここまで積極的な広報活動を行うようになったのは広報部が設立されてからですが、新しいことに取り組む姿勢自体は昔から変わっていません。

もともと、近畿大学には「実学教育」と「人格の陶冶(とうや)」という建学の精神のもと、先進的な研究にいち早く取り組んできた歴史があります。「近大マグロ」のような産学連携や企業からの受託研究なども昭和30年代頃からすでに行ってきており、広報部にもこうした気質は受け継がれています。

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一般入試出願受付開始の新聞広告「固定概念を、ぶっ壊す。」

――近畿大学が本来持っていた魅力をWebの活用により広く伝えられたことで、志願者数日本一という結果にもつながったということでしょうか。

そうですね。特に「先進的な研究を行っている大学」というイメージは、ここ数年で一気に強まったように感じています。志願者数だけが大学の価値を測るものではないと思いますが、昔と違い、いまは半分の大学が定員割れという時代のなかで、志願者数が大学のブランド価値にもつながるようになってきています。実際、テレビや雑誌などでも大学ランキングが特集されていますし、やはり我々としても数字にはこだわりたいと思っています。

――全国的な知名度の向上で、関東からの志願者なども増えていますか?

関西と比べると割合としてはそれほど多くありませんが、数的には関東からも着実に出願者が増えています。毎年、11月の初めに東京で開催している入試説明会の参加人数も年々増えていますし、2014年は特に多かったですね。「志願者数日本一」というニュースがテレビや新聞で取り上げられたり、ソーシャルメディアなどで拡散されたりしたことで、認知度は全国的に上がってきていると思います。


今回は近畿大学様の知名度向上に寄与した広報部の活動内容についてお届けしました。
後編ではニュースリリースを核とした近畿大学様のコミュニケーション手法についてお聞きします。


<今回お話いただいたのは…>
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角野 昌之(カクノ マサユキ)
学校法人近畿大学 広報部 次長

大学卒業後、1986年に学校法人近畿大学へ奉職。
以降、通信教育部、入学センター、総務部を経て、2013年から広報部、通信教育部にて学生募集広告を担当。総務部ではWebサイトをはじめ、学園全体の広報業務に携わる。

<インタビュアー紹介>
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朝火 英樹(アサヒ ヒデキ)
株式会社ニューズ・ツー・ユー マーケティングコミュニケーション部 マネージャー

NEC、ソフトバンクモバイルを経て、2014年9月ニューズ・ツー・ユーに参画。
事業主側でWebマーケティングを推進してきた経験を活かし、現在、ニューズ・ツー・ユーにてネットPR(News2uリリース)を軸としたオウンドメディアによるマーケティング コミュニケーションの仕組みづくりを推進中。

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